二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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ボカロ自己解釈小説【泥棒と執行人更新】
日時: 2016/04/08 23:00
名前: 小雪 (ID: GlYhyGNP)

どうも、小雪です。
今回はうちのオリキャラとかのボカロ曲の替え歌、それを元にした小説を書こうと思います。
原作キャラとオリキャラのNLCP要素あるのでご注意!
それでは、どうぞ。



目次※【】内は主人公名
小説
たんじむ
・命のユースティディア >>12 【ゆうた、信也】
・人柱アリス >>17 【美憂】
・メランコリック >>18 【雪乃】
・しんでしまうとはなさけない! >>21-22 【瑠衣、美憂】
・とある四天王の御茶会議 >>27>>29-30 【眼鏡の友人】
・Whereabouts of curry >>31 【瑠衣】
・すろぉもぉしょん >>32 【路斬】
・m/es >>34-35 【美憂】
・ローリンドール >>38 【瑠衣】
・ヤキモチの答え >>40 【美憂】
・とある四天王の御茶会議 >>49-51 【電池廃】

視点小説もの
・初めての恋が終わる時 >>54 【恵美】
・手杵の槍 >>59 【御手杵】
・小学生と傭兵 >>60 【青葉】

ほか
・メルト >>1 【エル】
・アザレアの亡霊 >>3 【アルト】
・天ノ弱 >>4 【望】
・ハッピートラップ >>19 【ハルリ】

歌詞
・イタズラ大乱闘 >>2 【瑠衣、優真】
・+FE >>5 【エル】
・とある四天王の御茶会議 >>27【電池廃】

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Re: ボカロ自己解釈小説【手杵の槍更新】 ( No.60 )
日時: 2016/04/04 14:10
名前: 涼月 ◆eVf1G29mRc (ID: 8C47jR.4)

二部作ー!

【小学生と傭兵/三川青葉】
変な人たちに連れてこられて、時間がたって。
いつからここにいるのか、青葉はわからない。
「……那珂さん、大丈夫ですか?」
吐くのに疲れて、そのまま眠ってしまったアイドル。
反抗して扉の向こうに行ってしまったあの子は大丈夫ですかね。
白い、古びた部屋で苦いお菓子を食べながら。
外の世界にあこがれた。

戻ってきたあの子は、目を輝かせてこういう。
「いつか、外に出てあの道を歩いた先にはきっとみんなが待ってくれてるよ。私は信じてる」
ただ、青葉はそっとうなずいた。
だって、
「恵美さん、あれは壁に描かれた絵なんですよ」
なんて言えないから。

いいですよ、いいですよ。
被害者の気持ちなんかわからなくたって。
誰も助けに来てくれなくたって。
壊れたカメラに手を伸ばした。
さほど酷い壊れ方じゃなかったから、直してそれを使う。
青葉の世界が終わるまで、これにきちんと思い出を刻んでおこう。

夜……だと思う。
目を覚ましたアイドルは、寒そうにしてたので。
「那珂さん、使います?」
自分の毛布を貸した。
そのとき、うれしそうな笑顔を写真に撮った。
『彼ら』に殴られるのがいやだったあの子の代わりに私は前に出る。
受け流そうとして大失敗。
「青葉……?あんた、大丈夫なの?」
「ええ、はい。あれですよあれ!名誉の負傷です!」
その傷も、写真に撮った。
24時間閉塞空間。鳩時計のチクタクなる音が、やけに耳に張り付いていた。

二人は、置いてあった本を見て声を合わせてこういった。
「きっとこの絵本みたいに、神様が私らを外に出してくれるよ!」
どうも嬉しそうだったので、青葉もそっと微笑んだ。
だって、
「青葉たちは、もう人間として扱われていないんだから無理ですよ」
なんていえないから。

いいですよ、いいですよ。
もう、薄々気がついてるんですから。
誰も探していないんでしょう?
殴られた顔が血の色で染まってもいいんですよ。
嗚呼、扉越しから『彼ら』の蔑む視線。
諦めろと言いたげな視線をずっと見ていた。

彼らの、声が聞こえる。
「どういう事だ!?貴様、裏切る気か!?……そのうちわかるというのは、どういう……」
突然、部屋が暗くなる。
「ひっ」
「あ、青葉……」
怖がりな友達をよそに。
青葉はじっと目を凝らした。

響く銃声、まるで海戦で軍艦が砲を発するような音。
ゆれる衝撃に堪えられず、そのまま倒れる。
ひび割れはじめる壁の隙間から、弾薬の匂い。
泣き叫ぶ仲間に埋もれながら。
崩れる、あの絵をぼうっと見た。

「こちら霧谷……三名とも無事。保護に当たります」
いいんですか?
いいんですか?
外の空気、吸ってもいいんですか?
「ああ、——さん。さっきの電話の返事ですけど」
あの、薄暗い蛍光灯じゃない、太陽の光を浴びてもいいんですか?
「裏切るも何も、あんたらに味方したつもりないんで」
ああ、崩れた壁の向こうに。
「三川、加賀、川内。1週間ずっと探していたぞ。さあ、帰るか」
冷たく笑う神様を見た。

Re: ボカロ自己解釈小説【小学生と傭兵更新】 ( No.61 )
日時: 2016/04/04 22:36
名前: ユウリ (ID: 344/XKJR)

涼月

ここでは初めましてだね!
見に来たけど、相変わらず凄いなおい……。
マジでそのセンス私に分けt…(美亜「うるせーユウリ。」…酷いな…。
あ、そうだ!
できたらでいいんだけど、『おこちゃま戦争』の替え歌お願いしてもいいかな…?

Re: ボカロ自己解釈小説【小学生と傭兵更新】 ( No.62 )
日時: 2016/04/04 23:45
名前: 涼月 ◆eVf1G29mRc (ID: KjZyd1Q/)
参照: くるりんごさんの楽曲は基本神

ユウリ
Thank you!My Brother……
おこちゃま戦争か……
ユウマ、ルイ「ガッタリンコ」
ご着席なさい一二。
ユキエ、マヤ「デデン」
どっか逝きなさい三四。
やれると思います!
その前に泥棒と警備員を書くと思う!
でもきっとやる!

Re: ボカロ自己解釈小説【小学生と傭兵更新】 ( No.63 )
日時: 2016/04/08 23:00
名前: 涼月 ◆eVf1G29mRc (ID: GlYhyGNP)
参照: くるりんごさんの楽曲は基本神

二部作の後編!です!

【泥棒と執行人/霧谷鴇夜】

「はい、日曜の昼下がりの事です。青葉は……友達と空き地でかくれんぼしてました。……そしたら、神様は消えました」
仲のいい、年下の声。
取材でも受けてんのか、お前は。
神様じゃないって言ってるだろ。




生まれながらに身分の低い自分は、生きていくためだけに。
半ば強制的ながらも隣国の独裁国家の下で機関銃を持った。
撃って、奪って。
手に入れたものは。
「よくやった、霧谷」
報酬だけ。
おいおい、なんだよこれ。
こんなの、手に入れるものより失うものの方が多いじゃあないか。
「ありがとうございます……」
これじゃいけない。
きっとだめだ。
そう思った自分は、とある誘拐事件を壊しにいった。
「裏切るも何も、あんたらに味方したつもりないんで」
笑い声を、撃って見据えて蹴って壊した。

どうもその被害者三人に懐かれてしまった。
まあ、罪滅ぼしの代わりだ。
放課後に面倒を見ることになった。
大体いつもの遊びはかくれんぼ。
「じゃーんけん──」
じゃんけんに負けて、
「わあい、鴇夜さん鬼ー!」
鬼になった自分。
これだと、世間的にも俺の立ち位置が危ないんだよなぁ……ということすら考えられない。
俺の価値観は、切れた。
偽られた正義に矛と盾。
「鴇夜さん、鴇夜さん!」
「ん、どうした?」
「写真撮りたいのでそこにたってください!」
なあ、三川。
その澄んだ二つ目でさ。
人殺しの俺を見てくれ。

そんな日々が続くうちに、俺は傭兵をやめて独裁国家から離脱した。
人を殺し続けて奪ったものを返すために、ただ走った。
でも、俺の後ろには常に大鎌を持った亡霊がいて。
「そんなことをしても無駄だ、お前は国を裏切った」
と囁く。
その通り、俺は指名手配されてた。
裏切り者として。

追われないように、幼い頃から伸ばした髪もバッサリ切った。
その日、俺はじゃんけんに勝った。
「青葉が鬼かぁ、すぐ見つかるのよね」
きっと、俺といるとこの三人は危ない。
そう確信した自分は、逃げた。
影から、昔の自分から。
俺はもう、『泥棒』みたいに逃げ続けるしかないんだ。
正義の泥棒?そんなんじゃねえよ。ただ国から盗んだ物を被害者たちに返してるだけだ。
だって俺、もうきっと信用されてない。
酷く、非道く淀んだこの二つ目で。
夜の街を悲しげに見下ろした。

それから月日が流れて、切った髪も元の長さに伸びきった。
今日も俺は隣国から奪われた物を取り返しにいく。
あいつらはどこかで幸せに暮らしてるのだろうか。
ふと、そんな考えが湧いた。
そのお陰で、足にかかるセンサーへの反応が遅れた。
「ん、何のお──」
気づいて振り返ったときにはもう遅かった。

爆ぜた、爆ぜた。
何が爆ぜたのかわからない。
でも何かが爆ぜた。
ゆっくり飛ばされ、窓がわれて崖っぷち。
カツリ、カツリと響く足音が俺に近づいたが。
もう、そんなのを耳に入れる余裕なんかなかった。
残った最後の力で、床を両手で掴む。
「っ、はぁ……あっ……」
心は、もう罪悪感で割れて堕ちた。
でも、まだ下には落ちることができない。
左手には力が入らず、そのまま床の感覚を失う。
結果、右手だけで床を掴む。
何故かわからないが、遠い遠いあの頃が走馬灯のように蘇る。

「ほら、来いよ」
なあ恵美。
「手、繋ぐか?」
大丈夫か那珂?
もう一人、もう一人いるはずなのに。
どうして、なんでか思い出せない。
誰よりも綺麗な澄んだ瞳でまっすぐ未来を見ていた。
もういい、いいよ。
十分だ。
「……ありがとう」
右手を、ゆっくり離す。
嗚呼、泥棒である俺の人生はここで終わった。


























「見つけました、鴇夜さん」
覚悟を決めた自分を、誰かが掴む。
目を開くと、そこには。
「あ……おば?」
懐かしい面影が立っていた。
「なんで……ここに?」
「ずっと探してたんですよ、長いかくれんぼでしたね」
「……いい、離せ」
「嫌です。だってもう逃げて欲しくないですもん」
「青葉!大丈夫?」
「鴇夜さん!」
「恵美……那珂……」
「さあ、帰りましょう」

「私達の神様」
上に、引き上げられる。
変わらない三人の笑顔を見て、俺は。
「ありがとうな」

呆れ気味に笑った。

Re: ボカロ自己解釈小説【泥棒と執行人更新】 ( No.64 )
日時: 2016/07/28 15:17
名前: 涼月 ◆eVf1G29mRc (ID: mJdGQN/J)

【フライアウェイ/那珂】

このまま、静かに。
ずっと、深く。
目を閉じて、何も見なければ幸せなのかな。
でも、でも。
「先輩、あたしさ——」
あのときみたいに。
「やっぱ、ここすきだなぁ」
自分の弱さを塗りつぶすように。
「次の仕事で、先輩たちと一緒に働けるなんて夢みたいだな!」
誰かを犠牲にして逃げるのなんて。

「嫌なの」

「……那珂ー?那珂?」
「っ、ん?」
そのまま静かに、目を開けたなら。
「大丈夫か?」
微笑むあの子は白に消えて、かわりに厚くんの顔が見える。
「ん、うん。ちょっとお昼寝してただけだよ」
「そっか。体冷やすなよ」
そう笑う君の顔を、どうしてもあの子に見立てちゃう。
「あっ……」
指が、震える。
『いいからさ、那珂先輩……行ってくれ』
選ばされた、あの子の死が瞼に焼き付いて、
影にまぎれていて。
目を閉じていたって、抉り付けるんだ。
「じゃ、俺はちょっとお使い行ってくるわ」
「……うん」
駄目だ、このままじゃだめ。
昨日よりも、もっと強くならなきゃ。
夜を、照らす光みたいに。
後ろ向きな自分を笑い飛ばして。
「歌おう」
そうやって、静かに目を見開いて。
あの時の記憶を深く刻む。

『深雪ちゃんっ、しっかりしてっ!ねえ!』
『潮梨……ごめん、那珂先輩と、行ってくれ』
『でも……』
『深雪ちゃんは、私が!連れてかえる!』
吹き返す、血のような飛沫。
痛い、頭が痛い。
『那珂!なにやってんの!?そんなことしたら——』
『夜華姉さんの言うとおりです!那珂ちゃんまで……』
『駄目、絶対に……那珂が、連れて帰るの!』
ああ、深雪、ちゃん……
『いい、本当に。行って、ください』
突き放された手。
あの子の顔は、わからない。
でも、きっと。
悔しかったんだろうなぁ。
その顔が、今でも。
光が消えるように、私の心を締め付けるの。

だって、私は。
明るく振舞う顔よりも、ずっと弱くて。
いじっぱりで、泣き虫。
でも、さっきみたいに。
『那珂、大丈夫か?』
キミが、厚くんがいれば。
ちょっとだけ強くなれるんだ。

だから、君のことは私が支える。
泣いてるなら、悔やんでるなら。
私がここにいるから、って。
あの時果たせなかった約束を——

ふと、サイレンの音が鳴り響く。
アナウンスを聞いたとき、私は飛び出した。
「川内先輩っ!?」
「ユウマくん、止めないで——那珂ちゃん、お仕事の時間みたい」
だって、あそこには。
『じゃ、俺はちょっとお使い行ってくるわ』
君がいるんだから。




「あ……つ……くん……」
「那珂、おい、しっかりしろ!」
駄目だ、歯が立たない。
痛いよ。
このまま、死ぬのかなぁ。
でも……今度は誰かを守れた。
それで死ぬなら、私は。
自分なりに弱さを受止めるよ。
大太刀が、振り下ろされる。



「極、実装」
声が、響く。
夜を照らすような、暖かい声が。
「厚藤四郎・極っ!」
「厚くん……?」
「下がってろ、那珂。さて……お前ら。逃げるなら今のうちだぜ?」
すばやく動く。
目じゃ捉えられない。
「突撃だぁ!」
鎧を纏った、君の姿は。
「その隙間、貰ったぁっ!」
とても、かっこよかった。



「那珂、大丈夫か?」
「うん……あーあ。やっぱり強くなんなきゃなー。今より、もっと」
「今のままでもいいんじゃないか?」
「えっ?」
「あいどる、なんだしさ。それに、お前はそのままでもじゅーぶん強いって」
……嬉しいこといってくれるなぁ。
決めた。
もう過去になんかとらわれない。
後ろ向きな自分、笑い飛ばしていかなきゃ。
「じゃ、なんか歌お?」
「ああ!」

このまま、静かに。
ずっと、笑って。
ありのまま、今をごまかさない。
そうきめた私の服が、ひらひら風に揺れた。


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