二次創作小説(新・総合)

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戦闘中 シャドウを倒せ!【完結!】
日時: 2019/10/05 20:13
名前: モンブラン博士 (ID: HpE/sQXo)

戦闘中、史上最強のラスボス現る!!
その名は、ジェネラルシャドウ!!
これまで何度も逃走中や戦闘中に出場し。
多くの逃走者を危機から救ってきた男。
その彼が、最強の敵となって立ちはだかる!
与えられたミッションはひとつ。

「俺を倒せ」

一切の手加減も甘さも捨てた本気のジェネラルシャドウを相手に、参加者達はどこまで戦うことができるのか。
好敵手、恋人、弟子……彼と縁深いキャラ達が立ち上がる!

参戦者一覧

ラブライブシリーズ

黒澤ダイヤ 国木田花丸

プリキュアシリーズ

黄瀬やよい 青木れいか

スーパー戦隊シリーズ

ドギークルーガー 

ゲゲゲの鬼太郎シリーズ

魔女アニエス 

ときめきメモリアルシリーズ

如月美緒

オリキャラ

ロディ

作者枠

エイジア

メタルメイドウィン

応募用紙>>38
※応募は締め切りました!

主な見所

ジェネラルシャドウの本気!
国木田花丸&如月美緒 文学少女同士の交流!

Re: 戦闘中 シャドウを倒せ! ( No.56 )
日時: 2019/10/05 12:06
名前: モンブラン博士 (ID: HpE/sQXo)

ピース「ビューティは逃げて! ここは私が引き受ける!」
シャドウ「弱虫のお前が俺を止められると?」
ピース「弱虫だけど根性はあるもんっ」

スマイルプリキュアの5人は下校途中でジェネラルシャドウと遭遇した。
空間は停止しているため活動できるのは彼女達5人という状況下の中、プリキュアに変身し、シャドウを迎え撃つ。けれど戦闘力の差は圧倒的で瞬く間にハッピー、サニー、マーチの3名が倒されてしまった。けれど、シャドウ自身は1度として攻撃を加えていなかった。持ち前の防御力で彼女達の最大技を耐えきり、体力切れを起こさせ戦闘不能にさせたのだ。残されたのはピースとビューティの2名。けれど、2人では明らかに戦力として不足していた。このままでは全滅すると悟ったビューティは撤退及び救援を考えるが、シャドウがさせるはずもない。そこでピースは自らが囮を買って出たのだ。自分より強く賢いビューティに後を託す為に。パンチの猛ラッシュでシャドウを攻めるピースにビューティは一瞬、迷いを覚えた。大切な仲間を見捨てることになるのだから当然だった。

ビューティ「……わかりました。あなたの気持ちは無駄にしません」

ビューティは背後を振り返ることなく、プリキュアの身体能力を活かして、家の屋根から屋根へと飛び移ることで撤退を開始。ピースはシャドウを行かせないと彼の足に絡みつき、動きを封じる。その光景をシャドウは鼻で笑った。

シャドウ「無力なお前にしてはよくやったと言いたいところだが、お前の奮闘は無駄に終わるのだよ」
ピース「まだ、終わりじゃない!」

ピースはシャドウから離れるとスマイルパクトに己の全気力を注ぎ込む。

シャドウ「ほう……」

シャドウは目を細め、大きく手を広げる。これからくる攻撃を真っ向から受け止めようというのだ。ピースは電撃を全身に浴び、電力を溜める。その場でぐるぐると回転し、両手をピースの形にすると最大出力の電撃波を撃ちだした。

ピース「プリキュア・ピースサンダー……ハリケーン!!」

全くの無防備でピースの電撃を食らうシャドウ。これがアカンベーならば瞬時に浄化させてしまうだろう。幹部クラスとて無事では済まない。だが、何十万ボルトという高圧電流が直撃したにも関わらず、平然と耐えきってしまった。身体に付いた埃を払うと、シャドウはしわがれた声で言った。

シャドウ「キュアピースよ。これほどの電撃が放てるとは、どうやら俺はお前を過小評価していたらしい。その点は詫びるとしよう。だが、全力を振り絞っても尚、俺を倒すには至らなかったな」

ピースは荒い息を吐き出し、玉の汗を額に浮かべながらもにっこりと笑って。

「そうかもね。あなたのいう通り……でもね、ビューティならあなたをきっと倒してくれる。すっごく強い仲間と一緒に。覚えておいて。正義はね、必ず勝つんだよ……」

その言葉を残し、ピースは昏倒し変身が解除される。
通路に倒れ伏した4人を見下ろし、シャドウは呟いた。

シャドウ「せめてもの情けだ。彼女らを病院へ運んでやるとしよう」

シャドウは4人を担いで病院へ運び終わると、腕を組む。

「プリキュアもキュアビューティを除いて全滅。妖怪共も俺が片づけた。だが、西洋妖怪の魔女がいたな。残った奴らが合流すれば、俺を多少は苦しめる存在になるやもしれん。そうなることを願うとしようか」

黄瀬やよい 脱落

残り 8人

黒澤ダイヤ 国木田花丸 如月美緒 青木れいか アニエス ロディ エイジア メタルメイドウィン

Re: 戦闘中 シャドウを倒せ! ( No.57 )
日時: 2019/10/05 13:03
名前: モンブラン博士 (ID: HpE/sQXo)

美緒「お願いします! あの人を、止めてください!」

眩暈から回復した美緒は集まった7人の男女に深々と頭を下げた。場所はとある小屋だった。山の上に建てられている小屋なので滅多に人は来ない。ロディは煙草の煙を吐き出すと、灰皿に煙草を押し付けて火を消し。

ロディ「俺は最初からそのつもりだが、残りの兄ちゃんと姉ちゃん達はどうかねえ。まあ、わけを話してみればその気になるかもな」

ロディは壁にもたれかかって話を聞き、残りの6人は円型のテーブルに腰を下ろして美緒の話に耳を傾ける。彼女が語って聞かせたところによると。

1 ジェネラルシャドウは逃走中&戦闘中の最多出場者であり、これまで幾度となく参加者達の危機を救ってきた。
2 前回の戦闘中において幽鬼鉄山に敗北した際、いつの間にか助けることを主としており世界最強の男である誇りをどこかへ置いてきてしまったこと、いつしかわざと格下に負ける道化師の役割を演じている自分に気づき腹が立った。

3 そこで本来の自分を取り戻す為に甘さを断ち切り、これまで戦闘中や逃走中に出場した参加者を片っ端から襲撃し始めた。
4 美緒はシャドウの恋人であり、彼の暴走で被害者が出てはいけないと幾度も妨害しようとしたものの思った以上の成果はだせず、ついに自分を含めてここにいる8人にまで減ってしまった。

それらの経緯を涙ながらに話した。途中から涙声になっていた彼女の姿に、花丸は何も言わずにハンカチを差し出す。一通り話を聞き終えたダイヤは冷静な表情で訊ねる。

ダイヤ「事情はわかりましたが、報酬はどれくらいになりますの?」
美緒「これが、私の出せる精いっぱいです」

彼女が革財布から取り出したのは2枚の紙幣。
6人は身を乗り出し、金額を確認する。暫しの沈黙。

ダイヤ「桁が違いますわよ!?」
美緒「すみません。手元にこれだけしかお金がないんです」
エイジア「戦闘中で間違いなく最低額だぞ……」

美緒が依頼達成の金額として提示したのは2000円だった。
尖がり耳に金髪、紫色の瞳が特徴の魔女アニエスは片目を瞑って腕を組み、呆れたように言った。

アニエス「7人で割っても1人あたり300円以下しか貰えないわね」
ダイヤ「呆れてものが言えませんわ! わたくしは降ります!」
花丸「ちょっと、ダイヤさん……」
ダイヤ「フンッ!」

鼻息を荒くして、ダイヤは部屋から出ようとする。止める花丸の声も無視だ。ドアを開け、部屋の外へ出ようとした彼女に、ロディがポツリと呟いた。

ロディ「姉ちゃんの心が俺にゃ分かる。怖いんだろ。金額以上に無力な自分が」
ダイヤ「ぶっぶーですわ!」

舌を出していつもの台詞を口にした後、乱暴にドアを閉める。

アニエス「私もあの子と同じでパス。リスクが高すぎるしメリットが釣り合っていない」
メイドウィン「……」
エイジア「俺はちょっと考えさせてくれ。すぐには答えが出そうにもない」

ダイヤの後を追うように3人が部屋を出た。

れいか「みなさん! お待ちなさい!」

れいかが立ち上がって制止するが、皆は去っていく。残った花丸にれいかは真剣な目つきで訊ねた。

れいか「花丸さん、あなたはどうしますか」
花丸「まるは……もう少し時間が欲しいずら。れいかちゃんのように伝説の戦士じゃない、普通の女子高生だから、自信ないよ……」

力なく答える花丸にれいかは何も言葉を返すことをしなかった。
できなかったのではなく、しなかったのだ。不要な言葉で彼女の心を乱してはいけないと感じたからだ。花丸も去り、部屋に残されたのはれいか、美緒、ロディの3人だけとなった。ロディは頭の上で手を組み、嘆息する。

ロディ「やっぱ普通の子供にはハードル高いかねえ。仕方ねぇや。俺だけで何とかしてやるよ」
れいか「いけませんっ!」

強い口調でれいかが諫めた。

れいか「ロディさん、あなたが単騎で突入を仕掛ければ貴重な戦力を失う結果となります。今はみなさんの心がバラバラかもしれません。突然に集められ、あのジェネラルシャドウと戦えと言うのですから無理もないでしょう。ですが、みなさんを信じて今は堪えてください。今回の戦いは8人全員が協力しなければ、勝利は絶対にあり得ません!!」
ロディ「わかったよ。外で一服してくる。スター流本部では吸えないからよ。大丈夫、エリザベスは本部に預けてあるから、俺はこの家から離れやしないよ。隊長と約束したんだ、必ずシャドウを救って見せるってな」

彼の言う隊長とは最終決戦の時に逃走者達と共に闘ったカイザー=ブレッドのことである。彼はカイザーを慕っているのだ。皆がいなくなり2人だけとなった部屋でれいかは優しく美緒の手を握り、微笑んだ。

れいか「大丈夫ですよ。みなさんならきっと、協力してくれます」
美緒「れいかちゃん」
れいか「今日はもう遅いですし、お風呂に入って眠りましょう。明日になれば、きっとみなさんの考えが聞けるでしょうから」
美緒「そうですね」

涙を薄っすらと浮かべながらも、美緒も弱々しいながらも笑い返すのだった。

残り 8人

黒澤ダイヤ 国木田花丸 如月美緒 青木れいか アニエス ロディ エイジア メタルメイドウィン

Re: 戦闘中 シャドウを倒せ! ( No.58 )
日時: 2019/10/05 13:32
名前: モンブラン博士 (ID: HpE/sQXo)

午前6時。採石場にはジェネラルシャドウの他に7人の男女の姿があった。
7人はシャドウの前に並び立ち、激しい闘志を燃やしている。
シャドウは薄く笑うと、彼らに声をかけた。

シャドウ「報酬も僅かだというのに何故、ここへ来た?」
エイジア「俺達はアンタとは縁のゆかりもない」
メイドウィン「単なる作者と集まったキャラ達に過ぎない」
アニエス「それに報酬は2千円だけ。ふつうは断って当然よね。でも、わかったのよ。彼女のあなたを救いたいっていう真剣な想いが!」
ロディ「この世は金額だけで動くもんじゃないんでね」
れいか「私達は美緒さんの為にあなたを倒します!」
花丸「ずらっ!」
美緒「シャドウ。あなたの暴走もここで終わります」
シャドウ「1人いないようだが、まあ良かろう。では、お前達の決意に敬意を評し、俺も少しばかりサービスをしてやろう」

シャドウは愛刀を抜くと、それを乱暴に放り投げた。投げられた刀は地に刺さる。
そして、腕を後ろに組むと眼光鋭く宣言。

シャドウ「俺は剣を使わぬ。素手も使わぬ。お前達の攻撃を全て受け切ってやる」
エイジア「何だと……!?」
メイドウィン「どういうつもりだッ」
シャドウ「簡単なことだ。お前たちなど攻撃する価値もないというだけのこと」
エイジア「クッ……舐めがやって!」
シャドウ「舐めてなどおらん。正当な評価を下しただけだ。悔しければ、どこからでも構わぬ、攻撃を仕掛けてくるがいい。但し、体力が切れたらお前達の負けだ」
ロディ「上等だッ」

最初に飛び出したのはロディだ。腰のガンベルトから二丁拳銃を引き抜くと、目にも止まらぬ速さでシャドウに発砲。放たれた12発の弾丸は全て命中するが、シャドウは微動だにしない。ロディは今回の戦いで弾の予備を用意していなかったので全弾打ち尽くし、攻撃の手段を無くしてしまった。するとシャドウは彼を指差し。

シャドウ「消えろ」
ロディ「へッ、この俺がもう退場とはな……ッ」

ロディは捨て台詞を残すと採掘場からどこかへ転送されてしまった。何が起きたのか困惑する6人にシャドウは解説をする。

シャドウ「攻撃する手段がなくなったり、体力が尽きた者は順に離脱していく。全員が倒されればゲームオーバーだ。これで残るは6人。さて、誰から相手をする。1人ずつか、それとも全員で向かってくるかね」

れいかはキュアビューティに変身すると、皆に指示を出す。

ビューティ「みなさん、参りましょう!」

彼女の号令で全員が一斉にシャドウに向かって行った。

ロディ 脱落

残り 7人

黒澤ダイヤ 国木田花丸 如月美緒 青木れいか アニエス エイジア メタルメイドウィン

Re: 戦闘中 シャドウを倒せ! ( No.59 )
日時: 2019/10/05 13:37
名前: モンブラン博士 (ID: HpE/sQXo)

少女は影の将軍を愛していた。彼は悪ではあったが卑怯な真似はせず、正々堂々と信条とする誇り高い男だった。一生分の勇気を振り絞った告白は受け入れられ、将軍は少女と恋仲になった。だが、幸せな日々は将軍の内に秘めた戦闘の渇望により崩壊することとなった。今回の騒動を引き起こした元凶であり、最愛の男に普段は決して暴力を振るわない美緒は、滝のような涙を流しながらも猛然と向かって行き、彼の顔を覆うカプセルに鉄拳を叩き込んだ。だが、殴った己の拳が猛烈に痛む凄まじい硬度だった。自分の愛は彼には届かない。次第に目の前が暗くなっていき、身体が傾く美緒。虚弱体質の彼女にとって、この一撃だけで限界だった。後方にゆっくりと倒れる彼女を、花丸が受け止める。彼女は最期の力を振り絞って微笑むと、唇を微かに動かし声を出す。

「花丸さん、彼を止めて……ください……」
「美緒ちゃん! しっかりするずら!」

花丸の呼びかけに答えることなく、その瞳は閉じられた。そして、美緒の身体は転送されていく。

如月美緒 脱落

出会ってから別れるまでたったの2日間しかなかった。けれど、その間に僅かな期間ではあったが、心を通わせることができた。花丸にとって美緒は新しくできた友達の1人だった。

「まずは美緒が脱落か。まあ当然の結果と言えるだろう」

淡々と事実を述べるシャドウに、花丸は彼の脇腹に蹴りを見舞った。

「シャドウは美緒ちゃんに何とも思わないずら? 彼女を愛していた気持ちは嘘だったずら!?」
「俺は嘘は付かん。奴の愛を受け入れたのは事実だ。ただ、それ以上に強者との闘いを優先しただけの話。そもそも出会ったばかりのお前に、俺と美緒との関係をとやかく言われたくはないものだな」
「確かにそうかもしれないずら。でも、言わずにはいられないずら。美緒ちゃんはあなたの為に、全財産をおら達に差し出してくれたずら。あなたを……悪に染まったあなたの心を救ってほしいからって! その気持ちに、少しでいいから向き合ってほしいずらっ」
「愛や恋などというものが俺を弱くしているのだ。むしろ、俺を弱くしていた元凶がいなくなって清々しているくらいだ」
「シャドウさん、幾らなんでも言っていいことと悪いことがあるずらーッ」

シャドウの腹に拳を食らわせるが、腹の筋肉で押し返され、花丸はダウン。
弾き返された衝撃波の威力は強く、花丸は立ち上がることができなかった。
長い髪が顔にかかった状態で気絶した花丸は、そのまま転送された。

国木田花丸 脱落

「残るは魔女と作者2名と司令塔のキュアビューティだけか。お前達なら俺を楽しませてくれると期待したのだが、宛てが外れたかな」
「ヒロヨ・ユキノツ!」

魔女の指先から放たれた光線を受け、シャドウは嘆息した。全然痛くないのだ。

「ウルキュノ・ゲンツケル!」

炸裂弾が炸裂し爆発を起こすが、着ているマントをボロボロにした程度で身体に傷はつかない。シャドウはマントを取り外すと、小さく呟く。

「つまらぬ。実につまらぬ。仲間を倒されたのだから、その怒りを力に変えてもっと強い攻撃を撃ってこい」
「言われなくてもそのつもりよ。ダイナガ・ミ・トーチ!」

業火がシャドウを襲い、彼の周囲を包むが彼は腕を軽く振って炎を掻き消す。

「お前の炎は生温い。潜在能力は高いかもしれんが、それを使いこなせていない。宝の持ち腐れとはお前のような者を言い表しているのかもしれぬな」

シャドウは虚空からカードの束を取り出し、2枚を指の腹で投げる。手裏剣のように飛んだ2枚はアニエスの目に張り付き、視界を奪う。続けて箒の柄にも貼られてしまう。箒の目に当たる柄の部分と自身も視界を奪われたこともあってか、上空でアニエスは錐揉み回転していき、箒と共に落下。身体を強く打ち付け、戦闘不能に。

アニエス 脱落

「あの魔女は中々可愛らしい顔立ちをしていたな。むさくるしい男連中を残すよりも、奴ともう少し戯れてやるべきだったのか」

シャドウは美少女にはかなり甘い。自分から攻撃を仕掛けないという案も万が一自らが本気を出して攻撃し、女子を巻き込んではいけないと考えたからだ。
シャドウは残っている3人を見つめる。キュアビューティは伝説の戦士だし、エイジアとメタルメイドウィンは作者である。花丸や美緒のように戦闘力を持たぬ一般人ではないし、アニエスのように魔法は使えても身体能力は並ではない。
多少、本気を出しても許されるだろう。シャドウは先ほど自らが刺した剣を引き抜き、切っ先を3人に向けた状態でフェンシングのように構える。

「本気の俺と戦いたいのは誰かな」

その時である。

「わあああああああああああっ」


背後から吠えた声が聞こえたかと思うと、棍棒がシャドウの後頭部に打ち下ろされた。不意を突かれ、その衝撃に片膝をつく。攻撃をした者の正体にシャドウはおろか他の3名も驚きを隠せなかった。

「ダイヤ(さん)!?」
「ハァハァ……どうにか、間に合ったみたいですわね」

残り4人

黒澤ダイヤ 青木れいか エイジア メタルメイドウィン

Re: 戦闘中 シャドウを倒せ! ( No.60 )
日時: 2019/10/05 17:47
名前: モンブラン博士 (ID: HpE/sQXo)

黒澤ダイヤはただ1人だけ、小屋の中で待機し、皆の帰りを待っていた。
表面上は報酬の少なさに辞退したように見えるが、実際はロディが指摘したように怖くて仕方がなかったのだ。相手は人智を遥かに上回る怪物。見た目は勿論だが、何よりその強大な戦闘力が怖かった。彼の待つ採石場へ赴けば、最悪命を落とすこともあるかもしれない。アクアの皆が倒された仇は取りたいが、恐怖が彼女の身体を縛っていたのだ。皆が小屋を抜け出し戦いをはじめても、彼女はベッドの中で布団をかぶって怯えていた。無理もない。完璧に思えるダイヤとて、ごく普通の女子高生なのだから。しかし、震えているうちに仲間のことが頭を過った。自分だけが逃げてもいいのだろうか。ここにいれば安全だが、彼らはどうなる? 報酬はごく僅かなのだからメリットは限りなく低い。けれどロディ達はシャドウに正面から挑んでいった。美緒の笑顔を守る為に。7人の中には花丸もいる。決して運動神経が良いとはいえない彼女が出て、自分が引きこもって何とする。

「ぶっぶーですわ!」

ダイヤは己に言い聞かせ、布団を勢いよくめくってベッドから起き上がると、棍棒を持って外に出たのだ。まだ、自分にもできることがあると信じて。結果的に彼女の行動には大きな意味があった。あのシャドウに不意打ちを食らわせ、片膝をつかせたのだ。これだけでも十分すぎるほどの成果だった。

「でかした、ダイヤ!」
「……あとは俺達に任せろ」

作者2名がシャドウに突進していく。全気力を使い果たしたダイヤは、自ら敗北を宣言し、エリアから姿を消した。だが、その直前の彼女の顔にはやりつくしたという充実の笑顔が広がっていた。

黒澤ダイヤ 脱落

エイジアは魔神の籠手を装着し、シャドウに殴りかかる。

「魔神達よ。お前達の全ての力……俺に託したまえ!」

エイジアは魔神の力でオーラを纏い属性攻撃を放つことができた。
火・土・水・氷・雷・風とバリエーションも豊富だ。しかし一つずつの属性技を仕掛けたところでシャドウの防御力を突破するのは厳しい。そこで彼は全ての属性の技を使用できるマルチオーラを纏うことにした。リスクは高いが、その分、攻撃力には期待できる。雷の如き超高速でシャドウに接近すると、その腹に拳の一撃を見舞う。その威力にシャドウは身体をくの字に曲げて後退する。

「花丸ができなかったことを、俺が代わりにやってやったぜ!」
「フン。小僧。今のは中々痛かった。これは期待できそうだ」

土属性で岩石を出現させると、シャドウに向けて放つ。シャドウはシャドウ剣を駆使し、突きでもって岩石を貫き粉砕。砕かれた岩片を目くらまし代わりにして、今度は風属性を纏ったドリルキックでシャドウの甲板に蹴りを炸裂。
続いて炎を纏って殴打を連発する。

「お前はアニエスの炎を生温いって言ってたよな。けどなあ、あいつの心はこの拳みてぇに熱く燃え上がってるんだよぉお!」

渾身のアッパーがシャドウの顎に命中、彼が上空へ吹き飛ばされると、そこにはメイドウィンが待ち構えていた。

「……風雷剣ナイスガイア」

振り下ろされた刃は雷を内部に宿した竜巻を発生させ、シャドウを飲み込む。竜巻の中の凄まじいエネルギーと電流に圧倒され、シャドウは満身創痍で落下。
屈辱の四つん這いの体勢となり、剣を杖替わりにして身体を支えている。だが、その口からは笑いが漏れていた。

「素晴らしいな作者共よ。これほどまでに俺を圧倒するとは手練れと見た。だが、惜しいのは体力の無さか」
「チッ、見抜かれてやがったか」

エイジアは大汗を流し、息を荒くする。飛躍的な力を経た代償は急激な体力の消耗となって現れていた。エイジアとメイドウィンは互いに顔を見合わせ。

「俺はロディとアニエス、花丸、美緒の分……」
「俺は先に倒されたピースの分のお返しをしてやった……」
「しっかしシャドウは強ええな。まさかこれほどとは思わなかったぜ」
「……あいつは化け物か」
「俺達はここまで。あとはリーダーに任せようぜ、メイドウィンさん」
「……エイジアさんの意見に俺も同意だ」
「あいつを撃破して、みんなの無念を晴らしてくれよ」
「……伝説の戦士のお前なら、それができる……!」

エイジア 脱落
メタルメイドウィン 脱落

2人が消滅した後、ビューティは目を瞑り。
静かに答えた。

「みなさんの想い受け止めました。私が必ずジェネラルシャドウを倒します!」

氷の剣を生成し、構える。シャドウもシャドウ剣を構えた。
一陣の風が吹き、砂埃を巻き散らす。
ビューティの青いロングヘアが風に弄ばれるが、口をきゅっと真一文に結んだ表情は凛々しい。シャドウは彼女の顔を見ていつもの含み笑いをした。

「嘗て最大トーナメントにおいてゆうきに敗れたお前が最後に残るとはな」
「確かに私はゆうきさんに敗北しました。けれど、この戦いでは負けません。みなさんの想いを背負っているのですから、負けられません」
「皆の為に……か。お前はいつもそうだな。大切な誰かの為に戦う。精神としては気高いが、果たして俺を満足させることができるかな、麗しき氷の女騎士よ」
「私は全力であなたと戦います。ですから、あなたも悔いなきように全力を発揮してください!」
「フフフフフフフ。お前の誠意に応えよう」
「……参ります」

同時に飛び出した両者。
最後の戦いがはじまる。


残り1人

青木れいか


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