二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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プリキュアラブ
日時: 2016/07/13 19:09
名前: モンブラン博士 (ID: EBP//tx7)

プリキュアが大好きな3人が恋愛&バトルの作品を合作します!
キャラ紹介
>>4>>5>>6
本編
>>7>>8>>9>>10>>11>>12>>13
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Re: プリキュアラブ ( No.35 )
日時: 2016/07/13 18:23
名前: 霧風赤司 ◆5RRtZawAKg (ID: zGyV0OIp)  

「二回目か・・。今度やったらあいつらを消してしまおうか・・。」
「さすがにそれはやめた方がいいのでは・・。」
と、若い兵士は苦笑いを浮かべ呟く。
「わかっているさ。冗談だ。それにしてもあんな大男を使って捕まえさせるなど言語道断。ちゃんと捕まえんか。」

と、あきれ気味に扉を開け、外に出る。
そして、開けたと同時に誰かにぶつかる。
ここまでなら良かったのだが、目に入ったのは黄色の髪をした少女。
冗談・・・・そう言っていたのだが事実ではない。
本気だった。
「消えろ・・・。」
と、霧斬千万を向ける。


Re: プリキュアラブ ( No.36 )
日時: 2016/07/13 18:29
名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)

 僕はフレッシュプリキュアの変身道具を軽く弄びながら、チラリと横目でプリキュアが捕まっている牢屋の中を見る。
 そこでは、変身を解かれたキュアパインが何か言いたげな顔で僕を見ている。

「何?僕の顔に何かでも付いてるのかい?」
「あ、いや・・・・・・」

 僕の問いに、キュアパインは一瞬ビクリと肩を震わせると、目を逸らした。
 その時、この牢屋がある場所の出入り口である扉が開いた。
 見るとそれは、クレイブだった。

「ハル様。モラン様に聞いてみましたところ、キュアハニーこと大森ゆうこ。キュアピースこと黄瀬やよい以外は、記憶の処置を施し次第帰してもいいとのことで。もうしばらくはこのまま捕獲ということになりました」
「分かった。じゃあ、見張りは任せたよ。僕はもう部屋で休むから」
「・・・・・・良いんです?私にキュアパインの見張りなんて任せて」

 どこか、さっきとは違う声色でクレイブは言う。
 そう言われても、僕はキュアパインに対しては特に何もないんだけど?
 強いて言えば、さっき戦った時に彼女を殴ろうとしたら一瞬変な感じがしたくらいか。それもすぐ直ったが。

「別に構わないが?なんだ?君はキュアパインの見張りをしたくないのか?」
「・・・・・・いえ。そういうわけではないのです。ハル様がそれでいいのなら、それで」

 口元に微かに笑みを浮かべながら、クレイブはそう言う。
 全く、何を考えているのかサッパリ分からない奴だ。僕はそんな彼を見て嘆息した。
 ・・・・・・その時だった。

「あ、あの!」

 突然、牢獄から声がした。
 見ると、僕の方を見たキュアパインが何か言いたげに口をパクパクとさせている。

「なんだ?トイレだったら、その牢獄内にでもあるだろう?ドーナツの方はもう少しすれば出してもらえるはずだから、それまで我慢して・・・・・・」
「貴方は・・・・・・春也君、ですか?」

 春也、という名前に、僕の胸は微かにざわついた。それは、僕の人間としての名前だ。
 僕はチラリとクレイブの方に目を向けてみた。
 彼は軽く首を横に振った。言うなというわけか。了解。

「そんな奴は知らないな。なんでそんなことを聞く?」
「あ、いえ・・・・・・違うなら、それでいいの・・・・・・」

 キュアパインはなぜか安堵した様子でそう言う。
 本当に、こういう人間達の感情がサッパリ理解できない。
 まぁ、理解したくもないけど、ね。

「じゃあ、僕はもう行くよ。せいぜい後は頑張って、ね」

 僕はクレイブにそう言って、牢獄を出た。
 壁に凭れ掛かり、目を瞑る。
 瞼の裏に浮かぶ、誰かの笑顔・・・・・・———。
 しかし、その顔にはまるで霞がかかったようで、全く思い出せない。

「誰だったかな・・・・・・コレ・・・・・・」

 僕は頭を振り、くだらない考えを振り払った。
 今の僕は、細かいことを考える必要はない。
 だって、僕は・・・・・・———ただの、道具でしかないのだから。

Re: プリキュアラブ ( No.37 )
日時: 2016/07/14 09:34
名前: モンブラン博士 (ID: EBP//tx7)

モランは重度のロリコンであった。
一四歳のロリっ娘を好みおとなしくて優しい子がタイプだったため、山吹祈理、黄瀬やよい、大森ゆうこはまさに彼にとっては理想の相手そのものだったのである。
大森と黄瀬には意中の相手がいないことは調べがついていたが、問題は山吹だった。
部下の調査によると、ここ数日彼女は四葉街に転校してきたという少年、春也と良い関係だというのだ。
春也の正体はデッドラインの幹部がひとり、ハル=ドラグーンである。
このまま何もせずにいれば山吹祈理を奪われるかもしれない。
焦りにかられた彼は、その優秀な頭脳でどうすればふたりの仲を引き裂けるか考えた。
そしてすぐさま答えは導き出される。
ハルとミストが寝静まった深夜、モランはひとりの男を自室に呼びだした。その人物の名はクレイブ。元はハルの部下だったが上司からの扱いが悪いと管理国家ラビリンスを抜け出し、行方不明になっていた男だ。世界中に広い人脈を持つモランはすぐさま彼の居場所を見つけ、電話をかけてデッドラインの本拠地に呼び出したのだ。柔らかなイスに腰かけたモランに対し、彼は直立不動の体勢のまま答えた。

「私に何のご用でしょうか、モラン様?」
「君はハルの待遇に満足できず、彼の元を去った。そうだね?」
「その通りでございます」
「どうだろう、彼を裏切り私の部下にならないかな」
「えっ——」
「給料は以前彼が出していた頃の一〇倍の金額で、有給も保証する。どうかな」
「悪くない条件ですね。乗りましたよ」

以前の一〇倍もの給料が貰えるばかりか、有給も保証される。クレイブが喜ばないはずがなかった。
モランは部下であっても約束は必ず守る男だと信用されていたから、彼は一も二もなく承諾したのだ。

「それでは早速、夜遅い所で申し訳ないが、部下としての初仕事を依頼してもいいかな」
「今ですか?」
「そう。もちろん今回の仕事に成功したら特別ボーナスも払おう」
「やった! それで、仕事内容はなんですか!」

目を輝かせ食いつく彼にモランは不敵な笑みを浮かべ、少しの間を置いて口を開く。

「簡潔にいうと君の元上司であるハルへの復讐だよ。彼の記憶を呼び起こし、感情のない殺戮人形へとリセットさせてほしい」
「かしこまりました」
「そして彼に指示を与えるんだ……フレッシュプリキュアを倒し、その中のひとりであるキュアパインをここの牢屋に入れておくように……とね」
「ハハッ!」

膝をつき、中世の騎士が主君に仕える礼をした後、彼は初仕事を実行に移すべく部屋を出た。
自分ひとり以外いなくなった部屋で、モランはカフェラテを飲んでひとりごとを呟いた。

「ハル、最年長である私を舐めてかかった礼はたっぷりと返させてもらうよ」



果たして彼の作戦は成功し、感情を失ったハルは山吹祈理を本拠地に連れて、彼女を牢獄に幽閉した。
そのときモランは大森ゆうこと黄瀬やよいと一緒に朝食を摂っていたのだが、その知らせを聞いてすぐさま牢獄へと足を進める。
その途中、彼はハルとすれ違った。

「どこへ行くんだ?」
「牢獄だよ。君が捕まえたという山吹祈理ちゃん——もとい、ブッキーに興味が湧いてきてね」
「お前が好きなのは大森ゆうこと黄瀬やよいではないのか」
「もちろん彼女たちも好きだけど、ブッキーはブッキーの違った魅力があってね」
「……僕にはわからない。お前の抱く恋愛感情というものが」
「君にはわかる必要のないことだ。殺戮マシンに無駄な感情など不用だろう?」
「……そうだな、お前のいう通りだ」
「では、失礼するよ」

このわずかな会話と彼の瞳から消えたハイライトを確認して、モランは確信した。ハルの感情の九割は消えたということを。
その事実に彼は口角を上げて笑みを浮かべつつ、ハルと別れたモランは長い渡り廊下を歩いた突き当りにある牢獄への入り口へとやってきた。中に入ると表向きはハルの部下として振る舞っているクレイブの姿があった。

「クレイブ、どうやら作戦は成功のようだね、ありがとう」
「お褒めにいただき光栄でございます」
「では、君にご褒美をあげよう」

彼に特別ボーナスの入った封筒をわたし、彼は目を逸らして牢獄に黄色の練習着姿で牢獄に閉じ込められた祈理を一瞥しクレイブに小声で訊ねた。

「彼女の記憶は操作していないだろうね?」
「いえ、まだですが」
「それならよかった。彼女の記憶を操作されては私が困るからね」
「わかりました。では山吹祈理には処置は不用ということでよろしいのですか」
「その通り」

会話が終わると、彼は山吹の方を向いて彼女に歩みを進める。
そして鉄格子の前——つまり、彼女のすっと通った鼻と彼の高い鼻がぶつかりそうなほど近い距離まで接近すると、彼はにこやかに微笑む。

「山吹祈理ちゃん——いや、親しみを込めてブッキーと呼んだ方がいいかな?私はデッドライン幹部のひとり、モラン。よろしく」
「は、はい……よろしくお願いします……」

苦笑しつつも祈理は鉄格子の中に入ってきた手を弱々しく握り返した。

Re: プリキュアラブ ( No.38 )
日時: 2016/07/14 16:25
名前: 霧風赤司 ◆5RRtZawAKg (ID: zGyV0OIp)  

「つまんねえな.......。」
ミストは呟く。
今は皆が寝ている時間帯。
誰もいない。
「さて、基地内散歩としゃれこみますか。」
ミストは部屋を出る。

廊下を見渡すと光がない・・・のが普通なのだが一室だけ光がある。
霧斬千万で廊下を照らし、用心深く進んでいく。


「モランの部屋か。」
と、立ち去ろうとしたその時、後ろに気配がする。


「何をやってるんだ?ミスト。」
振り替えると、ハルがいた。

「いや。特に何も・・。」
と、立ち去ろうとするが、呼び止められる。
「本当か?俺にはそう見えんが。」
「うるさい。本当だ。」

「そうか。なら立ち去れ。」
「わかったよ。」

ミストは自室に戻り、霧斬千万のレーダーサイトを起動する。
後ろ手でマーカー位つけられる。
会話に耳をすませる。


「私に何のご用でしょうか、モラン様?」
「君はハルの待遇に満足できず、彼の元を去った。そうだね?」
「その通りでございます」
「どうだろう、彼を裏切り私の部下にならないかな」
「えっ——」
「給料は以前彼が出していた頃の一〇倍の金額で、有給も保証する。どうかな」
「悪くない条件ですね。乗りましたよ」
「簡潔にいうと君の元上司であるハルへの復讐だよ。彼の記憶を呼び起こし、感情のない殺戮人形へとリセットさせてほしい」
「かしこまりました」
「そして彼に指示を与えるんだ……フレッシュプリキュアを倒し、その中のひとりであるキュアパインをここの牢屋に入れておくように……とね」
「ハハッ!」



「何だよコレ.......。ハルが殺戮マシン?」

ミストは決心する。

「どうやら本格的に調べる必要がありそうだね。」


続。

Re: プリキュアラブ ( No.39 )
日時: 2016/07/14 17:42
名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)

 相変わらず、モランの考えていることは理解できない。
 僕は廊下を歩きながら、先ほどのモランの発言に関して少し考察してみる。
 しかし、やはり理解できない。そもそも、女の魅力というものを理解すること自体、無意味なのだから。

「まぁ、僕には関係ないか」

 ため息交じりにそう言いつつ、僕は自室に戻った。
 その時、テーブルに見覚えのある袋が乗っていた。

「これは・・・・・・」

 それは確か、フレッシュプリキュアがよく通っている、ドーナツカフェの袋だった。
 なんでこんな所に?と思いつつ、僕は袋を開いた。そこには、イチゴとチョコのドーナツが入っていた。
 何だったけ、これ。と、思いつつ、僕はチョコのドーナツを手に取り、窓の光に透かして見た。
 しかし、ドーナツが透けるわけがなく、強いて言うなら、真ん中に空いている穴が丸じゃなくてハートの形であることが気になった程度か。
 それを見た時、頭に何か、靄がかかったような映像が流れた。

『————かったら、二人で2個買って、はんぶんこしない?その方が、色んな味を楽しめ———』

「ぁ・・・・・・?」

 僕は頭を押さえ、喉から掠れたような声を漏らした。
 なんだ・・・・・・?今の、記憶は・・・・・・。
 相手の顔は覚えてないけれど、その時の僕は・・・・・・笑っていた。楽しんでいた。
 僕が?殺戮人形でしかない、この、僕が?
 まともな感情すら・・・・・・無いハズなのに・・・・・・?

「あぁ、違う違う。こんなもの、まやかしだ!幻だ!」

 僕はすぐに頭を振って思考をリセットする。
 それにしても、と思う。あの記憶の真偽はさて置き、フレッシュプリキュアがドーナツをほぼ毎日食しているというのは、書類にもあったことであり、嘘ではないだろう。
 あのプリキュアがそれほどに好きなものとは・・・・・・食べてみる価値はあるか。
 僕はそう思い、一口口に入れた。

「ん・・・・・・ッ!?」

 その瞬間、サクッとした食感や、その中のフワフワした食感。チョコの甘みなどが、口の中に広がった。
 電流のような何かが僕の体を走り、直後、僕の体を言いしれない感覚が走る。

「なん、だ・・・・・・これ・・・・・・?」

 これが、『美味しい』という感情なのか?これが、『幸せ』という感情なのか?
 すぐに食べるのを止めないと、僕は人形ではなくなってしまう。道具ではなくなってしまう。
 そうは思っていても、気付けば二口目を食していた。
 先ほどと同じように、言葉に言い表せない感覚が体中に走る。

「ゲホッ!ゴホッ!」

 僕は慌てて胸を拳で叩き、ドーナツの欠片を吐き出した。
 床に飛び散る欠片を眺めつつ、僕は食べかけのドーナツを見た。

「これが・・・・・・幸せ・・・・・・?これが・・・・・・?」

 僕は、KANASIMIを集めないといけないのに。そんな自分が、幸せを味わう?
 矛盾と言うべきか、そもそもそんなこと、許されないことだ。
 じゃあ、このドーナツというものは、幸せを作り出すもの、なのか?

「ハル様。おられますか?」

 その時、ドアを叩く音が聴こえた。声から察するに、クレイブだろうか。
 隠す必要など無いハズなのに、僕は気付けば、ドーナツが入った袋を机の大きな引き出しの中に隠し、床にあった欠片の方も窓から投げ捨て処分した。
 自分の口の周りにも付いていないことを確認し、「あぁ、いるよ」と返事をした。
 しばらくして入ってきたクレイブは、僕の部屋を見渡して微かに笑った。

「休むって言っていた割には、椅子には座らないんですね?」
「あ、あぁ・・・・・・そうだな。座るか」

 僕は座り心地の良い椅子に座り、クレイブの顔を見上げた。
 彼は僕を、まるで舐めまわすように見つめる。

「そういえば・・・・・・モラン様が今、牢屋でキュアパインさんと二人きりでおられるようですよ?」

 何でもないことのハズなのに、その一言で、僕の胸の中で何か、黒いものがざわつく感覚があった。
 どうでもいいだろ?モランと、キュアパインがどうなろうと。
 だって、僕はキュアパインのことなんて、どうでも・・・・・・———

『あれ?見覚えのない、顔ですね。私は・・・・・・———』

 どうでも・・・・・・———。

『はい、春也君。あーん』

 ・・・・・・———。

「どうされましたか?ハル様」
「・・・・・・いや、なんでもない。ただ、ちょっとだけ、思い出した用事があってね」

 僕はフラリと立ち上がり、クレイブの横を通り過ぎる・・・・・・———寸前で、奴の首を片手でへし折る。
 ボキッと、太い木の枝を折った時のような音が部屋に響く。

「ぁ・・・・・・が・・・・・・?」
「あぁ、ごめん、クレイブ。僕って感情のない殺戮人形だからさぁ・・・・・・———」

 僕は首がありえない方向を向き、驚いた様子で目を見開いたクレイブに目を向け、静かに言ってあげた。

「———・・・・・・自分の敵だと思った奴はみんな、殺したくなっちゃうんだ」

 息絶えたクレイブの死体を弄り、なんで彼が僕にこんなことをしたのか調査をしてみた。
 すると、彼のポケットには、見覚えのある封筒が入っていた。たしか、モランが持っていたものだ。
 中身を見ると、そこにはかなりの金額になる金が入っていた。

「金欲しさに目が眩んだか・・・・・・」

 僕は金だけ抜き取り、ズボンのポケットにある財布にしまい、封筒はビリビリに破いてクレイブの死体にかけておく。
 これだけの金があれば、たとえこの組織を追われたとしても、多少は生きていけるだろう。
 僕は深呼吸をすると、一気に全ての感覚を研ぎ澄まし、感情を抑え込む。
 まだ、やらないといけないことがある。
 殴ってしまったことをキュアパインに謝り、そして・・・・・・モランを、一発殴ってやらないといけない。
 僕は目を開く。目の前の鏡には、先ほどと同じ、感情の無い目をした僕が映っていた。

「殺戮マシンを舐めたら痛い目見るって、教えなくちゃね」


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