二次創作小説(新・総合)
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- MMトウスター 〜物語の痕跡〜
- 日時: 2023/08/02 22:05
- 名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
『ここに記すは、世界を超える競技の物語』
どうもメタルメイドウィンです
逃走中要素に詰まったので某作者のように逃走中ストーリー部分だけ記載した小説を制作しました
トウスターは『トウソウチュウデオモイツイタストーリーヲココニノセター』の略です
『エピソード内容』
「SEASON2」
【仮面ライダーセイバーif ドグレ黙示録編】
>>1-65
【ネオジャンプ編】
>>66-74
【闇のエンタメワールド編 〜イッツ・アメイズメント〜】
>>75-81
【虚刀・鑢編】
>>82-97
「SEASON3」
【仮面ライダーリバイスif(絶望編)】
>>98-155
【仮面ライダーギーツif 第■■回デザイアグランプリ編】
>>158-171
【仮面ライダーリバイスif(希望編)】
>>172-206
【ばいきんまん編】
>>209-210
【無敵爽快拳コワレナイザー編】
>>211
【ジャックVSリカルド編】
>>212
【英雄の悪魔編】
>>213
【戦慄のフュージョンポケモン編】
>>214
- Re: MMトウスター 〜物語の痕跡〜 ( No.213 )
- 日時: 2023/06/13 23:27
- 名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
それは、また当たり前のように時の海を走ってきた時のこと……
雪「あれ?船の近くに誰か来てる」
ヨウコ「毎度の事ながら、運転中でがっつり動いているのにどうやって乗り込んでいるのかしら皆………」
雪「まあそれは私達もよくやるから……誰が来たかな」
ガチャ
マリオ「よっ」
入ってきたのは、マリオだった。
雪「マリオ?そういえば君……革命団入ってなかったんだ」
マリオ「クッパがしつこくてよその世界行く暇も中々出来ないんだよ……と、それはいい」
マリオ「最近はお悩み相談みたいに色々来て悪いが、今回のは真剣にヤバい頼みだ」
雪「真剣じゃなくてヤバくない時一度もなかったけどねこの界隈」
………
マリオ「クロノスゲームの時からたまに目撃されるようになった、俺の偽物」
マリオ「まあ偽物自体は珍しくもなんともないし沢山いるが……その内の1つ」
マリオ「それが問題だ」
マリオの偽物のうち、最近発見されたもの………比較的大柄で、周囲の物を見境なく破壊する力を持ち、それでいて非常に凶暴である。
それは『MX』と呼ばれている。
その特徴を聞いた時、雪は思わず眉をひそめた。
雪「うわぁ……」
ヨウコ……確かにこれは深刻な問題ね」
マリオ「ああ、だから一緒にどうにかして欲しい。お前ならなんとか出来ると思ってな」
雪「わかった、私達としても気になっていたからね」
………
雪「MX……私たちはまだ本格的に遭遇してないけど、あちこちで目撃情報は聞いてるわね」
ヨウコ「人を襲い周囲を破壊しているんだから、分類的には敵……でいいのよね」
雪「なのに……どこを探し回っても情報が全く見つからない。」
信じられないことにMXは分かっていることが何一つ無い。
何者なのか、協力者がいるのか、どう作られたのか、そもそもどんな生物なのか。
分かっているのは見た通り、マリオによく似た風貌をしているというだけだ。
ただその表情は見ているだけで不安になるような、どこか狂気じみた笑みを浮かべているらしい。
ヨウコ「でもその割には結構好き勝手やってるようだけど?」
雪「まあ、この辺はもうちょっと調べる必要があるかもね」
……
マリオ「とりあえず俺は何か分かるまでここに居させてもらうぞ」
雪「大丈夫なの?こんな所居て……そっちの世界忙しいって言ったばかりなのに」
マリオ「ちょっとくらいならクッパだって大人しくしてるだろ、俺の力だけで成り立ってる国でもない」
マリオ「それに、MX自身が何を考えているかわからない以上放っておくわけにもいかないしな」
雪「……そう」
ヨウコ「んー、確かにこのままだとあちこちの世界に悪影響しか与えなさそうだし、早めに手を打つ必要があるかもしれないわね」
雪「皆、MXがどこにいるのかだけでも分かる?」
雪「と言っても……PCに強いひとあんまりいないんだよね、革命団」
雪「AIはちょっと頑張りすぎてダウンしちゃったし、ダリアも最近帰ってきてない……」
マリオ「おいおい大丈夫かよ?こんなハイテク技術みたいな船に乗っておいて……ちょっとやらせてくれ」
雪「え、出来るの!?君の世界まだそういうインフラ整備とかされてないのにハイスペPCが」
マリオ「いや俺……一応玩具会社の社長なんだけど……」
マリオ「あ、見つかった」
雪「え!?」
ヨウコ「嘘つき!?早く言ってよ!」
マリオ「なんかお前らより先に見つけた奴がいたみたいだぜ?」
マリオの偽物を発見した者は、ある人物に報告していた。
それは、ゲームクリエイターにして革命団の協力者でもある男。
彼は、自身の作ったゲームをプレイしながら、画面に映っている光景を見て、呟いた。
「奴らも……いずれ巡り会うことになるだろう」
「あの悪魔に……」
……
MXの反応があるところに雪とマリオの2人で向かってみることにしたのだが……
雪「この世界が一番MXの目撃情報が多いところ……なんだよね」
マリオ「ああ、見たところは普通のビル街ひしか見えないが……油断は禁物だ」
雪「お互いそういうのには慣れっこでしょ」
マリオ「それはそうだ」
2人はビルの屋上に降り立つと、辺りを見回す。
すると、目の前の景色が突然歪み始め……次の瞬間には、荒廃した世界が広がっていた。
雪とマリオが降り立ったのは、荒れ果てた荒野の真ん中だった。
雪は目を細めて辺りを観察し始める。
雪「あれ……?さっきまでこんな景色だったっけ」
マリオ「いや、もうちょっと普通の世界だったような気もするが」
雪「じゃあこれ一体……」
マリオ「……」
マリオがじっと前を睨んでいることに気が付き、雪もそちらを見る。
そこには、1人の男が立っていた。
黒い髪で長身の男。
顔立ちはマリオそっくりだが、その表情はまるで悪魔のよう。
『MX』。正体不明のマリオに似た怪物が、すぐ目の前に居た。
雪「MX!?」
マリオ「こいつが!」
マリオはすぐさま雪にハンマーを作ってもらい、構える。
しかしMXは、そんなマリオを無視して……雪の方へと歩み寄っていく。
雪「へ……私?」
マリオ「まさか……こいつ、雪を狙っているのか」
雪「ど、どういうこと……?」
雪は思わず後ずさりするが、すぐに壁に当たって逃げ場を失う。
MXの拳を盾でガードし、ひとまずビルから飛び出していく。
その際に雪はマント羽根をポケットから取りだし……
雪「マリオ、これ!」
マリオ「お前俺の世界のアイテムも作れるのか!?」
雪「ダメ元でやってみたらなんか出来た!」
マリオ「よし!」
マリオ「マントマリオ!」
マリオ「これで少しは時間稼ぎが出来るはずだ!」
マリオはマントを広げて雪を担ぎ、ムササビのように飛び上がってビルから降りていく。
MXはそれを見て、野鳥を掴み……
……
雪「わっ!ワッ!!マリオ!!」
雪「MXもマント装備して追いかけてきた!!」
マリオ「何!?」
マリオは慌てて方向転換して逃げるが、それに合わせてMXも方向を変えてくる。
そして……
マリオ「なにぃ!?」
雪「ああああああ!!!」
マリオは突如現れた巨大なモンスターに吹っ飛ばされる。
雪も、その衝撃に巻き込まれて吹き飛んでいく。
マリオは空中で体制を整え、雪は咄嗟に槍を作り出して地面に刺し着地する。
雪「次から次へと変なのが来るよ!!」
マリオ「どうやら本格的に良くない状況になりつつあるな……」
雪「とにかく、ここから離れないと……って、ん?」
マリオ「どうした?」
雪はふと足元に違和感を覚え、下を見ると……
雪「うわああ!?なにこれ!?」
マリオ「どうなってる!?」
雪達の足が沼のようなものに沈んでいき、動けなくなっていた。
しかも、どんどん体が重くなっていく感覚に襲われる。
雪達は必死に抵抗するものの、抜け出すことが出来ない。
雪は焦りながらマリオに話しかける。
雪「マリオ、大丈夫?」
マリオ「なんとかな」
雪「これ、なんだと思う?罠かな?それとも底なし沼?」
マリオ「分からない……一応攻撃は出来なくは無いが、これは……」
そうこうしているうちにMXも降りてきた、マリオはファイアボールで牽制をかけるが、MXは意に介さない様子で歩いてくる。
雪「だめ、全然効いてない」
マリオ「このままでは……」
その時、突然背後の地面が盛り上がり、中から人型の何かが這い出してきた。
それは……スケルトンだった。
雪「次から次へと…!」
マリオ「この状況……もう口に出すまでもないよな」
MXと……ここに来てから今まで自分を襲うこの謎の現象や生物は…全て協力者だ、ということは、つまり。
このMXもまた……マリオを模倣しているだけでは無いということだ。
しかし、目の前にいるのは確かにマリオとそっくりではあるが、明らかに別の存在だ。
恐らくこのMXこそが……ここにいる存在全てを率いている。
マリオ「お前策はあるか?」
雪「ふふ……仲間呼んでなんとかなるならとっくにしてるよ」
雪とマリオは互いに武器を構えつつじりじりと距離を詰める。
雪「でも、ここでやられるわけにはいかないんだよね」
雪は手に持っていた槍をしまい、代わりに剣を作り出す。
それを握りしめると、一気に走り出した。
同時にマリオも駆け出し、巨大モンスターを倒そうとしていた。
……
が、その時……
雪「待って、まだ誰かいる!」
この惨劇のようなあまりにも狂った状況で、あまりにも異様な光景……
赤い髪の白いスーツを着た女性が、この光景を悠々と歩いているのだ。
雪「あれ……人、だよね……ここに来て、普通の人?」
マリオ「おい、危ないぞ!」
2人が呼びかけても反応をしない、生物達も次第に女性に群がっていくが……
「………」
「ばん」
その掛け声と共に
周囲に居た怪物は粉々に砕け散った。
雪「……え?」
それと同時に、歪んでいた天候も元のように青い快晴に戻り…
MXも予想外だったのか、これまでずっと閉じていた重い口を開いた。
MX「シ……ハイ……?」
雪「え?」
一言呟いた後、またマントを広げて空へと飛んで消えていった。
マリオ「あっ……待て!」
雪「待って、追いかけるより先に……あの人……」
雪「あ、あの……貴方は……」
雪「人間……ですよね……?」
雪は女性に問いかけた。
その女性はゆっくりと振り返る。
その姿は……赤い髪の、どう見ても人にしか見えない存在。
雪とマリオは思わず身構える。
しかし……その表情は先程までの悪魔のような怪物達とは打って変わって……優しい笑顔をしていた。
「うん」
「人に見えるなら、そうじゃないかな」
……
元に戻った景色で、2人は女性から話を聞き、名刺を受け取っていた。
名は『マキマ』肩書きは
雪「………公安対魔特異課、あっこれ特盟の組織のひとつだ!」(時空特殊警察連盟の略)
マリオ「時空の公務員か……で、その特異課ってどんな組織だ?」
マキマ「簡潔に言うと『デビルハンター』、勿論他の世界に行けばそれ以外の怪物も相手をする場合があるけど、基本的に私達はこの世界から生まれる悪魔を始末している」
マキマ「今、キミたちが目撃したような『悪魔』をね」
マリオ「悪魔……っていうのはあのMXに手を貸していた奴らか?」
マキマ「『幻覚の悪魔』『トラックの悪魔』『脂肪の悪魔』『骨の悪魔』『沼の悪魔』」
マキマ「あの狭い範囲で同時に5体ものの悪魔が、たった2人を狙っていた」
雪「………!」
雪「そっか、この世界の悪魔……」
マリオ「何か知ってるのか?」
雪「ちょっと本で見たぐらいだけどね……この世界の悪魔の根源、強さや立場の基準は恐怖にあるんだ」
雪「まあ簡単に言うと人が一体どれだけ元になったものを恐れているかってことなんだけどね」
マリオ「それをMXが次々と……とすると」
マキマ「うん」
マキマ「その『MX』と呼ばれている存在も、私の世界で見れば悪魔の部類に入る」
マキマ「通称は『英雄の悪魔』、まだ発見されたばかりだけど既に数百もののデビルハンターを葬っている、非常に危険な存在だよ」
雪「英雄の…悪魔…」
マリオが顎に手をやり、真剣に考え込む。
マリオにとって聞き覚えのない単語だが、どうにも無視できない言葉だと感じたからだ。
雪はそんなマリオの様子を見て首を傾げる。マリオは少し考えた後、恐る恐るマキマに話しかける。
マリオ「えーと、マキマさん……だったか」
マリオ「雪が言うには、この世界は人が怖いと思った物を司ってる奴が強いんだな?」
マキマ「概ねその認識で大丈夫だよ」
マリオ「『英雄の悪魔』っていうことは英雄……?言い方を変えればヒーロー、勇者、戦士、救世主……」
マリオ「怖がるどころか、尊敬、敬愛、心酔……怖い要素なんてどこにもないと思うが……」
マキマ「……」
マキマ「本当にそう?」
マリオ「………」
マキマ「私からも質問をします」
マキマ「MX……英雄の悪魔と遭遇して、ここまで、どんな力があるように見えた?」
雪「………」
雪「誰もが目を奪われていく存在感……人の努力を嘲笑うかのような天才的な才能と応用力……」
雪「何より……自身の思うがままに導く、圧倒的カリスマ」
マキマ「英雄が何故英雄たりえるのか、それはその力が決して自分達に向かってくることはないから」
マキマ「…………向かってこない、ということは、ない」
マキマ「同じ人間の形をしているのに、どんな兵器でも壊せず、どんな怪物でも殺せない」
マキマ「だから、人々はその圧倒的な力の前にひれ伏すしかない」
雪「……それ故に人は英雄を敬う、その力が決して自分に降り注がないように」
雪「行き過ぎた敬愛と恐怖は……思ったより大差ない、覚えがあるよ」
マリオ「……そのMXこと英雄の悪魔が俺そっくりな見た目してるのは?」
雪「この世界、まだリアルワールドと含めると古めだから…スーパーマリオブラザーズが作られたばかりでしょ?一般的な英雄像が君の姿になっているんだと思う」
雪「というか、そう考えるしかない」
マリオは腕を組みながらしばらく考えていたが、やがて納得したように大きく息を吐いた。
マリオは立ち上がる。
マリオはマキマの方へ向き直り、手を差し出す。
マリオ「戻るぞ、雪」
雪「え!?MXを追わなくていいの!?」
マリオ「まだ何も分かってなかったアレの事をある程度分かってきたんだ、それだけで充分だ」
マリオ「それに……何かあったら特盟にも声をかけられるようになったしな」
雪「そっか!良かった!」
マリオ「じゃあ、俺は行くぞ。またなマキマさん」
マキマ「うん、ありがとうね。お二人とも」
マキマ「気をつけて帰ってね」
マリオ「ああ」
雪「はい!」
2人はマキマに別れを告げる。
そして……雪とマリオは振り返る事なく、その場から立ち去っていった。
……
マリオ達はマキマと別れた後、船へと帰る準備を進めていた。
雪「ねえ、マリオ……一つだけ、一つだけまだ気になることがあるんだ」
マリオ「どうした?」
雪「MXが喋ってたあの言葉……『シハイ』どういう意味だろうなって」
マリオ「シハイ……支配?大方、仲間にした悪魔が全滅したから、流石に焦ってたんじゃないのか」
雪「だといいけど……」
MX……またの名を『英雄の悪魔』
その怪物と相見えるのは、まだまだ先になりそうだ。
『英雄の悪魔編』
END
- Re: MMトウスター 〜物語の痕跡〜 ( No.214 )
- 日時: 2023/08/02 22:00
- 名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
一度は考えたことがあるだろう。
大空を支配するリザードンと、荒海にも負けないカメックス
二つのポケモンを組み合わせれば最強のポケモンが作れるのでは? と。
そしてそれは実現する。
……
「こんなトコに兄貴の一人が居るって聞いてみたが…」
「どうみても研究施設だよなここ…いや、ある意味ではいよいよこう来たかって感じだが」
海を渡る研究施設の廃墟、彼は一人でその研究施設に向かった。
理由は簡単だった。そこに未知の力が眠っている、そして数多くいる兄弟のうちの一人という確信があったから。
「………ったく、少し歩くだけでこれだ」
「しかもポケモンの世界……こんなことなら何かしらポケモン連れてこりゃ良かったな」
浸水している床を進み、電工掲示板が明滅する廊下を通り、なんとか彼は目的地に辿り着く。
「……見つけた」
しかし、彼が見たものは意外な光景だった。
「兄貴と……なんだアレ」
彼が目指した場所に居たのは兄らしき存在と……変わった形のボール。
「兄貴!」
そして、そのボールから現れる謎の存在。
彼が見た光景は……兄の身に迫った危機であった。
彼は思わず駆け出し、兄に呼びかけた。
しかし……二人の反応は全く逆だった。
兄は彼の声に驚き、大きく飛び退いたのだ。
「お前……何故どうしてここを見つけた?」
「ええ?なんだ、誰かに知られちゃまずかったのか……こう言おう、俺はアンタの兄弟だ、カーレッジ・フレインに造られた」
「………体のどこかにナンバーはあるか?」
「……これでいいのか?」
彼は兄の体をよく観察する。すると、左手の甲に数字が刻まれていることに気づいた。
そして同時に、それは自分の体にも刻まれている。
そしてその数字は……兄より遥かに多い。
「……なるほど、どうやら俺の『弟』という認識でいいようだな」
「俺はわけあって名前を多く兼用している、ここではアメジストって名乗ってる」
「お前も何かワケありか、そういう奴の方が信用できる、私はメタモルだ」
「おい、早速だが何がどうなってるか全くわからねえぞ」
「そのボールから出てきたやつはなんだ?」
アメジストはメタモにそう問いかけた。メタモは少し驚いた表情を見せたが、すぐに説明を始める。
「一度は考えたことがあるだろう。
大空を支配するリザードンと、荒海にも負けないカメックス
二つのポケモンを組み合わせれば最強のポケモンが作れるのでは? と。」
「はあ……まあ、それが出来るなら」
「ついてくるんだ、いいものを見せよう」
……
MMトースター
【戦慄のフュージョンポケモン編】
メタモは奥の扉を操作し、地下に続く階段へ続く扉を開ける。
二人は階段を降り、メタモは照明のスイッチを押した。
すると……そこに広がる光景にアメジストは息を吞んだ。
「うお!?なんだこりゃ!」
その空間にあったのは、見上げるほど巨大なコンピュータだった。しかも、それだけではない。壁一面がモニターになっている。
「遺伝子のデータを集めるなら、これくらいは必要でね……」
「遺伝子…?」
「私はここでポケモンの遺伝子の研究をしているんだ…まぁ、表舞台に出ている者と違う個人的な趣味に過ぎないがね」
「そして、これが個人的な実験で出来たものだ」
メタモは更に……標準サイズの水槽を持ってくる。
そこに泳いでいたのは……
「どうだ、ついさっき実験したばかりなんだ」
「な……なんだ…これ……」
金魚……?いや、それっぽくもあるが、何かが違う。
黄色と黒、それにこのつぶらでチャーミングな顔には覚えが……
「ピカチュウとトサキントの遺伝子を組み合わせて作ったのさ……」
「遺伝子を採取できたポケモンは1000種類のうち現在たったの420種類、それでも2つ組み合わせればその可能性は1万をゆうに超える」
「そして……形によっては、既存の物をはるかに超える究極の生物が完成するんだ」
メタモはキーボードを操作し、スクリーンに映像を映す。そこには、様々な種類のポケモンが映っていた。
もちろん彼も知っている……有名なモンスターや、最近ではあまり見かけなくなった伝説のポケモンも沢山映っている。
しかし……問題はその形だ。まるで人間のような顔を持つものや、鳥の翼を持った蛇のような……とても、生物に対する冒涜のような、受け入れ難い物だ。
「………そして、最近完成したばかりなんだ」
「リザードンとカメックスの遺伝子を混ぜて組み合わせた最強のポケモンを!」
ゆっくりと培養ケースの蓋が開く。
中からは……カメックスのような、リザードンのような、それでいて歪な顔を持った存在が現れる。
そして、そのポケモンは目を覚ましたかのように体を震わせたかと思うと……こちらに視線を向けた。
まるで獲物を見つけたかのような鋭い視線だ。
「素晴らしいだろ?最強のポケモンの誕生だ」
「アンタ……とんでもないものを作りやがったな」
「まるで破壊兵器を作ったみたいに言うんだな、私が作ったのは生命だ、神に対する冒涜かもしれないが、研究は神に喧嘩を売ってこそだ」
「そうじゃないだろ!こんなの作って……どうやって生かすんだよ」
「生態系においても最強だとも、リザードンの翼、カメックスの甲羅と大砲……海陸空、史上初の3つ全ての領域で生息出来る」
「フュージョンポケモンこそが、新たな環境の支配者になるんだ」
メタモは、まるで子供に言い聞かせるように……そして、その子供の反応を楽しむかのようにそう告げる。
「っ……」
アメジストは歯を食いしばりながらカメックスに近づこうとするが……その前に別のフュージョンポケモン達が立ちふさがった。
「……兄貴!」
「反応からしていいものでは無いことは分かっていた、残念だ…実の兄弟なら受け入れてくれると思っていたが」
「お前……口ぶりからして何回もここに来たやつを始末していたな!」
「何が最強だ!自分のエゴでポケモンを好き勝手いじくり回しやがって!」
ケースが次々破られ、合成させられて異形の形となったポケモンが次々と飛び出してアメジストを取り囲む。それでも、アメジストは一歩も引かない。メタモはアメジストに噛み付くように言い放つ。
しかし、メタモは全く動じていないようだった。
それどころか……挑発的な笑みを浮かべているようにも見える。
そして……その体は宙に浮いた。
「これは………」
「『サイコキネシス』あんたもよく知ってるだろう、エスパータイプの最高峰の技だ」
「何故そんなものを……!」
「それだけじゃない」
「俺は今回ポケモンは忘れてきた、でも取りに行こうとはしなかった」
「最悪、兄貴のヤツを借りるつもりだったからな……だが、今そうなる」
「え……そ、それは!?」
アメジストの片腕に付いているのは……『スナッチマシン』
通常とは異なる事例に遭遇した時、相手からポケモンを奪う事が出来るという……特殊な相手にのみ使うことを許される装置だ。
だが……今回の事例は、充分特殊だ。
「よし、お前の初仕事だ!!」
……そして、アメジストはスナッチマシンから自分の腕を外し、合成ポケモンに向ける。すると、彼らの体は吸い込まれるように消えていき……そこには一つにまとまったスナッチボールだけが残った。
「出てこい!!フュージョンポケモン!!」
スナッチボールを投げると、先程のリザードンとカメックスが混ざったフュージョンポケモンが目の前に現れる。
「………お前が『どっち』を使えるのかは分からない、だから勘で命令するけどごめんな」
「かえんほうしゃだ!!」
……
周囲を焼き払った後、アメジストはメタモを確認する……どこにもいない、フュージョンポケモンも消えている。
あの一瞬で上手く逃げたようだ、今残っているのは……今スナッチしたこのポケモンだけだ。
「兄貴……仕方ない後回しだ、問題は……」
メタモが何を企んでいるか……今はそれを考えるのはやめよう、まずはここから脱出しなければ。
アメジストは近くのボールを投げる。するとスナッチボールから向こうへとポケモンの主導権が変わった。
「何が最強のポケモンだよ」
「ほんの一瞬お前の顔を見た時分かったよ、なんか辛い思いをしていたんだなって」
「だからせめてお前だけでも解放してやりたかったんだ 」
「炎と水の力……お前は『スチーム』って名付けよう、一緒に旅に行こう、そして…元の姿に戻してやりたい」
アメジストはスチームを連れて、研究施設から離れていった。
その日スチームは夢を見た。
カメックスでもリザードンでもない自分が、どちらの群れにも入る事が出来ず檻の中で独りぼっちだった夢。
そして……最後に1人の青年が檻を外し、自由な空へと逃がしてくれた夢を見た。
【戦慄のフュージョンポケモン】
END
- Re: MMトウスター 〜物語の痕跡〜 ( No.215 )
- 日時: 2023/08/11 11:13
- 名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)
デザイアグランプリ。
それは仮面ライダーに選ばれたものがジャマトと呼ばれる怪物と戦い、課題をクリアして『デザ神』を目指す究極のゲーム。
デザ神に選ばれたものは、理想の世界を作ることが出来る……
という、時空各地から集まったオーディエンスが楽しむリアリティライダーショーである。
世界全てが番組のセットであり、その世界で生きて戦う人々の感情が人々の娯楽となり、熱狂させていった………
英寿「…というのが、デザイアグランプリの真実だ」
たくっちスノー「………」
たくっちスノー「アンタも結構苦労してたんだな」
英寿「そんな所さ、だが……いいのか?チームに所属してるだけの俺に協力すると言って」
たくっちスノー「今はアンタの上司でもあるからな」
たくっちスノー「それに………」
たくっちスノー「救いたいんだろ、母親……なら、ほっときたくない」
英寿「……」
………
英寿「だが、最近のデザグラはどうにも妙だ」
英寿「少し前に悪質なオーディエンスを追放した時以来だ」
たくっちスノー「カーレッジの件もあるからな、サポーターという名目で他世界人を好き放題するやつが後を絶えないとか」
英寿「デザグラで他世界人のプレイヤーが禁忌を犯して以来、参加者は1つの世界限定になったこともある」
たくっちスノー「大変だなニラムも……確かアイツ、カーレッジと親しかったって言うぜ」
たくっちスノー「親しいと言っても個人的な飲み仲間だったそうだが」
英寿「………」
英寿「タイクーンが消えた」
たくっちスノー「桜井景和だっけ?」
英寿「ああ……それにデザグラが始まらない、何か胸騒ぎがする」
たくっちスノー「考えすぎ……にならないのがこの時空だ」
………
〜ギーツの世界〜
たくっちスノーは英寿より一足先に、世界の調査に来ていた。
たくっちスノー「………いや、分かる」
たくっちスノー「俺でもわかる………なんか、おかしいぞ………この世界」
たくっちスノー「何せ、こんなお出迎えだからな」
たくっちスノーはこの世界に来てすぐ、仮面ライダー達に取り囲まれていた。
たくっちスノー「随分と穏やかじゃない歓迎だな、デザグラはやってないんだろ?」
「金を出せ!」
たくっちスノー「やだね」
たくっちスノー「スゥー………」
たくっちスノー「ブラック!!」
たくっちスノー「マッドネス!!」
たくっちスノーが床を叩くと成分によって泥沼に変わり、仮面ライダー達が沈んでいく。
たくっちスノー「あばよー」
………
たくっちスノー「仮面ライダー、やけに多いな……元々デザグラの参加者は結構居たとはいえ、これは……」
その時、テレビの映像が大きく変化する。
「おい、たくっちスノー」
スターアベネス「久しぶりだな………」
たくっちスノー「…………」
たくっちスノー「今更何の用だ、負け犬」
たくっちスノー「俺はもうお前にライバルとしての価値はないと思っている」
スターアベネス「そんなこと言ってられるのも今の内だ、オレはベルとは違う」
スターアベネス「願いの力が枯渇しても、『力を取り戻す』と願えば元に戻る!ベルもここまで思い付かなかっただけ、甘い 」
たくっちスノー「………フツーはそんなインチキじみたこと考えないんだよ」
たくっちスノー「アンタ、監獄で願いをなんでも叶えられることにかまけて頭悪くなったな、『究極天才』が笑わせる」
たくっちスノー「ベルがいなけりゃお前なんてただの究極(笑)だ」
スターアベネス「どいつもこいつもベルと比較しやがって……」
スターアベネス「いいよ、怒ったからお前は絶対に関わらせない」
スターアベネス「【アベネスグランプリ】だ」
たくっちスノー「アベネスグランプリ……?」
スターアベネス「そう、紹介しよう」
ケケラ「ごきげんよう、この世界の住民……」
ケケラ【よくも俺たちを追い出しやがったな】
スターアベネス「デザグラを追い出されたオーディエンス一同、今回のお客だ」
スターアベネス「ルールは単純、オレの願いの力で、デザイアグランプリに流れてくる願いを一通り叶える………それだけだ」
スターアベネス「まず最初に叶えてやったのはこいつがサポートしていた桜井景和の願い」
スターアベネス「【全ての仮面ライダーの復活】だ」
スターアベネス「その結果、性根の腐ったギャングライダーが蔓延るクソみたいな世界になったがな」
たくっちスノー「へっ、他人事みたいに……お前は『そういうやり方』でしか叶えないだろうが」
スターアベネス「だが、お前はジャマだ………あの願いを叶えておいた、この世界から出ていけ 」
たくっちスノー「あの願い?」
たくっちスノー「何言って」
たくっちスノーが振り向くと、その後ろには。
牛の化け物が居た。
B「ギャオオオオン!!」
たくっちスノー「な、なんだこれ!?ジャマトか!?」
たくっちスノー「ブラックハンマー!!」
B「………グガァ!!」
たくっちスノー「効いてねぇ……」
スターアベネス「当然だ、だってそいつは」
スターアベネス「【全てのライダーをぶっ潰す力】という願いを叶えた吾妻道長だからな」
たくっちスノー「み……道長!!?それって、前にクロノスゲームに出た」
スターアベネス「叶えてやったぞ、どんなライダーも、なんならそれ以外もぶっ潰す力をな」
スターアベネス「まぁ……その為に肉体構造を大きく変えたから化け物になっちまったが」
たくっちスノー「お前!!何がしたいんだよ!!」
スターアベネス「何がしたい??オーディエンスが望んでいる事をネガイモノの力で叶えてやってるだけだよ」
スターアベネス【こいつらの望みは浮世英寿含めたこの世界の仮面ライダー全員の『退場』】
スターアベネス【既に桜井景和と吾妻道長は『退場』まであと一歩まで行った、後は鞍馬家と浮世英寿のみだ!!】
たくっちスノー「こいつガチだ……なんでもありかよお前は!」
スターアベネス「なんでもありだよ、オレは元々………」
スターアベネス「アベネスグランプリに邪魔者はいらん!お前は強制送還だ」
たくっちスノー「うっ!!」
………
英寿「もう帰ってきたのか………いや、その顔は」
たくっちスノー「…………めんどくさい事になった」
…………
英寿「この世界そのものの退場……?」
たくっちスノー「うちのアホライバル野郎が、チートスキル存分に使ってアンタらを物語から消そうとしてんだよ」
たくっちスノー「クソオーディエンスと組んで、完全な逆恨みをな………」
英寿「それにバッファが怪物になって、タイクーンの願いによって秩序崩壊ということは……」
たくっちスノー「景和はまだ見てないが、ろくな事になってないことは確かだ」
英寿「更に、そいつの言い方だとナーゴも危険だ………」
たくっちスノー「時空ってのもそこまでヤワじゃない、カーレッジじゃないんだしただ単にいらないってだけで『退場』はしないはずだが………だが、まずい」
たくっちスノー「お前の世界にアクセス出来なくなった……」
英寿「………いや、これは奴の仕業じゃない」
英寿「デザイアグランプリ側だ!」
たくっちスノー「え!?ホントだ、メイドウィンの権限がデザグラにあるから……」
たくっちスノー「デザイアグランプリとアベネスグランプリが勝手に戦っていて、俺たち手出不可ってこと!?」
英寿「見ろ」
英寿「奴らは『グランドエンド』という世界を強制リセットする力を持ち、オーディエンスは巻き込まれたら共に消滅するようになっている」
たくっちスノー「その度にスターアベネスが願いの力でリセット返しをして……イタチ合戦だな」
英寿「……」
英寿「今はまだ手を出せない」
英寿「今はタイクーンを探す、ナーゴも出来ることなら助ける、あとはバッファを元に戻し……」
英寿「準備が整い次第、デザイアグランプリとアベネスグランプリが争ってる俺たちの世界に突入する」
たくっちスノー「何か必要なものはあるか?」
英寿「白坂ヨウコから話を聞いたが、どうやら過去の世界線の俺もグランプリの持つ『創世の力』を持っていたらしい」
英寿「まずはそれと………また1人創造者が欲しい」
英寿「そう、さながら……既存から新たな存在を生み出す、お前のような………あるいは『錬金術師』のような存在が必要かもな……」
NEXT is ガッチャードif……?
- Re: MMトウスター 〜物語の痕跡〜 ( No.216 )
- 日時: 2023/09/04 20:08
- 名前: メタルメイドウィン ◆E3WKNl.NZ. (ID: VOI/GMTL)
ここはとある会議室。
モニターに映し出されているのは、今この時空で最も危険と判定された男。
モンキー・D・ルフィ。
人知れず集まった大きな存在達は、口々に語る。
「5人目の皇帝……海賊連合麦わら大船団……そして、この世の全ての頂点ともいえる能力」
「ゴムゴムの実……表向きの名はそう言われているが、真の名前はヒトヒトの実 幻獣種モデルニカ」
「世界政府によって歴史ごと消されたその力、奴が覚醒したことによってまた表に出ることになる……」
「”ニカ”……まさか奴が悪魔の実の能力として残っていたとは」
「だがしかし、5人目の皇帝はニカを既に覚醒させている。」
彼らの視線の先にあるディスプレイに映し出されるのは、モンキー・D・ルフィの顔。その隣に立つ一人の大きな存在…太陽の神『ニカ』
「あの世界の五老星はどんな手でもルフィを殺し…再びあの悪魔の実を手に入れようとしているが、無駄に終わるだろう」
「ああ、あの姿……我々が手を出すしかない」
「完成したのですな、ニカに対抗する史上最強の人工悪魔の実を……」
……そして、場面変わってとある島で。
ルフィがちょうどその力を使う時が来た瞬間、それは訪れたのだ。
「ギア………5(フィフス)!!」
心音が鳴り響き、大地が揺れ、髪が白く煙のように変化する。
そして、ルフィの周囲に光が宿り、無数の光球が浮かび上がる。
「これが……麦わらのルフィのギア5(フィフス)……!!」
「なんて凄まじい力なの!?まだ何もしてないのに……」
驚愕する敵達とは対照的に、ゾロとサンジは冷や汗を流しつつも笑みを浮かべる。
「おいおい、とんでもねぇのが出てきやがったな」
ルフィはニヤリと笑い返す。
サンジが嬉しそうに笑う。
そして、ゾロもまた不敵な笑みを浮かべ、刀を構える。
対数十人の能力者集団の戦いが始まろうとした……。
その瞬間であった。
「ルフィ、上だ!」
突如閃光のような素早い光弾がルフィの頭上へ飛んでいき、サンジの声で即座に気付けたルフィは光弾を叩いて跳ね返す。
跳ね返った光は敵に向かって飛んでいき、一網打尽に消し飛ばした。
「今のは……あいつら、じゃねえな」
「ああ、別の所から飛んできた」
「今のを跳ね返すとはな……触れたものを『ゴム』に変える力か」
「やはりその実の力は危険だ」
「なんだ?お前」
「モンキー・D・ルフィ、並びにヒトヒトの実モデルニカを潰すために作られた」
「イロアスだ」
イロアスは答えながら銃を構える。ルフィに向けて一発撃ち込まれた弾丸は、ルフィの体に当たる寸前でピタリと止まる。
男がニヤッと笑うと同時にその弾丸は爆発する。
「ヒロイックバレット!」
ドガァァァンッ!!爆発音が響き、爆煙が舞う。その煙の中から一つの影が飛び出してくる。それはルフィであり、イロアスに向かって殴りかかるが、すぐに避けられる。
「ゴムゴムの……」
「ヒロイック」
「コーンピストル!!」
「マグナム!」
ルフィとイロアスの拳がぶつかり合い、互いに跳ね返り、ルフィは飛び跳ねながら体制を立て直す。
「俺は『ヒロヒロの実』の英雄人間、悪と判断した者をこの手で倒すための能力だ」
そして再び拳が交わされ、衝撃が巻き起こった時。ルフィとサンジはイロアスを見て呟く。
「どうやら、よく分からないのに絡まれちまったみたいだな」
「マジに相手するのも面倒だ、適当に追い払ってズラかるぞ!」
「ああ、サンジ、ゾロ、いくぞ!」
「おお、まかせろ」
ゾロが返事したと同時に走り出す。サンジが即座に飛び出して攻撃を仕掛ける。
「羊肉ショット!!」
「ヒロイックフット!」
サンジの蹴りを、イロアスは軽く避けながら、隙を見て銃を撃ち込む。弾丸はサンジの頬を僅かに掠めて飛んでいく。
「ちっ、すばしっこい野郎だ。」
「ゴムゴムの雲メリケン!!」
そこからルフィが雲を貫いてゴム化させ、塊になった雲を叩きつけるがイロアスに躱されてしまい、空へ飛び上がっていく。
その背中にはマントが付いていた。
「スーツにマントねぇ……なんていけ好かない格好だ」
「ゾロ、アレやるぞ」
「勢い余って壊すんじゃねえぞ!」
「三刀流……」
「ゴムゴムの………手蔓藻蔓!!」
「狩りィ!!」
ゾロが三刀流を振り上げた瞬間ルフィが刀の刀身に触れてゴム化させ、刀を振り回しながらルフィが突進する。イロアスは刀で受け止めたものの、勢いに押されてそのまま壁まで吹き飛ばされる。
「くっ……これは厄介だ」
その時、イロアスが再び攻撃の構えをとっていたが、突如床から現れた片腕によって拘束されてしまい、身動きが取れなくなると同時に天井から伸びた腕が更に……
「うっひゃっひゃっひゃっひゃ!!」
「ゴムゴムのぉ〜!!はさみうちガトリング!!」
イロアスはルフィの攻撃をモロに喰らってしまい、口から胃液やら血が混ざったものを吐き出して倒れる。しかし、すぐに立ち上がり再び武器を構える。
だが……既にルフィ達の姿は無かった。
「逃げられたか……」
ゴムゴムの実を巡る時空の大きな存在の戦いにルフィが巻き込まれていることは、まだ知らない。
- Re: MMトウスター 〜物語の痕跡〜 ( No.217 )
- 日時: 2023/09/15 15:49
- 名前: メタルメイドウィン ◆E3WKNl.NZ. (ID: N7iL3p2q)
………
剣「あー」
剣「なんで宇宙食ってこんなに美味しくないんだろうね」
みずいろ「缶ずめの方がまだマシ」
やすな「シェフとか雇わないの?」
剣「一体どんな世界に行けば料理人とか会えるわけ?」
剣「というか、りりすた革命団もその手のは居なかったはずなのにこの差は!?」
…………
ウィーン
ソーニャ「いるか」
やすな「ソーニャちゃん!?」
ソーニャ「時空の渦さえあれば宇宙船だって行ける」
やすな「どうしたの?仕事は?」
ソーニャ「元の世界に帰ってすぐ仕事どころではなくなった」
ソーニャ「始まったらしい………」
「殺-1グランプリが」
『殺-1GP編』
やすな「コロワン?なにそれ」
ソーニャ「殺-1GP、その名の通り時空で1番の殺し屋をランキング形式で競い合う大会だ」
ソーニャ「まさか帰ってすぐ開催されるとは」
みずいろ「時空って暇なのね」
剣「ちなみにソーニャちゃんは何位なの?」
ソーニャ「4563位」
やすな「めっちゃ低っ」
ソーニャ「あのな私分類上は普通の人間だぞ?」
剣「で、そのコロワンって何やるの?殺し屋同士で殺し合うの?」
ソーニャ「………そうだ」
ソーニャ「殺し屋達は自分よりひとつ上のランクに喧嘩を売り、殺せば成り上がり」
ソーニャ「まあ、こんなランクの私に出来ることは死なないようにするか……だけだが」
みずいろ「それって上位とかは殺し合いなの?」
ソーニャ「かもな」
やすな「………」
ソーニャ「なんだその顔は」
やすな「いや……まさかソーニャちゃんが狙われる側なんて」
ソーニャ「殺し屋ってのも暇なのさ、こんな事するぐらいにはな」
やすな「上位はどんな感じなの?」
ソーニャ「噂でしか聞いたことないが、イカれた奴ばかりだ」
ソーニャ「中でも…………」
ソーニャ「『トラヴィス・タッチダウン』」
ソーニャ「前殺GP47位」
ソーニャ「私みたいにただの人間………いや、ただの人間かは分からない」
ソーニャ「だが、そいつは最初のグランプリでは3560位だったが、一気に48位の殺し屋を始末して成り上がったという」
ソーニャ「しかも………」
みずいろ「まだ上がってるの?」
ソーニャ「トラヴィスのこのグランプリでのランクは12位……今の私から見れば桁外れだ」
ソーニャ「奴の下のランクに狂信者や弟子も存在するって噂だ」
やすな「でもソーニャちゃんもそうなる可能性はあるんじゃないの?」
ソーニャ「馬鹿か、殺しのランクなんか上がったってキツいだけだ」
ソーニャ「給料が上がるわけでもあるまい」
剣「なんでそんなことやるの?」
ソーニャ「事の発端は宇宙の王子様がどうとか言われてるが、真意は分からない」
みずいろ「同業者潰しでしょ、普通に」
ソーニャ「そんなところか」
ソーニャ「グランプリ中まで寝てやり過ごす、3日もすれば終わるだろう」
ソーニャ「ベッド借りるぞ」
やすな「私の使っていいから」
ソーニャ「汚いからいらん」
………
剣「なんというか、殺し屋も大変なんだね……」
やすな「というか殺し屋って数千人もいたんだ」
みずいろ「ソーニャちゃんより下の殺し屋ってどれだけアレなんだろうね」
みずいろ「あっ、これとか……4564位の」
みずいろ「デストロイマ」
バコン!!
ソーニャ「何だこの音………」
ソーニャ「は!?」
「見つけたぞ……コロワン4563位」
「私はスーパーヒーロー、デストロイマン!この世の悪の殺し屋を全てデストロイ!」
ソーニャ「デストロイマン!?ふざけるな、なんでこんな奴が………」
ミュウツー「なんの騒ぎだ……」
みずいろ「ミュウツー!ミュウツー助けて!」
「デストロイスパーク!」
ミュウツー「状況は理解した」
ミュウツー「サイコブレイク!!」
ボン!!
剣「うわぁ!修復できるとはいえ暴れないでよ!」
やすな「何あいつ!?ソーニャちゃんより下なのに!」
ソーニャ「下!?バカ言うな」
ソーニャ「あいつはデストロイマン!アメリカ風のヒーロースーツ着てるが実際は姑息で卑怯な汚い野郎だ!」
ソーニャ「わざとランクを低く偽装して雑魚を潰すことを楽しみにしてるカスみたいな奴なんだ!」
みずいろ「実際のランクは!?」
ソーニャ「45位!」
やすな「上澄みも上澄みじゃん!新人つぶしやめろー!」
ミュウツー「心配は無い、手応えはあった」
ソーニャ「…………いや、おかしい!」
ソーニャ「デストロイマンは以前のコロワンで、トラヴィスが47位に上がる際に死んだはずだ!」
ソーニャ「それも縦真っ二つにされて!」
やすな「しぶといじゃん」
ソーニャ「しかも今回のコロワンでミュウツーより以前にサイボーグとして復活したがもう1回スパスパ斬られて死んだともある!」
みずいろ「殺し屋のくせに死んでも生き返るとかズルじゃん!」
やすな「おまいう」
みずいろ「じゃあ何!?亡霊!?」
ソーニャ「知るか!」
ミュウツー「量産型……」
剣「!」
剣「なんか後ろにいる!」
やすな「全部さっき出てきたヤツじゃん!」
ソーニャ「あのバカいよいよ全身メカ化して量産までするようになったのか!」
やすな「それもうなんでもありじゃん!」
ミュウツー「ワープ機能は使えるか」
剣「使える!いくよ!」
………
剣「逃げきれたのかな」
やすな「ねえソーニャちゃん、殺し屋やめなよ」
ソーニャ「やめられてどうにかなるもんならとっくにやめとるわ!」
剣「そこまで言うレベルなんだ………」
剣「しかもアレってもう何回も死亡報告してるんだよね?」
みずいろ「出禁になればいいのに……」
ソーニャ「それはそれであのクソみたいな殺し屋が世界中にのさばるぞ………」
ソーニャ「あっ」
やすな「どったの」
ソーニャ「………」
ソーニャ「私がデストロイマンを1回殺したことになってる」
ソーニャ「ランキングが45位になった」
やすな「おめでとう!!」
ソーニャ「めでたくねえわ!!」
『殺-1GP』
殺し屋たちの頂点を決めたり決めなかったりする、実際のところほぼ出来レースである。
詳しく掘り下げるのは、また別の機会に。
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