二次創作小説(新・総合)
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- 逃走中#CR01 学園のペリー・クリスマス【完結】
- 日時: 2020/02/25 22:19
- 名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 5VUvCs/q)
お久しぶりですの方はお久しぶりです、はじめましての方ははじめまして、灯焔です。
2020年の節目、ということで私の数字もキリが良く心機一転ということでまた書いていきたいと思います。逃走中。
毎度のことながらマイペース更新になりますのでご容赦ください。
様々なキャラクターが住まう世界が融合して生まれた終末の世界、『コネクトワールド』。久々に筆を握ったので、特にひねらずシンプルに案を出してみました。
今回は一体どういう結末を迎えるのか…。こうご期待です。
今回の舞台は、先日主人公であるベレト、ベレスがスマブラに参戦決定した『ファイアーエムブレム風花雪月』から、『ガルク=マク大修道院』。
フォドラの大地の中心に織りなす修道院であり、ここは士官学校も兼ねています。ベレトやベレスは物語の序盤で教師のスカウトを受け、ここにやってくるわけです。
そんな場所で一体何人の逃走者が逃げ切ることが出来るのか?それともハンターに全員確保されてしまうのか?
逃走者、ハンター。各々の思いが、駆け引きが、デッドヒートが、今始まる。
今回のミニドラマは少し時期を外してしまいましたがクリスマスのお話となっております。
主演のあの方のネタは某あの曲の歌詞からアイデアをいただいております。
珍しくミニドラマにしては本人出演が多いですが、原作とは全く以て関係ないのであまり深く考えすぎないようにお願いします。
また、キャラクターの性格や設定に関しては基本的に原作から逸脱しないようにしておりますが、脚色が強い場合もございます。キャラ崩壊の可能性がある為ご注意ください。
お口に合わなかったなど不快に思われた場合はブラウザバックをお願いします。
<ルール>
逃走エリア:『ガルク=マク大修道院』
主人公であるベレスが教師として来訪することになる、フォドラの中心に佇む大修道院。
かなりの広さを誇るこの建物は、大きく『学校エリア』『大聖堂』『市場』の3エリアに分けられる。
また、逃走中に使用するエリアは1Fのみである為、2Fのエリアである書庫などには侵入できない。
詳細 >>1
ミニドラマ紹介 >>2
逃走時間:75分
賞金:45万(1秒100円)
ハンター:初期3体(OPゲーム会場のハンターボックスに3体)
<参加者>
【pop'n musicシリーズ】より (3人) 詳細 >>3
ミミ
ニャミ
ナビ
【ダンガンロンパシリーズ】より (3人) 詳細 >>4
苗木誠
日向創
赤松楓
【おそ松さん】より (3人) 詳細 >>5
松野おそ松
松野十四松
松野トド松
【スーパーマリオシリーズ】より (3人) 詳細 >>6
マリオ
ルイージ
ピーチ
【ファイアーエムブレムシリーズ】より (3人) 詳細 >>7
エーデルガルト
ディミトリ
クロード
【ひなビタ♪】より (3人) 詳細 >>8
山形まり花
和泉一舞
芽兎めう
計18名
逃走中#CR02 シード権争奪予想アンケート実施中!
※締め切りました
逃走中#CR02 参加者募集中! 及びMVP投票受付中!
※締め切りました
作者枠発表 >>76
○AfterBreakTime
①『本部の日常』 >>16
②『朱雀登場!』 >>25
③『異世界と道化師と』 >>28
④『社長は疾風と共にやってくる』 >>37
⑤『這い寄れポップンマスターズ』 >>39-40
⑥『かみさまのうた』 >>47
⑦『混沌はカカオ味』 >>49
⑧『打ち上げパーティ』 >>77-81
以上、逃走中#CR 運営本部がお送り致します。
- AfterBreakTime②『朱雀登場!』 ( No.25 )
- 日時: 2020/02/01 21:10
- 名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: NtGSvE4l)
おや、上空が何やら赤く綺麗に照らされていますねえ。
夕方でもないのに。一体どうしたことでしょう…?
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~運営本部 エントランス~
リピカ「あーっ…。今日も働いたのさー。早く後始末してマルクと一緒にオムライス食べにいこーっと」
そう言いながらエントランスをコツコツと鳴らしているのは赤のリピカ。
『アイテール魔導師隊』という軍に所属している魔導師で、背は小さいけどこれでも上司の立場にいます。
彼女はひょんなことから本部の近くに1人だけ飛ばされ、サクヤの好意でここで働いています。
リピカ「そういやレストランの優待券3枚あったっけ…。なんかオムライスのこと考えてたらお腹減って来たのさ」
彼女、早く仕事を終えてオムライスを食べに行きたそうです。
期間限定のオムライスは無かったかと頭をフル回転させていると、ふと別の方向から羽の音が聞こえてきました。
さらに、羽の音の向こうは『夕焼けのように真っ赤』。あれ、今は夕方ではないような…?
不思議に思いながらその方向を見てみると、『それ』は言葉を発しました。
『我が妹、『サクヤ』はここにいるか?』
リピカ「(妹…?彼女にそんな人いるって話聞いたっけ…?)」
どうやらサクヤを探している様子。
彼女ならば今もメインサーバで仕事をしていたはず…。案内をしないとまずいと思ったのか、彼女はオムライスを諦め、『それ』を彼女の元まで連れていくことにしました。
~運営本部 メインサーバ~
MZD「でさー、次のエリアはこんな感じで……」
ヴィル「いや、これはこうした方がいいのではないか?」
サクヤ「これをこうしても面白そうですね」
リピカ「お取込み中なのさ?サクヤ、お客さんなのさ」
サクヤ「私に?誰でしょ……… あっ!!」
MZD/ヴィル『???』
メインサーバではサクヤ、MZD、ヴィルヘルムが次の逃走中についてのネタ出しをしていました。
お取込み中だとは思いつつも要件を果たそうとするリピカ。『それ』も彼女を見つけ、嬉しそうに羽を広げています。
サクヤは『それ』を見た瞬間、驚きの声を上げながら言いました。
サクヤ「『兄貴』……!何故キミがこんなところに…!」
MZD「『兄貴』?! サクヤお前さん、兄さんがいたの?!」
ヴィル「…驚いたな。それに、あの鳥が燃えているような気がするのだが…。このままだと部屋に火がついてしまうぞ」
サクヤ「それもそうですね…。兄貴、本部燃えるので人型になっていただけませんか?」
心なしか部屋も熱くなってきましたしねぇ…。このままでは部屋どころか本部全体が燃え尽きてしまいます。
それもそうだと気付いたのか、その『鳥』は淡く赤い光を放ちました。
眩しさに一瞬だけ目を眩ます一向。その光が薄まると、そこには―――
アクラル『自己紹介が遅れたな。俺は『アクラル』。この世界を守る守護神がうち『朱雀』だぜ。ま、これからヨロシク!』
白と赤の羽の様な長い髪をなびかせた男性が立っていました―――。
彼の名は『アクラル』。不死鳥の姿をした『朱雀』の神様です。
元の身体が炎に包まれていたのはそういうことだったのですね。
リピカ「あんたが…『朱雀』? 今まで何をやっていたのさ?」
アクラル「『世界の融合』が加速して色んなヤツがこの世界に落ちてきてから、天空から気配消してずーっと世界を飛び回ってたぜ。勿論サクヤ達がいるここも回った。
そんで、楽しそうな催し物してるし愛しの妹に会えるから顔出してみっかなーって思ってやって来たワケ!」
サクヤ「だからといって不死鳥のまま来ないでください。危うく会場が火の海になるところでした。参加者に危険が及んだらどうするつもりだったのですか?」
アクラル「あはは、それは配慮が足りなかったな。すまん」
ヴィル「全く…。神というモノはやはり理解が到底出来んな」
MZD「その理解が出来ない神様と一緒に行動してるお前さんが言う?」
ヴィル「お前については別問題だ。MZD」
MZD「へいへい。それにしても、サクヤの兄さんが『朱雀』だったとはね…。流石のオレでもビックリだよ」
アクラルとサクヤは双子の神様で、今の人の姿になるまではそれぞれ竜、不死鳥の姿で天から、地からいろんな場所を見ていたんだとか。
そして、彼がここに来たのは彼女の顔が見たかった『だけ』のようではないようなのです。
アクラル「そうだサクヤ、俺があげた『ゲート』。今でも使える?」
サクヤ「あっ、それがですね…」
アクラル「え?何かあったの?」
MZD「いやー、不可抗力なんだよ。うんうん」
『ゲート』?ゲートと言えば、他の作者様の世界とコネクトワールドを繋ぐゲートのことですかね。
これはサクヤが逃走中を開始する際に、『いずれ他の世界からのお客様も招待できるように』ととある人物に頼んで譲ってもらった代物だそうです。
現在は運営本部のゲストの控室辺りに設置してありましたね、確か。というか、このゲートはアクラルが譲った物だったんですね。
…それで、それがどうかしたんでしょうか。サクヤは苦虫を噛み潰したような顔をしていますし。
サクヤ「今は使えないんですよねぇ…」
アクラル「は?!『使えない』って、そんな簡単に壊れる代物に作ってないはずだぜ!!」
MZD「うん。それは重々承知してる。でもねー。『破壊されちゃった』んだよねー…」
アクラル「破壊された?!誰に?!」
ヴィル「…大切にしていた物を壊してしまったことに関しては詫びよう。私達も気付けなかったのが悪いのだからな…」
アクラル「何だよ?『道化師』の襲撃にでもあった???」
リピカ「多分違うのさ。あいつらが『道化師』とは思えないのさ…って『道化師』?」
アクラル「あ、それについてはまた改めて話すわ。先にゲートの方聞かせて」
ヴィル「…………」(俯き)
そういえばあのゲート、今壊れてて使えないんですよね。原因は…まあ、すぐに来てくれることでしょう。
修理できる人物が今までいなかった為、他の世界から作者様を招待することが出来なくなっているのです。
そこに丁度良くアクラルが現れた為破壊状況によっては修理が可能そうですが、彼から気になるワードも出てきていますね。ヴィルヘルムに関してはワードに心当たりがある様子。
とりあえず、話の続きを聞いてみましょう。
サクヤ「実はですね。融合でこちらに飛ばされたとある兄弟がですね。不可抗力で壊したんです。ゲート」
アクラル「兄弟?神の力か何か持ってんのか?」
サクヤ「いや、至って普通の人間の兄弟ですよ。『六つ子』というのは珍しいと思いますが」
彼女が『六つ子』というワードを呟いた瞬間、メインサーバの扉が勢いよく開かれました。
そして、垂直に風を切る音が2つ。
カラ松/チョロ松『大事な物を壊して申し訳ありませんでした!!!』
アクラル「あ、あぁ……」
サクヤ「詳しくは彼らから話を聞いてください…。で、申し訳ないんですが修理できるかどうかも見ていただければ嬉しいです」
アクラル「りょーかい。一体どうやったらあの代物をぶっ壊せるのやら…。逆に興味あるわ」
とぼとぼと歩く2人と共にアクラルはゲートの調子を見に、サクヤとリピカも一緒に行くことに。
暫しの足音の後、静寂。サーバに残されたのはMZDとヴィルヘルムのボスコンビだけになりました。
…沈黙が続く中、MZDがこう切り出します。
MZD「この世界の融合の加速…。『道化師』が関係してるのかな」
ヴィル「どうだろうな。私が知っている『道化師』とは違う存在なのかもしれん。
そもそも、ひとくくりに『道化師』と言っても存在は星の数ほどいるのだ。言葉だけで見極められるわけがなかろう」
MZD「ま、そーだよなー。何か分かればと思ったんだけどさ」
ヴィル「…ところで、だMZD。今年のKACは随分盛り上がったそうじゃないか」
MZD「マジ?見ててくれた?いやーカフェには顔出せなかったけどさ、折角の令和初のKACなんだから張り切らねーとなってボス曲詰めてみたんだよな!あれ、お気に召さなかった?」
ヴィル「いや、そういう訳ではない。私の担当した曲が今の時代になっても演奏してもらえる、というのは凄く光栄なことだ。
…問題はそこではない。寧ろお前に曲を貸せたのは誇りだと思っているからな」
MZD「えっ?……あのーヴィルヘルムさん、なんでそんなに真顔なの?怒ってるの?」
ヴィル「自覚がないなら教えてやろう。貴様、何故『勝手に私のペンダントを持っていった』?」
MZD「…………あっ。(真っ青)
ご、ごめんなさい……!悪気はなかったんだ、あの時は急いで会場まで行かなくちゃならなくて、えーと…」
ヴィル「そうか。……では、貴様には私から最大限の『贈り物』をせねばな?」(にっこり)
ヴィルヘルムはMZDを軽々と脇に抱えた!
MZD「えっ、ちょ、ヴィルって魔法使いだよなっ、えっ ちょおっ!!なんで簡単に持ち上げるんだよ!!!」
ヴィル「暗殺者を舐めるな。そして自らの子供体型を呪うがいい音の神よ。
…………しばらくは私の部屋で反省していなさい」
MZD「お前の部屋って拷問道具いっぱいあるじゃん!!!拷問ばりのオシオキとかやだーーーーーー!!!!!はなせーーーーーー!!!!!」(ジタバタ)
ヴィル「静かにしろ、周りに迷惑だろう。それに…お前に拷問器具を使うつもりはないから安心するがいい。MZD。
(……ふふ、私も随分と甘くなったものだ。これも彼女達と…彼との日々の賜物、なのかもしれないな)」
------------------------
気になる話ばかりで不安が募りますが、まずはゲートの修復が出来るか確認しないとですね!
……MZD、ヴィルヘルムのペンダントは彼にとってとんでもなく大切な物なんですから。勝手に持って行ったらそりゃ怒りますって。
とにかく。ゲートが修復出来れば、作者様の募集が出来るようになります。その様子は次回、見ていくことにしましょう。
- Re: 逃走中#CR01 学園のペリー・クリスマス ( No.26 )
- 日時: 2020/02/01 21:11
- 名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: NtGSvE4l)
【56:38】
~釣り池付近~
ハンターED「…………」
日向「くそ、なんでハンターがこんなところに…!思うように動けないぞ…!」
釣り池付近の店の影に潜んでハンターとにらめっこをする日向くん。
彼は残り1つのハンターボックスを封印しに温室まで向かっていたのですが、運悪くハンターを視界に捉えてしまい隠れている途中でした。
素早く死角に隠れた為、ハンターには見つかっておりません。目と鼻の先には温室が。動きたくても動けません。
日向「しかもハンターの奴、全然こっちから離れようとしないし…。このままだとミッション失敗して5体になっちゃうな」
そのまま少しだけ様子を見ることにした日向くん。
そんな折、向こうから誰かの影が……。
イブ「は~っ、やっとこっちまで来れた…。ハンター神出鬼没だし」
日向「(あれは…和泉?向こうにもハンターがいたのかよ…)」
やって来たのはイブ。彼女もハンターボックスを封印しに動いていた1人です。
ですが、近くにハンターがいることには気づいていない様子。
イブ「つーか、ミッションあと何分で終わるんだっけ…?」
日向「(そういえばタイマーを見てなかったな。今のうちに見ておこう)」
【55:40】
日向「(ミッション終了まで1分切ってるじゃないか!!うわ、動かないと失敗は確実だぞ…!!)」
イブも時間を見て慌てて温室へと走りだしました。
それを見た日向くんも急いで動こうとします。そこに―――
ハンターED「…………!!!」
ダッダッダッダッダ!!!!!
ROCK ON【IBUKI IZUMI】
ピーーーーーーーーーーーー
イブ「って、えっ ハンター?!ちょっ こっちくんなってのーーーーーー!!!!」
日向「(和泉には悪いが今が絶好のチャンスだ!温室まで一気に行くぞ!)」
ハンターが視界に捉えたのはイブ!
慌てて方向転換をして逃げ出します!
そして、好機と捉えた日向くんは一直線に温室へと駆け抜けました!
ハンターED「…………!!!」
イブ「こんなん無理だってーーーーーー!!!!!」
ポンッ
【55:24】
和泉一舞 確保 残り14名
イブ「マジ勘弁だし!ミッション行けなくてごめ~ん……」
~温室~
日向「よし、ついたぞ!でも俺以外に誰もいなけりゃ封印が出来ないぞ…」
マリオ「あっ 良かった!来てくれたー!信じて待ってて良かったよー!」
日向「マリオ!来てたのかよ!」
マリオ「君達がハンターを警戒している隙を狙って先に到着してたんだ!」
日向くんを待っていたのはマリオ!どうやら彼より先に到着して待っていたようです!
良かった、これでハンターが封印できますね!
日向「時間も惜しい、レバーを下ろしてしまおう!」
マリオ「スリルも楽しいけど、まずは安全確保だね!」
日向くんとマリオ、レバーに手をかけました!
日向『これが俺達の!』
マリオ『スリル & ピーッス!!!』(ガタッ)
日向「……え?」
【55:09】
日向創 ミッションクリア
マリオ ミッションクリア
…マリオの言葉はさておき。
お見事、ハンター封印成功です!
ピリリ ピリリ
ルイージ「わわわ、通達だよ!
『日向創、マリオの活躍により、『温室』のハンターボックスが封印された。これにより、全てのハンターボックスが封印された。ハンターの放出は0体となる。』
や、やったぁぁぁぁぁ!!!流石マリオ兄さん、頼りになるなぁ!」
めう「もう1件来てるめう。『和泉一舞 確保 残り14名』
イブブ……お疲れさまめう。あとはめうとまりりに任せて休むめう!」
お見事、ミッション①は無事にクリア!
これで55分を経過してもハンターは3体のまま。現状維持でゲームを続行できますね!
マリオ「いやー、クリア出来て良かった良かった!ありがとうね、創クン!」
日向「ああ、こっちも助かったよ。誰もいなかったらどうしようかと思ってヒヤヒヤした…。でさ、マリオ。『スリル&ピース』って何だ?」
マリオ「大乱闘は『スリル』『ショック』『サスペンス』だよ!創クン!!」
日向「多方面からのツッコミに困るボケは歯止めが利かないから止めてくれ!!!」
…このマリオ、好奇心旺盛が転じて面倒くさいタイプのヒーローのようですね。
何はともあれお見事。ミッションクリアおめでとうございます。
【55:00】 ミッション①終了時 逃走者詳細
確保者 4名
松野おそ松 ナビ 赤松楓 和泉一舞
既存逃走者 残り14名
ミミ ニャミ
苗木誠 日向創
松野十四松 松野トド松
マリオ ルイージ ピーチ
エーデルガルト ディミトリ クロード
山形まり花 芽兎めう
-------------------------
逃走者の皆様の勇気、そしてチームワークでお見事ミッション①はクリアー!シンプルな王道さ、これ大事です。
さてさて、今回は誰が逃げ切るのか……天の声も楽しみです。
To be continued……
- Re: 逃走中#CR01 学園のペリー・クリスマス ( No.27 )
- 日時: 2020/02/02 21:19
- 名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: vKymDq2V)
【53:13】
~寮エリア 教室付近~
ルイージ「いやー、流石兄さんだよ…。あんなこと言っておいてちゃんとミッションクリアしちゃうんだもんね」
うんうん、と一人で納得しているのはマリオの双子の弟、ルイージ。
自分の兄のミッションクリアを誇りに思い、嬉しそうに笑顔を綻ばせています。
…そういえばルイージさん。『あんなこと』って一体何があったんですか?
ルイージ「いやぁ、ミッション①をクリアする前兄さんとすれ違って話をしたんだけどね?その時に……」
-------------------------
~食堂~
ルイージ『あっ、兄さん!ミッション①終了まで残り時間あんまりないけど、どうするつもりなんだい?ボクはこの時間じゃハンターを阻止できるか自信が無いから、ミッションは諦めて出てくるハンターに備えようかなって思ってるんだけど…』
マリオ『そうだねー。折角の逃走中だし、ボクは花形のハンターを出しちゃってもいいんだけどねぇ』
ルイージ『兄さん…。流石に兄さんの好奇心でゲームを動かしたら色んな所からバッシングが来ると思うよ?今回はいないからいいけど、カービィと組んだ時の兄さんが色んな意味でいっちばん怖いんだからね?』
マリオ『『エンターテイメント性がある』と言ってほしいな、ルイージ!まぁ、その時になったら考えるよ。出しちゃったら出しちゃったで楽しむからさ!』
ルイージ『全くもう…』
-------------------------
……どうやらマリオ、途中までハンターを出すか出さないかを『エンターテイメント性』なる謎の感性で決めようとしていた様子。
それが先程日向くんに言っていた『スリル』『ショック』『サスペンス』ということなのでしょうかね?
マルス『(それは単なる中の人ネタだと思うなぁ…)』
ルイージ「とにかく!兄さん達の頑張りのお陰でボクも助かってるわけだし、それに奢らず頑張らないとね!」
改めて頑張ろうと頬を叩いてやる気を出すルイージ。
何だかオバケ退治よりも顔が勇気出てますよ~?
そんな彼ですが、辺りを見渡してみるととある人影が。とりあえず物陰に隠れ、様子を見ます。
その正体は―――
ハンターDI「…………」
ルイージ「(ハンターが近くまで来てる…!ここは様子を見よう)」
どうやらハンターが近づいてきているようです!幸い、ルイージは見つかっていない様子。
彼はこのまましばらく身を潜め、ハンターをやり過ごす作戦に出ました。
ハンターDI「…………」
ルイージ「…………」
ハンターDI「…………」
ルイージ「…………」
ハンターDI「…………」
ルイージ「…………」
ハンターDI「…………」
ルイージ「…………(ほっ)」
ハンターは彼に気付かず通り過ぎていきました。ほっと一息撫でおろします。
機を見て顔を物陰から出し、辺りをきょろきょろと見回します。そんな彼にまた近付く人影が。
ドロテア「うふふ、『逃走中』ってこんなに迫力あるのね♪ 舞台に上がるのと同じくらい緊張するわね」
ルイージ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?!?!?!」(尻餅)
背後からの急な声に吃驚し、思わず某M-1の去年王者のツッコミの如く尻餅をつくルイージ。ハンターがいなくてよかったですね。
彼に話しかけてきたのは茶髪をウェーブにした少女。黒鷲の学級のクラスメイト、ドロテアでした。
彼女の後ろには、同じく黒鷲の学級のクラスメイト、ペトラがいます。
ペトラ「参加者、驚いている、います。ドロテア、謝罪、謝る、するがいいです」
ドロテア「あらら尻餅ついちゃった。うふふ、驚かせて御免なさいね♪」
彼女から差し伸べられた手を掴み、立ち上がるルイージ。
ドロテアは彼をまじまじと見た後、『可愛いけど…私の好みじゃないわねぇ~』とぶつぶつ。どうやら逃走中の参加者の男漁りをしていた模様。
ドロテア「あら、失礼しちゃうわね。私はちゃんとエーデルちゃんへの伝言も頼まれてきたのよ」
ルイージ「そういえばドロテアさんもエーデルガルトさんの学級の1人だもんね。もし彼女に会ったら伝言しておこうか?」
ペトラ「それは助かる、助かります。エーデルガルト様、ゲーム中、会える、会えます、気がしないです」
ドロテア「そうねぇ…。じゃあ、もし会ったら伝えてくれるかしら?」
そう言うと、彼女はいつだかヒルダがしたような心配そうな面持ちになって彼に言葉を噤んだのです。
ドロテア「『フェルくんが大修道院から見つからない』って」
ルイージ「フェル…?彼もエーデルガルトさんの学級のクラスメイトなの?」
ドロテア「ええ、そうよ。こんな大きな催し物に彼女が出ると言ったら、彼は絶対に対抗して彼女に会いに行くでしょうから。でも、全然見つからないから心配なのよね。
エーデルちゃんなら何か分かるかもしれないし、伝えておいてくれないかしら?」
ルイージ「うん、分かったよ!いつになるかは分からないけど、見つけたら伝えておくね!」
ペトラ「感謝、です。逃走、がんばる、頑張ってください」
ルイージ「ありがとう!君達も勉強頑張ってね~!」
ルイージはドロテアとペトラに大きく手を振りその場から走り去っていきました。
さて、彼がエーデルガルトへの伝言を伝えることが出来るのかは……彼の努力と運次第ですね。
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生徒が行方不明。しかも2名。何だか初回から波乱の予感。
次回、ミニドラマ進展&ミッション②スタート!攻略のヒントは『ココロネ』にあり!
- AfterBreakTime③ 『異世界と道化師と』 ( No.28 )
- 日時: 2020/02/02 21:21
- 名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: vKymDq2V)
サクヤの兄である『朱雀』アクラルが運営本部にやってきました。
そして、異世界を繋ぐゲートの行方…。ちゃんと直るんですかね?
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~運営本部 控室付近~
リピカ「ここが控室さ。参加者の待合室も兼ねているのさ」
サクヤ「兄貴、これです」
アクラル「あー…。これは酷い壊れ方してんな。お前ら本当に人間?『実は魔族』とか『実は神』だったりしない?」
チョロ松「しませんしません断じてありません!僕達は至って普通の人間です!!」
カラ松「そもそも神様ならこの本部にたんまりといるだろう!魔族も1人だけだがいるぞ!お前も神なんだから気配を感じれば『オレ達が人間だ』ってことが分かるだろう?!」
アクラル「ふぅん」
カラ松とチョロ松の言い訳を興味なさそうに聞き流し、彼はゲートを触ってみました。
ゲートは辛うじて形を保っていましたが、門の右側にぶつかった跡があり、ヒビが入ってしまっています。
見た目上は軽い損傷のようですが、アクラルは渋い顔。ぶつかり方が悪かったようで中身の損傷が酷いとのこと。
アクラル「直せるっちゃ直せると思うし、多分次の逃走中までには間に合うと思うぜ?でも、今まで通り『なんでも通せる』ようにはならないな」
サクヤ「そうですか…。参加者の通過は出来そうですか?」
アクラル「それなら大丈夫。ゲートを使うにも生命のエネルギーが必要だから、『3人』くらいまでが限度だろうけどな」
サクヤ「つまり、異世界からの見学や手伝いの要請は出来ないと見てよろしいですかね」
チョロ松「やっぱり僕達やばいことやっちゃったんだよ~…。あの時カラ松を残して帰らなきゃよかった!」
カラ松「仕方がないだろう!というかお前も最初は逃げる気満々だったじゃないかチョロ松」
チョロ松「あああーーーーー過去の自分を殴りたいーーーー燃やしたいーーーー!!!!」
アクラル「え?じゃ今燃やす?」(にっこり)
リピカ「雷で黒焦げもOKなのさ!」
サクヤ「兄貴が言うと洒落にならないのでやめてください。あとリピカさん、乗らないで」
ゲート、何とか直りそうで良かったですね。が、急ピッチで修復に取り掛かるらしいので次の逃走中から招待できるのは3名が限界になりそうです。
しばらくは少ない中での募集となりますので、どうかご容赦くださいね。
……それとは別にアクラルが双子をまじまじと見つめている様子。何か思うところがあったんでしょうか。
チョロ松「……あのー、そんなに真面目に見られると困るんですけど。僕達そんなに信用ありませんか?」
アクラル「だってゲート壊したもん。まだ信用してねえよ」
チョロ松「デスヨネー」
アクラル「それよりも。お前ら2人の着てる『カーディガン』から『神の加護』を感じるんだけど…。それ誰から貰ったの?」
サクヤ「…この際だから聞いておいた方がいいかもしれませんね。実は私も気になってました。私が彼らを雇った時には着ていなかったのですよ。
人間の着るものではなかったのだとしたら、頂き物ですが申し訳ないのですが回収しなければなりませんし…」
アクラルが指摘したのは、カラ松とチョロ松が来ている『それぞれのイメージカラーのカーディガン』のことでした。
カーディガンから何か『神様の加護』を感じ、ずっと気になっていたというのです。それにはサクヤも同意しています。
しかし、彼らは何だか詳しいことを知らない顔をしています。どういうことでしょう?
チョロ松「申し訳ないんだけど、僕達も詳しくは知らないんだ。ここでの就職が決まった後、研修が始まる前日に急に家に荷物が届いてきて…」
カラ松「中を開けてみたら、メッセージカードと一緒にオレ達6人分のカーディガンが入ってたんだ。最初はサクヤ達が仕事着として贈ってくれたものだと思ったんだが、それだと6人分を用意する必要がないからな」
サクヤ「そもそもここでは『仕事着』は用意していませんよ。各々私服で仕事しています」
リピカ「一応本部の一員だって『腕章』は配られてるのさ。でも、それだけさ?」
アクラル「メッセージカードには何が書かれてたんだ?あと、宛名も知りたい」
チョロ松「待って!メッセージカードと控えなら荷物の中にあったと思う。すぐ取ってくるね!」
…サクヤに聞いた話だと、ここで就職が決まった松は『カラ松』『チョロ松』『十四松』の3人。俗にいう『保留組』と呼ばれている面々ですね。
しかし、贈られてきた宅配便に入っていたカーディガンの数は6つ。六つ子全員のカーディガンが用意されていたようなのです。
そういえば、本編中で何かおそ松が不満げな思いを抱いてましたね。それと何か関係があるのでしょうか…?
一同がそのまま待機していると、チョロ松は紙を2枚持ってきました。
チョロ松「持ってきたよー!」
サクヤ「それでは失礼して、拝見させていただきます」
チョロ松「かしこまらんでいい」
アクラル「そういうところも可愛いんだよな~♪」
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松野家の皆さんへ
就職おめでとうございます。これはこれから一緒に働く同志へのささやかなプレゼントです。
六つ子だと聞きましたので、折角なので6人分用意しました。これを着て一緒に働いてくれれば作った側としても嬉しいです。
一緒にこの世界を盛り上げていきましょう。
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リピカ「名前は…書いてないみたいなのさ」
アクラル「控えの方に書いてあるんじゃね?見てみようぜ」
カラ松「これだ」
サクヤ「…………ん?
送り主『松田 翡翠』?
(まさか、あのお節介な音の神の仕業ですか…?)」
~運営本部 住居区 オープンキッチン~
ソティス「……『あっぷるぱい』というのはこんなに美味な食べ物であったのか!実体がなかった頃は食事を取ることも出来ず、ただベレスの食べるところを見るだけじゃったからのう…。
食べることという動作がこんなに新鮮なことだとは思わなかったわ!」
ベレス「ソティスは今まで実体がなかったからね」
マルス「これならいくらでも食べられちゃいそうだよ…。バンワドくんにも教えてあげれば良かったな」
MZD「ヴィルの料理は天下一品なんだぜ!グルメなミミやニャミの舌も唸らせる味だ!」
ヴィル「流石にそれは言い過ぎだMZD。…だが、そう言ってもらえると作った甲斐があるというものだな」
こちらは本部の東側にある『住居区』内の大きなキッチン。本部には仕事場である西側と、運営本部が寝泊まりしている東側の住居区が存在します。
そこでどうやらヴィルヘルムの手作りアップルパイを食べていたようです。ソティスは初めて感じる『食』という文化に興味を示しています。
ベレス「神様って食べなくても生きていけるんだったっけ」
ソティス「違うわ!先程も言ったであろう、わしはこの世界に来るまで『実体が無かった』のじゃ!だから歩き回ることも食べることも出来なかったのじゃ!
…それに、目覚める前の記憶はあろうとも『食事』をした記憶が無くてのう。こういう経験が新鮮で仕方がないのじゃ」
マルス「みんなで食べるってのも、こういう場所じゃないと経験できないからね」
MZD「王族貴族は大変だねぇ」
ソティス「…ところで、じゃ。おぬしらに聞きとうことがあった」
アップルパイが余程おいしかったのか、ぺろりと平らげてしまったソティス。
彼女はフォークをMZDに向け言葉を発しました。
ソティス「あの六つ子に『神の加護』を与えたのはおぬしじゃな、音の神よ」
MZD「あっれれ、結構隠してるつもりだったんだけどばれてたかー」
ソティス「双子がこちらに住むようになり、あの着物を纏うようになってから彼奴等の気配がまるで変ったのじゃ。
着物を纏っている時だけまるで『神』の力を授かっているような感覚…。あれはまさしく『加護』じゃ。
そして、そんなお人好しな真似が出来るのはおぬし以外におらんじゃろう」
ベレス「ソティスも相当お人好しな神様だと思うけど」
ソティス「ええいうるさい!おぬしは黙っておれ!…まあ、これに関しては単にわしが気になっておっただけだから聞いただけじゃ。
問題はもう1つじゃ。おぬし…『魔の力』を宿しているな?…それも、そこにいる魔族の強い力じゃ」
ソティスはMZDにフォークを向けながら言い続けます。
流石にその質問は堪えたのか、彼の表情が崩れます。後ろで作業をしていたヴィルヘルムの手も止まりました。
…しばらくの沈黙の後、諦めたように彼は呟きました。
MZD「…多分知ってると思うけど、オレは生まれた時から神じゃない。元々は人間だったのさ。
そして、その時にかけられた呪縛によってオレは身体に『魔の力』を宿した。そのまま神様になったから、その魔力がずーっと残ってるだけなんだぜ」
マルス「神様になった経緯は前に聞いたから分かるけど、どうしてその魔力がヴィルヘルムさんのものになるんだい?」
ヴィル「私は…。気の遠くなるような昔に『罪』を犯したのだ。それも、永遠に消えることのない罪を、な。
彼にかけてしまった呪縛は罪の『代償』だ。世界の転生ごときで消える様な代物ではない」
マルス「えっ…?」
ソティス「まだ何かを隠している様子じゃが…。ま、これ以上問うと『道化師』に反応されてしまうかもしれぬからのう。今はここまでにしておいてやるぞ。
…わしも似たようなものじゃからな。気持ちが分からぬわけではない」
MZD「ソティス…」
―――この世界のMZDとヴィルヘルムは、自分達が住んでいた世界が混ぜられる前の世界…『ポップンワールドになる前の世界』からの付き合いです。
元々ボス曲を担当していることや、担当しているアーティストが酷似していることから仲が良いのは分かりますが、どうやらそれだけではないようですね。
しかし、今は語りたくない様子。ソティスもそれを察したのか、これ以上彼らの事情を掘るのを止めました。
このままの空気は駄目だとベレスが場を持ち直し、アップルパイの試食会は無事終わったそうな。
あ、このアップルパイもしかしたらまた牢獄ルームへの差し入れに入るかもしれませんね。私も食べられますかね?え、無理?
MZD「マールス。後で一緒に風呂入らね?」
マルス「珍しいね、いつもは1人で入ろうとするのに」
MZD「そこで教えてやるよ。オレの『呪縛』について。それから…あいつとオレのことについて、ちょっとしたおとぎ話を」
マルス「…………。…どうしてぼくだけに?」
MZD「んー。『カミサマの気まぐれ』ってヤツー?あ、他の奴らには内緒にしておいてね?」
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ゲートは何とか直りそうで良かったですね!それにしても、MZDは本当お節介でフレンドリーな神らしからぬ神ですね。
だからこそ、ミミやニャミと家族のように仲良しになり、魔族の上司や人造人間の部下の心をも動かしたんですが。
しかし―――彼らの過去と『道化師』ですか。いずれ、この世界に波乱が起きなければいいんですがね。
- ドラマパート② ( No.29 )
- 日時: 2020/02/03 21:33
- 名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 6..SoyUU)
ベルナデッタ、イングリット、ラファエルの前に突然現れた『ペリーサンタ』と名乗る男。
彼は辺りを見回し、『ここが目的地だ』と確信したのか笑顔で彼らの方を向きました。
イングリット「…ところで、『フォドラの良い子にプレゼントを届けに来た』と言っていましたが…。貴方の目的は一体何なのですか?
敵襲にしては、あまりにも無防備すぎます」
ペリーサンタ「言った通りデース。ワタシはこのフォドラに住む『良い子』にプレゼントを届けに来ただけなのデース。そもそも、ワタシは争いは苦手デース」
ラファエル「じゃあ、その乗り物に積んである袋には『プレゼント』が入っているのかあ?」
ペリーサンタ「勿論なのデース。士官学校でみんなが真面目に頑張っていることは、ワタシ常に空の上からみていまシタ。だから、12月の節目を使って幸せを届けに来たのデース」
どうやら本当に襲うつもりはないと分かったのか、イングリットは警戒心をやっと解きました。
ペリーサンタはそれに安心したのか、そりに戻って袋を漁り、3人にプレゼントを手渡しに来ました。
3つのプレゼントはそれぞれ赤、青、黄色の包み紙でラッピングされ、綺麗な装飾がついています。
ペリーサンタ「これはワタシからのささやかなプレゼントデース。受け取ってほしいのデース」
ラファエル「うお?!オデに贈り物かあ?!嬉しいなあ、貰うぞお!」
ベルナデッタ「えぇっ?!ラファエルさん貰っちゃうんですか?!中に何が入っているのか分からないのに?!」
イングリット「一応…中は危険なものではなさそうですが。開けてみましょう」
警戒心を未だ解いていないベルナデッタを尻目に、彼女達は貰ったプレゼントの包みを開けてみました。
ラファエルの包みの中には訓練用の重しと、肉が入っていました。
イングリットにも同じような訓練用に使う籠手と、これまた肉が入っていました。
イングリット「こ、これは…いいお肉ではありませんか。それから、ずっと欲しかった訓練用の道具…!」
ラファエル「筋肉をいじめられるぞお!」
ベルナデッタ「え、お肉…?確かに2人は食べることが好きですけど…」
ペリーサンタ「そうでショウそうでショウ!お二人もなんだかお顔が嬉しそうデースね!」
ベルナデッタ「…いやいや。あたしは騙されませんからね!変なパンツのまま空中からやって来た変な人なんて!」
すっかりプレゼントに心を動かされてしまったイングリットとラファエル。
ベルナデッタは彼女達の安心した表情を見ても1ミリも警戒心を解きません。彼が不審な格好をしているから…なのは建前。きっと他に理由があるのでしょうが、なかなか口を割りません。
しばらく彼女とにらみ合っていたペリーサンタは、ふとこんなことを頼んできました。
ペリーサンタ「…3人にお願いがあるのデース。『プレゼントを配る』場を、知らないデースか?」
イングリット「プレゼントを配る場?このまま生徒達に渡していけば良いのでは?」
ベルナデッタ「この格好のまま?!変でしょ絶対に!!」
ペリーサンタ「そうなのデース。しかも、ワタシの姿は『良い子の皆さん』にしか見えていまセン。プレゼントだけが見えている状態で渡す行為を何回も繰り返していたら…」
ラファエル「大修道院中が大騒ぎになって大変なことになるなあ…」
イングリット「うーむ…どうしたことやら」
ペリーサンタの姿は『良い子』にしか見えません。つまり、『士官学校に通っている生徒達』にしか見えないのです。
その為、今大人達に見えているのは彼が乗って来た乗り物、そして大きなプレゼントの入った袋のみ…。
正直このままでも十分怪しいのですが、彼はサンタ。皆に幸せを届ける使者です。どうにかしてこの士官学校の生徒達にプレゼントを配りたい様子。
困り果てている彼を助けたいのは重々承知しているのですが、良い考えが浮かびません。
……ふと、ラファエルが呟きました。
ラファエル「あっ。そういやあ、今月25日に『舞踏会』があるぞ。そこで、オデ達が『ペリーサンタから』って配ればいいんじゃねえかあ?」
イングリット「確かに。『士官学校に助力してくださっている方から』として贈り物を渡せば、不審な点もありませんからね。…そもそも、私達が学校で勉学に励んでいなければ、彼は来なかったのですから」
ペリーサンタ「『舞踏会』…?きっと大修道院中の人達が集まるんデースね?そこでこの『プレゼント』を渡してくれるのデースか?」
イングリット「はい。近日中ではないので、貴方には少しここに滞在してもらうことになるのですが…」
12月の後半に行われる『舞踏会』。そこでは学級の垣根を超えて、食事や舞踊を楽しむことになっています。
ラファエルはそこで生徒達に『お世話になっている人から』とプレゼントを配ることを提案しました。
ペリーサンタは常に日々頑張っている士官学校の生徒を見守っていました。お世話になっている…かは分かりませんが、悪い人ではないのは確かです。
…しかし、その提案に1人だけ『賛成しない』人がいました。
ベルナデッタ「ベルは反対ですよ!!てか、こんな怪しさだらけのプレゼントを誰が貰うんですか?!」
イングリット「プレゼントに危険がないのは私とラファエルで確認済みです。それに…私には彼がどうしても『悪人』だとは思えないのです」
ラファエル「オデもだぞ。ベルナデッタさん、警戒心が強いのはいいことだと思う。だけどよお、それだけじゃ『見えてこねえ』もんもあんじゃねえかなあ」
ベルナデッタ『イングリットさんもラファエルさんもちゃんと人と話せるからそういうことを言えるんです!!!
ベルの……あたしの気持ちを分からないくせに分かったような口を利かないでください!!!!!』
イングリット「あっ、ベルナデッタ!!!」
ベルナデッタはそのままどこかへ走り去ってしまいました。
ペリーサンタはそんな彼女を見て、何か言いたげな様子です。
ペリーサンタ「イングリットサン。ラファエルクン。ワタシからお願いがあるのデース。
『このプレゼント』を、ベルナデッタサンに届けてはくれまセンカ?」
イングリット「それは構いませんけれど…どうして私達なのですか?ベルナデッタには貴方が見えています。貴方が渡した方がいいのでは…」
突然、ペリーサンタはイングリット達に『ベルナデッタへのプレゼントを渡してほしい』と頼んできました。
しかし、姿は見えているのだから自分で渡した方がいいだろうと返すイングリット。そんな彼女に彼は、寂しげにこう言いました。
ペリーサンタ『貴方達でなければ、意味がないのデース。幸せは、ワタシが与える『だけ』のものではありまセン』
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ドラマパートが一旦終了すると共に、ベルナデッタが『どこか』に隠れてしまった!
MZD「酷い…。ピアノ無しのサイレントルームに長時間閉じ込められるよりだったらまだ拷問喰らった方がマシだった」
ヴィル「お前にはそれくらいの反省が必要だったということだ。これに懲りたら二度と私のペンダントを勝手に持っていくんじゃないぞ?」
MZD「うん…。絶対もってかない…」
サクヤ「(例の新曲の話でしょうけど…。ここまでヴィルさんが叱るのは珍しいです)」
アクラル「(本物の兄弟みたいだよなー。ちゃんと『怒る』と『叱る』を使い分けてんの。…あれ、こいつら神と魔族で双反する存在だよな?)」
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