二次創作小説(新・総合)

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戦闘中 シャドウを倒せ!【完結!】
日時: 2019/10/05 20:13
名前: モンブラン博士 (ID: HpE/sQXo)

戦闘中、史上最強のラスボス現る!!
その名は、ジェネラルシャドウ!!
これまで何度も逃走中や戦闘中に出場し。
多くの逃走者を危機から救ってきた男。
その彼が、最強の敵となって立ちはだかる!
与えられたミッションはひとつ。

「俺を倒せ」

一切の手加減も甘さも捨てた本気のジェネラルシャドウを相手に、参加者達はどこまで戦うことができるのか。
好敵手、恋人、弟子……彼と縁深いキャラ達が立ち上がる!

参戦者一覧

ラブライブシリーズ

黒澤ダイヤ 国木田花丸

プリキュアシリーズ

黄瀬やよい 青木れいか

スーパー戦隊シリーズ

ドギークルーガー 

ゲゲゲの鬼太郎シリーズ

魔女アニエス 

ときめきメモリアルシリーズ

如月美緒

オリキャラ

ロディ

作者枠

エイジア

メタルメイドウィン

応募用紙>>38
※応募は締め切りました!

主な見所

ジェネラルシャドウの本気!
国木田花丸&如月美緒 文学少女同士の交流!

Re: 戦闘中 推しキャラ№1決定戦! ( No.16 )
日時: 2019/09/24 10:06
名前: モンブラン博士 (ID: EUHPG/g9)

花形満は思案していた。自分を含めて残り17人。つまり、あと5人が脱落しなければ第1回戦は終わらない。ここで勝負を仕掛けるのは不本意ではあるが、状況が状況なだけに仕方あるまい。第1回戦は僕の手で終わらせよう。
花形は堂々とした足取りで、最初に仕留めると定めた相手に向かう。

にこ「にっこにっこにー♪ あなたのハートににこにこにー! 笑顔届ける矢澤にこにこー! にこにーって呼んでね、ラブにこ♪」

黒髪のツインテールに小柄な体躯、白い肌が特徴の宇宙№1アイドル矢澤にこは、いつもの芸を披露する。それを見た花形はフッと口角を上げ、ニヒルに笑った。嬉しさ半分、だがそれ以上にこれから戦う相手の力量を把握した、とでも言いたげな笑いだった。

花形「君が矢澤にこか。君のことは知っているよ」
にこ「本当にこ!?」

にこが目を輝かせると花形は頷き。

花形「君がアイドル道を真っすぐ進み、ジャギやサンシャインを並外れた根性で倒したことも知っている。だからこそ、僕はきみの根性と真っ向勝負がしたい!」

花形は金属バットを突きつけ、にこに挑戦状を叩きつける。

流石のにこも花形の熱きハートと得物のバットの登場には冷や汗を浮かべ、引きつった笑い顔になる。

にこ「まさかアンタ、そのバットでにこを殴る気じゃ……」
花形「僕はそんな真似はしない。僕は君と野球勝負がしたいのだ」

そう言って軽くにこに何かを放り投げた。彼女が受け取ると、それは一個のボールだった。花形はにこに野球で勝負を挑んできた。一球勝負で、にこが投げ、花形が打つ。花形が打てなければにこの勝ち。花形が打てばにこの負けとなる。殺伐とした勝負が続く中で清々しいほどのスポーツの勝負を彼は申し込んできた。
殴られたり蹴られたり武器を使われることがない分、安全度は高い。一球というリスクはあるが、相手は大人でしかもプロである以上、自分に手加減してくれるはずだとにこは踏み、勝負を承諾した。
距離を置き、にこが構え、花形がバットを握る。と、その表情を見たにこは仰天した。歯を食いしばり目から凄まじい殺気と闘気が放たれており、先ほどの爽やかな印象はどこに求めようもない。全身から放出される覇気は火山の如し。触れるものを一瞬で蒸発させてしまいそうなほど、異様な熱気を出している。
その闘争心の塊のような形相を見たにこはダラダラと顔中から汗が流れる。
ダメだ。この人はどう間違っても手加減をするようなタイプではない。

花形「投げたまえ、矢澤にこ。君のアイドル人生の全てをかけて!!」

透き通るような、けれどよく響く声がにこの耳に入る。
勝負は一球。ミスは許されない。にこは直感的に悟った。
彼は強い。少なくとも精神面に関して言えば、これまで戦ったジャギやサンシャインよりはずっと上だろう。野球選手の彼がこの大会に参加している違和感はあるが、ここで逃げたらアイドルの名が廃る。にこはボールを握る手に、これまで生きてきた17年分のアイドル人生とμ'sの仲間と過ごしたかけがえのない想い出を込め、大きく振りかぶる。そして、最初で最後の一球を投げた。

「にごおおおおおおおおおおおおッ!」

真っすぐに放たれたストレートを確認し、花形はバットの芯で完璧にボールを捉えると豪快なスウィングでにこの球をカッ飛ばす。

カキィィン!

打たれたボールは青空の彼方へと消えていく。

花形「矢澤にこ。良い勝負だった。この敗北にめげることなく、アイドル道を歩みたまえ」

それだけ告げ、背を向け去っていく花形。
しかし当のにこは両膝からガックリと崩れ、一言も発しない。
その瞳からは、涙、また涙。
自分のアイドル人生が通用しなかった悔しさと、負けて尚、自分をリスペクトしてくれる相手の偉大さに涙が止まらなかったのだ。

矢澤にこ 脱落


花形「君には嘗ておにぎりをファン名義で届けて貰った恩がある。だが、勝負に私情は挟まん!」
花陽「ああっ、私のごはんの夢がぁ……」

その後、一切の妥協をせず、ホームランとして花形は花陽の球も打って見せた。
花陽は花形のファンであり、名前に花が付く者同士として親近感を持っていた。
ある時、名を隠して彼の寮におにぎりを作って持っていったことがある。
一ファンである自分のことなど花陽は覚えていないと思っていたが、花形はちゃんと記憶していたのだ。そして勝負と割り切り、彼女を仕留めた。

小泉花陽 脱落

花陽を撃破し、花形は一人呟いた。

花形「これで残り15人。あと3人……真っ先に脱落させるとするならば――奴しかいない」

花形は拳を強く固め、更なる闘志を燃やす。
天才・花形が向かった第3の相手。それは――


ねこ娘「アンタ、本気で言っているの?」
花形「当然だ」
ねこ娘「命が幾つあっても足りないわよ」
花形「フフフフフフ、それはどちらの台詞かな」
ねこ娘「何ですって!?」

花形が次に選んだ相手は、ねこ娘であった。ねこ娘は腰に手をあてたまま、花形の話を聞いていたが、彼女は嘆息した。自分は妖怪、相手は人間。勝負の結果ははじまる前から見えている。付き合うのもバカバカしい。適当に理由を付けて、諦めて貰おうと彼の挑戦を受け流そうと考えた。けれど、花形は譲らない。
危険だ、やめた方がいい、どれほど説得を試みても頑ななほどに彼の心は動かない。おまけに自分の身を心配しろとまで言ってきた。
ねこ娘は目を細めて相手を見る。この男は力量差も分からないただの馬鹿なのか? 否、そうではない。彼は充分に力の差――もとい種族の壁を理解している。
その上で、絶対に勝てるという自信と勝算があるからこそ自分に挑戦しているのだ。ねこ娘は不意に僅かな寒気に襲われた。冷たい風が吹いたのか。違う。
自分がこの男に飲まれそうになっているのだ。得体の知れない強大な力が発生し、それに鳥肌が立っているのだ。相手は単なる人間のはず。それなのに、足が震えてその場から動くことができないのだ。花形満は彼女がこれまで戦ってきたどの相手とも全く異なるオーラを放っていた。

ねこ娘「……分かったわよ。でもやるからには、私も本気でいくからね」
花形「そうこなくては。流石は猫姉さん、と言ったところか」
ねこ娘「何でアンタがその名前を知っているのよ」
花形「以前から君のことはある人物からずっと聞かされていてね。耳にタコができそうになるほどに……だからこそ、僕は君の全てを知っている。その上で、きみに引導を渡すことにした!!」
ねこ娘「やれるもんなら……やってみなさいッ!」

ねこ娘は猫化し、十指から長く爪を伸ばして本気になると、己の妖力を込める。

ねこ娘「はあああああああああああああッ!」


ギュオオオオオオオオオッ

全身全霊で投げられた剛速球は唸りを生じて花形へと向かってくる。
何の変哲もないストレートだが、威力は人間のそれを凌駕する。
しかし花形は目を光らせ。

花形「貰った!」

全力を振り絞った豪快なスィングでねこ娘の球を空高く運んでいく。
決して打てるはずがないと高を括っていた全身全霊の球。
それを花形は見事に攻略してしまったのだ。バットは普通のものであり、妖怪バットでも何でもない。
普段はクールなねこ娘もこれにはあ然とし、苦笑することしかできなかった。

ねこ娘「負けたわ。完敗ね……」

2人は互いの健闘を称え、がっちりと握手を交わす。
しかし、花形はこの時気付いていた。ねこ娘の球を討ち取った際に、凄まじい激痛が全身を駆け巡ったことを。


ねこ娘 脱落

残り14人

ルールー=アムール ロビンマスク 南ことり 園田海未 国木田花丸 津島善子 小山翔子 レジーナ 琵琶丸 花形満 幽鬼鉄山 ヤード こなくん ゆうき

Re: 戦闘中 推しキャラ№1決定戦! ( No.17 )
日時: 2019/09/24 20:11
名前: モンブラン博士 (ID: EUHPG/g9)

ことり「ゆうきくーん、どこにいるのー!」

ことりは大声で大好きな人の名を呼んでいる。戦闘中がはじまってかなりの時間が経過しているが、参加しているはずのゆうきには会えてはいない。まさか、誰かに撃破されてしまったのだろうか。そんな不安がことりの不安を掠める。けれど、脱落情報は通知として届くため知らせがないのは安全と考えなおし、再び通路を歩くことにしていた。立ち止まらずに歩き続ければ、きっと会えるかもしれない。エリア自体は広大だが、ことりは希望を捨てなかった。すると、前方に人影を発見した。あの人に訊けば何か情報が得られるかもしれない。ことりは駆け足で前の人物に近づいていく。

ことり「すみませーん! ちょっと訊ねたいことがあるんですけれどー!」

手を振り息を弾ませながらも笑顔を絶やさず声をかける。
ことりが訊ねたのは禿げ頭の老人、凄腕の針師である琵琶丸だった。
琵琶丸は頬を紅潮させて軽く息を乱していることりに言った。

琵琶丸「ヒッヒッヒ……あたしが力になれるかどうかはわからんが、言ってみな」
ことり「実は人を探しているんです……」

ことりの話を聞いた琵琶丸は唸り。

琵琶丸「残念ながらあたしは会ったことはないねえ」
ことり「そうですか……ありがとうございます」

礼を言ってその場を去ろうとすることりに琵琶丸が口を開いた。

琵琶丸「おめぇさん、左膝が弱いねえ。何度か手術してなさるだろ? え?」
ことり「はい。でも、どうして分かったんですか」
琵琶丸「あたしは特別な鼻があるから匂いでわかる。ここであったのも何かの縁、あたしがちょっと治してやろう。横になんなさい」

言われるがままことりは横になった。琵琶丸はがま口から足に使う専用の針を取り出すと、ことりに刺そうとする。
その時、男の声が響いた。

ゆうき「アンタ、俺のことりちゃんに何勝手に触れているんだッ!」
ことり「ゆうき君!」

ことりは目をキラキラと輝かせる。ずっと会いたいと願っていた人物が目の前に現れたのだ。

ゆうき「ことりちゃんに触れるとはいい度胸じゃないか。痛い目に遭いたいか!」

ゆうきは激怒していた。傍から見れば禿げ頭の男が美少女を相手に怪しいことをしている光景にしか見えない為、ことりの想い人であるゆうきが怒るのも無理のない話だった。けれど琵琶丸は「シッ」と声を出し、ゆうきに静かにするように指示した。

琵琶丸「おめぇさん、この子の大切な人なんだろう? だったら静かにしてやんなさい。何、ほんの1分の辛抱……ヤッ!」

ゆうきが止める間もなく、ことりに針が打ち込まれる。暫くの静寂。琵琶丸は大汗を掻きつつ、やがて小さく告げた。

琵琶丸「ウム……手応えあり……これで彼女の足はもう一生大丈夫だよ。ヒッヒッヒ」
ことり「待ってください!」
琵琶丸「ん?」
ことり「あの、これ……少ないけれど、受け取ってください!」

ことりは財布から千円札を出し、治療代として受け取って貰おうとした。けれど、琵琶丸はそれを手で制し。

琵琶丸「お金はいりやせん。それほど食うにも困っておりませんでな。では……」
ゆうき「ほんとにお金要らないのかよ!?」
琵琶丸「結構結構。そうだ、おめぇさん方に伝えておこう。参加者の中に化け物がいるのでな、奴には気をつけなされ」

それだけ告げると琵琶丸は当てもなく歩き出す。その歩きは、ゆうき達が追い付けないほど速い。
ことりの足を治し、尚且つ1円のお金も受け取らない男。
ゆうきは直感した。先ほどの男は、嵐虎之介、ジェネラルシャドウに次ぐ第3のことりの恩人であると。


琵琶丸が歩いていると、今度は花形に遭遇した。

琵琶丸「ヒッヒッヒ。おめぇさん、猫娘を倒したみたいだねえ」
花形「そうだ。そうでなければ第1回戦を終わらせることはできんからな」
琵琶丸「一理はあるが、もう少し遅くても良かったんじゃないかね」
花形「むッ、それは――まさか」
琵琶丸「空手家がまだ残っている。そしてあの技を食らって1名が病院に運ばれた」
花形「何だと!?」

花形に激震が走る。幽鬼鉄山はまだ脱落していなかったのだ。これほどの強者が集まる本大会だから今頃は脱落していると踏んでいただけに、彼がまだ脱落していない報せには冷静沈着の花形も動揺を隠せなかった。

花形「それで、鉄山は酔っぱらっていたのか?」
琵琶丸「……遠くで匂いを嗅いだ限りは酔っていたねえ」
花形「急がねば、被害者が増えるばかりだ! あの技を受けては頑強な参加者とて一発でKОされてしまう! 猫娘を先に倒したのは僕の失敗だったか!」
琵琶丸「いや、そんなことはない。あの空手家の実力を見な。残念ながら猫娘では勝てなかっただろうよ」
花形「だったら猶更急がねばなるまい! 琵琶丸、情報をありがとう」
琵琶丸「ヒッヒッヒ。おめぇさんは正義感に燃える男だねえ。勝負師だねえ」

琵琶丸のいう鉄山のあの技とは一体何か。
急ぐ花形は鉄山を食い止めることができるのか。


残り14人

ルールー=アムール ロビンマスク 南ことり 園田海未 国木田花丸 津島善子 小山翔子 レジーナ 琵琶丸 花形満 幽鬼鉄山 ヤード こなくん ゆうき

Re: 戦闘中 推しキャラ№1決定戦! ( No.18 )
日時: 2019/09/25 20:24
名前: モンブラン博士 (ID: EUHPG/g9)

鉄山「ぎえへへへへへへへ……」
ルールー「おとなしく観念なさい」
鉄山「うるせぇ小娘だ」

幽鬼鉄山はルールーからベアハッグを極められ、呻いていた。
鉄山の暴走を食い止めるべく、ルールーが戦うことを決意したのだ。
アンドロイドである自分ならば相手の衝撃にいくらかは耐えることができると考えてのことだった。ルールーは成人男性を大気圏まで放り投げたり、テニスをすればボールが破裂するほどの常人離れした怪力を有している。機械だからこそ生み出せる凄まじい怪力で全身を搾り上げられ、涎を垂らしながらも鉄山は笑っていた。並の人間ならとうに気絶するか身体が真っ二つに切断されているだろう。けれど、彼は違う。
万力で絞められても軽口を叩けるだけの余裕があるのだ。ルールーは困惑した。

ルールー「あなたは以前、山田太郎に背骨にヒビを入れられ、サバ折りは効果抜群のはず。何故、効かないのです?」
鉄山「きえへへへへへ。下らぬことを抜かすな機械人形。わしは幽鬼鉄山じゃい!」

吠えると彼女の両肩に肘打ちを幾度も食らわせる。頑丈なはずのルールーの体はその衝撃でショートし、煙が噴き出してくる。

鉄山「機械人形など所詮はこの程度。多少力が強くとも、衝撃に対しては脆いもの。人工物のお前如きがわしに挑むこと自体が間違いよの」

ルールーは損傷が限界にきたのか、遂にクラッチを解してしまう。それを待ちかねたかのように蹴りで彼女を後方に吹き飛ばし、倒れているルールーの腹にニースタンプを一撃。ルールーの全身から激しく火花が飛び散り、やがて目の光が消えた。完全に機能停止したのだ。

ルールー=アムール 脱落。

鉄山はその黒くどろりとした殺気に溢れた瞳でルールーを一瞥し、言った。

鉄山「お前はわしを倒し、第2回戦に駒を進める気じゃったな。だが、考えが浅はかだった。山田に倒された時と同じ轍は踏まぬ。それが幽鬼鉄山というものよの」

酔ってこそいるが戦術に関しての分析はかなりのものを持っている男である。
ルールーがベアハッグにくることも前もって計算していたのだ。
酒浸りの空手家の恐るべき腕に参加者達は近づくことさえできない。万が一にも挑もうものなら、ルールーと同じ結果に終わることは手に取るようにわかるからだ。鉄山はニタニタと笑いながら、流れた涎を手の甲で拭い。

鉄山「どんな輩が参加するのかと期待してみればどいつもこいつもド素人、こんな大会などガキの遊びよの。もっと骨のある奴が参加していればわしも闘い甲斐があったものを」

ここで彼の目にバーの看板が目に留まる。鍵をかけている扉を蹴破り、中へ侵入すると5本のウィスキーの瓶を空手着に忍ばせ、ついでに6本目の瓶のコルクを開けてグビグビと飲みながら外へ出てきた。完全にやりたい放題である。
と、その時、一人の少女が鉄山の前に現れた。
栗色の柔らかな髪にふくよかな胸が特徴の美少女、国木田花丸だ。

花丸「鉄山さん、お酒のただ飲みはいけないずら。ちゃんとお金を払わないとダメずら」
鉄山「貴様、わしに指図するつもりかぁ!」
花丸「ずら」

笑顔で同意する花丸に参加者達は内心危機感を抱いていた。
花丸が怖いもの知らずというのはわかる。だが、今回はあまりにも危険だ。
止めないと。だが、頭ではわかっていても身体が動かない。

善子「ずら丸、危険よ。その男から離れて!」
花丸「善子ちゃん、それはできないずら。おらにはこの人を止める使命があるずら」
善子「使命ってアンタ……そして私は善子じゃなくてヨハネ!」

いつものやりとりをするが、善子は花丸の表情からは一歩も引かない覚悟を感じていた。自分が説得してもずら丸は止められない。今できることは彼女の無事をリトルデーモン達に願うだけ。
手を広げてとうせんぼをする花丸に鉄山はドスの利いた声で。

鉄山「どけ」
花丸「お店にお金を置いたらいいずら」
鉄山「口で言ってもわからないのなら仕方ない。覚悟せえ!」

鉄山は5mほど跳躍すると花丸に標準を合わせて落下していく。
狙うは彼女の右肩だ。

鉄山「万年蹴りーッ!」
花丸「ずら……」

相手から放出される全開の闘気に花丸も足がすくんで動けない。
これぞ食らったら最後、全身に痛みが広がり一生激痛に苦しむという恐怖の技、万年蹴りである。

花形「危ないッ」

花丸を突き飛ばし、両者の間に割って入ったのは花形だった。
万年蹴りを食らい、轟沈する花形。肩を抑え、呻きながらも花丸に言った。

花形「間に合って良かった」
花丸「どうしておらを助けたずら?」
花形「子供は未来の希望。僕らのような大人が明日を担う子供達の盾になるのは当然のこと……」
花丸「花形さん!」
花形「全員とまではいかなかったが、猫娘、矢澤にこ、小泉花陽は救えた……本来ならば、μ'sや君達アクアのメンバーを全員牢獄送りにして、この凶暴な男の魔の手から守ってやりたかった。全員を守り切れず、すまない」
花丸「気にすることないずら。その気持ちだけで、おらは嬉しいずら」

花形は無言で花丸を見つめる。視線が交差する。互いの心は通じあった。
ここで花形は善子に視線を向け。

花形「君には何もしてやれなかったが、せめて握手で勇気をわけてやりたい」

震える手を善子に伸ばす、花形。善子もそれに応え、握り返す。

花形「堕天使ヨハネ。君は自分の事を不幸、不幸と言っているが、僕にはそうは思えない。君はこれほど素晴らしい仲間達に巡り合えたのだから。自分の不幸に屈せず、勝負を最後まで諦めるな……」

途端、花形は瞼を閉じ、動かなくなった。善子が身体に触れると赤い血がべったりと手に付着する。花形は猫娘との対決で筋肉の筋が切れ、鎖骨や肋骨が折れるなど重症を負っていた。だが、彼は己の最期の力を振り絞り、花丸を庇い、善子に勇気を託したのだ。あまりにも気高い彼の行動に、善子の目からは熱いものが流れた。

善子「アンタは馬鹿よ。大馬鹿よ……!」

花形満 脱落

救急車で搬送される彼の姿に鉄山は大笑いし。

鉄山「花形も馬鹿な男よ。友情や愛情、正義の為に戦うなど愚かじゃい。その甘さがなければ優勝しても不思議ではなかったのじゃがな!!」

彼の一言を聞き、参戦者の大半が同じ思いを抱いた。鉄山、許さない。

第1回戦、終了!!

残り12人

ロビンマスク 南ことり 園田海未 国木田花丸 津島善子 小山翔子 レジーナ 琵琶丸 幽鬼鉄山 ヤード こなくん ゆうき

Re: 戦闘中 推しキャラ№1決定戦! ( No.19 )
日時: 2019/09/26 14:00
名前: モンブラン博士 (ID: EUHPG/g9)

第2回戦 対戦カード

第1試合 琵琶丸VS小山翔子

第1シード 南ことり(琵琶丸か小山翔子、どちらかの勝者と3回戦を戦う)

第2試合 ゆうきVSロビンマスク

第2シード ヤード

第3試合 レジーナVSこなくん

第3シード 園田海未

第4試合 幽鬼鉄山VS津島善子

第4シード 国木田花丸

以上!

Re: 戦闘中 推しキャラ№1決定戦! ( No.20 )
日時: 2019/09/26 19:42
名前: モンブラン博士 (ID: EUHPG/g9)

冷凍みかんを口に運び、その美味しさに舌鼓を打っていた運営の十六夜リコは扉のノックする音で、慌てて残りのみかんを口に放り入れて飲み込むと、ドアを開ける。すると、そこには1人の若い女性が立っていた。紅色の髪に緑色のコートをきた美女だ。美女はじっとリコを見つめ、小さく呟いた。けれど、その唇が言葉を紡いでもリコにはさっぱりだった。
小さすぎて聞こえないのだ。

リコ「ごめん。もう一回言ってくれないかしら?」

リコの要求に再度口を動かすも、結果は同じ。そしてもう1度訊ねたところ、これまでとは比較にならない大音量で美女が言った。

翔子「対戦を変えてほしいのよ!!」

それから数分後。

リコ「まだ耳が痛いわ」

先ほどの大音量が残っているのか耳を微かに抑えながらも、椅子に腰かけ美女と向き合う。相手の名は小山翔子(こやましょうこ)。推しキャラ決定戦に参加し、第1回戦を勝ち抜いた選手の1人だ。リコは彼女に小さな声でも拾えるようにとマイクを渡し、どうして対戦を変更して欲しいのか訊ねた。すると彼女は若干怯えの色を見せながらも、蚊の鳴くような声で答えた。

翔子「1対5にしてほしいの……幽鬼鉄山、レジーナ、琵琶丸、こなくん、国木田花丸を相手に私が戦う。早く大会を終わらせたい」
リコ「いくらなんでも無謀過ぎるわ!」
翔子「……ダメ?」

上目遣いで懇願する翔子の可愛さに、一瞬頬が赤く染まるリコだったがすぐに胸の前で手でバツマークを作る。

リコ「認められないわ! あなたでも危険すぎるわ。それに早く終わらせてどうするの?」
翔子「……賞金を早く使いたいの。普通の女の子らしく遊んでみたい」
リコ「気持ちはわかるけど、ねぇ」

リコが難色を示していると大会の運営者であるスターが部屋に入ってきた。
そして翔子の話を聞くとうんうんと頷き、笑顔で明るく告げた。

スター「君がそうしたいのなら、そうしても構わないよ! この私が許可を出す!」
リコ「ちょっと。あなた何を言っているのよ。他の選手たちが怒るわよ」
スター「心配いらんよ。5対1で戦う不利を彼女から出してきたし、彼女を倒せば、彼らにとっても賞金を狙う相手が1人減るわけだからメリットがある」
リコ「でも……」
スター「いいんだよ、翔子ちゃん。リコちゃんの言うことは気にしないで、思いっきり好きなように戦ってごらん!」

スターの声にこくりと頷く翔子。リコは腕を組み、頬を膨らませる。

リコ「どうなってもしらないわよ」
スター「心配いらん! 大会は盛り上がる為に存在する! ただ単調にトーナメントをやってもつまらないから、こういう特別ルールを取り入れた方が面白くなる!」

こうして、スターの独断で小山翔子VS幽鬼鉄山&レジーナ&国木田花丸&琵琶丸&こなくんの対決が決まった。

試合場に設置されたリングには既に5人がリングインして、翔子の登場を待っていた。

こなくん「翔子って誰?」
レジーナ「知らなーい」
鉄山「ぎえへへへへへへ。わしにゃ誰が相手でも構わん。何ならお前達も全員万年蹴りの餌食にしてやってもいいぞえ」
花丸「どんな人が現れるのか楽しみずら~」
琵琶丸「ヒッヒッヒ……呉越同舟というのもまた一興だねえ」

皆の期待が高まる中、スポットライトに照らされ、翔子が入場する。整ってはいるが、暗くどこか元気のない顔と態度に会場は落胆に包まれる。

観客1「あれじゃすぐに勝負が決まっちゃうよ」
観客2「翔子とかいう女、自分の実力が分かっていないんじゃないか」
観客3「ボコボコにされても身から出た錆だから文句は言えねぇぞ!」

野次が会場から次々に飛んでくるが、翔子は意に返さずリングに上がる。
赤いハイヒールに所々傷ついて素肌が見えるジーンズ姿。どう間違っても、これから戦う恰好ではない。

翔子「……ゴングを鳴らして?」

彼女の指示により試合開始の鐘が鳴らされる。
一斉に臨戦態勢に入る5人。
琵琶丸は仕込み杖から剣を引き抜き、レジーナはミラクルドラゴングレイブを構え、こなくんはブーケを手にする。そして、真っ先に動いたのは案の定、鉄山だった。

「ぎえへへへへへ。女子とは言え、容赦はせん。万年蹴りーッ!」

しかし翔子は落下してくる鉄山の足を両腕をぴたっと閉じたガードで完璧に防ぎ、万年蹴りを無効化してしまう。

「なんで貴様がこの防御法を……!?」
「習ったの」

小さく呟くと無防備の鉄山の甲板に手刀で当身を食らわせる。

「この鉄山、実力を測り損ねたか……不覚じゃ……」

ドサリと音がして鉄山が倒れる。既に気を失っていた。

幽鬼鉄山 脱落

「だったら私が!」

レジーナがミラクルドラゴングレイブを突き出すが、翔子は穂先を受け止め、悠々と引き寄せると、急にレジーナの顔面を空いている右手で掴まえると、そのまま一気にマットへ背中から叩きつける。

「きゃっ!」

一声叫ぶとレジーナは瞼を閉じ、動かなくなった。所有者がいなくなったミラクルドラゴングレイブは翔子の手を離れ、どこかへと飛んでいく。恐らくレジーナが再び目を覚ますまでは誰にも触れさせられたくはないのだろう。

レジーナ 脱落

強豪のはずの2人がたったの一撃であっさりと撃破されてしまった現実に、こなくんは背中に氷でも当てられたかのような寒気を覚えた。この女、化け物だ。強すぎる。
翔子は相変わらずの小声で問うた。

「3人のうち、1人だけは見逃してあげる。残り2人は誰が犠牲になるの?」

残り10人

ロビンマスク 南ことり 園田海未 国木田花丸 津島善子 小山翔子 琵琶丸 ヤード こなくん ゆうき


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