二次創作小説(新・総合)

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スクールアイドルと神々との戦い!完結!
日時: 2022/07/31 16:21
名前: モンブラン博士 (ID: pRqGJiiJ)

スクールアイドルが神に準ずる超人や超神、神様たちと戦うシンプルなお話です!マイペースに更新していきます(*´▽`*)

Re: スクールアイドルと神々との戦い! ( No.23 )
日時: 2022/07/30 20:18
名前: モンブラン博士 (ID: pRqGJiiJ)

サイコマン「サンダーサーベル!」

雷の刃を投擲する超人に宮下は体育座りでガタガタと怯えるばかり。
四方を雷で囲まれ、逃げ場を失ってしまった。

サイコマン「おやおや、あなたにも弱点らしいものがあったんですね。傑作ですよ」

超人は片目を瞑って、愛の露出した身体の中心点――つまりはへそに目掛けてサンダーサーベルを放った。真っすぐ突撃してくる雷。恐怖に戦きながらも、身を守る為に回避、脇腹を掠り、愛の顔が初めて歪んだ。

サイコマン「よく躱しましたね。ですが、無駄な足掻きです」

両脇にサンダーサーベルを装備したサイコマンが愛の視界から消えた。
次の瞬間、愛は両肩に激痛を覚えた。
両肩をサーベルで貫かれていたのだ。血が滴り、失神しそうになる。

サイコマン「あなたは人間にしてはよく頑張りましたよ。遠慮なく止めをさされなさい」

余裕綽々で最後のサンダーサーベルを愛の頭上に落とすべく、腕を掲げるサイコマンに愛の口角が上がった。
だが、止めの雷撃は落とされることはなかった。
雷雲が消滅してしまった。
あまりにも雷撃を落としすぎた為に、効果が消えてしまったのだ。

サイコマン「悪運の強い方ですね。マグネットパワー!」

両掌からエネルギーを放出しようとするが、何も起こらない。

サイコマン「そんな、どうして」
愛「エネルギーは無駄なく使わないとね」
サイコマン「!?」

調子に乗ってあまりにも大量にマグネットパワーを消費しすぎて彼の体内からマグネットパワーが生成できなくなってしまったのだ。
アポロンウィンドウを開けようにも、開けられない場所だった。
血染めになり、千鳥足ながらも迫る愛にサイコマンは彼女の首を掴まえ、垂直落下式のプレーンバスターで気絶させてしまった。
瞼を閉じ、戦闘意思の消えた愛。
勝者はサイコマンに終わった。
荒く息を吐きながらも、サイコマンの口元には笑いが浮かんでいた。
人間でありながら完璧超人始祖の猛攻を悉く打ち破り、何度劣勢に追い込まれたことだろう。
あと一息、愛に余力が残っていたら自分は負けていた。

サイコマン「この勝負、本当の意味で勝ったのはあなたかもしれませんねえ。宮下愛さん? ニャガニャガニャガ」

Re: スクールアイドルと神々との戦い! ( No.24 )
日時: 2022/07/30 20:27
名前: モンブラン博士 (ID: pRqGJiiJ)

「諦めろ。お前がどれほど攻撃を与えようとも、私の身体にひとつの傷さえもつけることはできない!」

完璧超人始祖のシングマンは黄色く光る目で僕を睨み、言った。
瞳孔の無い目からは何も感じることはできない。
ただ、倒れている僕の情けない姿が映るだけだった。
彼は薄いピンク色に輝く金属の腕を交差させている。
動きから察するに最大の技で試合を終了させる気だ。
起き上がろうとするけど、手足に力が入らない。
次に攻撃を食らったら、間違いなく僕はKOされるだろう。
最大の危機なのに、身体が言うことをきかない。
僕としたことが、なんて情けないんだろう。
何もおかしいことはないはずなのに、どういうわけか、口から笑い声が吐き出される。
これはきっと、全てを諦めた笑いなのだろうか。
僕のステイツであるニューヨークを象徴する自由の女神像。
その掌の上に備え付けられたリングで僕を待っていたのが、完璧捌式の称号を持つ完璧超人始祖のシングマンだった。
生まれた時代は違うけど、同じアメリカ出身同士。
しかも名前からして「音」に自信があるはずだし、僕たちは分かり合えると思っていた。
最初は戦いではなく、話し合いで挑もうとしたけれど、何を言っても彼は「スクールアイドルが世の中を堕落させた」の一点張りで聞く耳を持ってはくれなかった。
認めてほしければ力で証明しろと挑発してきたから、僕は迷わずリングに上がった。

Re: スクールアイドルと神々との戦い! ( No.25 )
日時: 2022/07/30 20:32
名前: モンブラン博士 (ID: pRqGJiiJ)

その時は感情的になっていたから、後先の予測なんてできなかった。
相手がどれほど強大でも、僕はテイラー家の一員だから勝てると思い込んでいた。
だけど。
シングマンは同郷の僕にも一切情け容赦は無かった。
挑んでくる敵は全力で叩き潰すスタイルで、最初から本気だった。
他のスクールアイドルのメンバーは、たとえば、果林や愛は、カラスマンに引き分けたり、サイコマンを追い詰めたりしてた。
いつもはキャンキャンとうるさい子犬ちゃん部長だって、真っ向勝負を得意とするアビスマンに勝利する大金星を挙げた。
全ては彼らにスクールアイドルの素晴らしさを少しでもわかってほしい、それだけのために。
けれど、僕はどうだろう?
さっきから試合はシングマンのワンサイドゲームで進んでる。
宇宙から来たという未知の金属で構成された彼の身体は驚くほどに強固で、殴ったらこっちの拳が血だらけになった。
そして、圧倒的な体格差。
まるでアリと恐竜くらいの違いがある。
どんなに努力しても恐竜の前ではアリは無力。
そんなの、最初から分かってた。
全て承知のはずだったのに、目の前の現実を突きつけられて、悔しい。
シングマンの両腕が発光している。
次の一撃で僕は完全に敗北するのか。
結局、何の役にも立てなかった。
そんな僕の心情を見抜いたのか、シングマンは言った。

「ミア・テイラーとやら。
お前は他のスクールアイドル共と比べてあまりに未熟過ぎる。
だが、その非力な身体で私を相手にこれだけの時間戦えたのだから、称賛に値する」
「相変わらずの上から目線だね。さすがは完璧超人始祖」
「お前の頑張りの褒美として苦しむことなく、一撃であの世へ送ってやろう」
「ああ、そうしてくれよ。僕はもう、何もかもが嫌になった」
「では望み通り、永遠の眠りにつくがいい!
シング・デモリッションウェーブ! マッ!」

Re: スクールアイドルと神々との戦い! ( No.26 )
日時: 2022/07/30 20:40
名前: モンブラン博士 (ID: pRqGJiiJ)

まるで暴風のような振動が僕の全身を襲う。
凄い衝撃で全身がバラバラになりそうだ。
頭の中に今までの記憶が駆け巡る。
歌の発表会でプレッシャーに押しつぶされたこと。
ランジュと一緒に日本に来て、彼女の為の曲を作ったこと。
同好会のみんなと出会い、活動したこと。
最初は何の興味も無かったけど、璃奈が話しかけてくれたから、今の僕はあるんだ。
彼女の言葉があったから、僕はもう一度夢を掴むことができた。
ごめんよ、璃奈。
僕はキミに何の恩返しもすることができなかった。
不甲斐ない僕を許しておくれ。

「ミアちゃん、歌って」

璃奈の声?
気のせいだろうか。

「気のせいじゃないよ。ミアちゃんならできる」

大スクリーンに映し出されたのは璃奈の顔だった。
璃奈は言葉を続ける。

「璃奈ちゃん、全世界の人がミアちゃんの闘いを見てる。
今がミアちゃんの歌声を世界中のみんなに届ける時だと思う。ミアちゃんならこの試合、きっと勝てる。璃奈ちゃんボード、にっこりん♪」
「・・・・・・璃奈にそこまで言われたら、寝ていられないね」


不甲斐ない僕をどこまでも信じてくれている璃奈。
僕はそんな君が大好きだ。
歌ってやるさ、僕の喉が潰れるまで。
シングマンの心に届くまで。

「~♪」
「ギラッ!? 貴様、試合を諦めたのではなかったのか」
「一度はね。でも、今は違う! 僕の心はもう折れない!
璃奈と僕自身のためにキミに勝つ!」

声を張り上げ、全身全霊で歌唱する。
少しずつだけど、シングマンのデモリッションウェーブの威力が和らいで、前へ踏み出せるようになってきた。
ちょっとでも確実に前に進むことが新しい希望になる。
全力のシャウトを出したその時、僕の視界が真っ暗になった。


遠くで鐘の鳴る音がする。
試合終了の合図だ。
かすむ目に映るのは高々と手を挙げたシングマンの姿。
そうか、僕は敗れたのか。
でも、全力を出せたのだから、悔いは、ない。

勝者 シングマン

Re: スクールアイドルと神々との戦い! ( No.27 )
日時: 2022/07/30 21:01
名前: モンブラン博士 (ID: pRqGJiiJ)

金髪碧眼、細身ながらも鍛えられた体躯を誇るポセイドンは、目を伏せていた。
海の暴君と畏れられる最恐神である彼は人類の全てを雑魚と見下していた。
これまでの神々(及びそれに準ずる存在)が敗北しているのは単に戯れに付き合っていただけに過ぎず、それで敗北したのなら甘い性格だったというだけの話。
甘く弱い雑魚と群れる必要が自分にあるだろうか?
否。
神は群れぬ、謀らぬ、頼らぬ。
如何なる難問も個人の力で解決し、歯向かう者は全て倒す。
それこそが神なのだ。
雑魚共に余の力をほんの僅かでも教えてやるとしよう。
愛用の三叉槍を持ち、威風堂々と佇むポセイドンは、自分が戦う相手を一瞥することもなく、超高速で突きを放つ。
一瞬で高海千歌、桜内梨子、渡辺曜の三人に致命傷を与え、二度目の突きで黒澤ルビィ、国木田花丸、黒澤ダイヤ、小原鞠莉を気絶に追い込む。津島善子は先のエクスキューショナー戦で重傷を負っている。
倒れる少女達を一瞥することもなく、去ろうとするポセイドンに声をかける者があった。

「待ってよ。まだ勝負は終わってない」

息を切らせ、脇腹から流れる血を抑えながらも、松浦果南が立っていた。遠くにいたはずの彼女にも掠るほどだが槍が触れていたのだ。けれど、掠っただけで脇腹を抉られるほど強力な槍術に果南は唾を飲み込んだ。
今闘えるのは自分だけ。
どれほど無謀でもやるしかない。
決意を固めて踏み込み、海の神へと挑む。
ポセイドンは目を伏せたままで三叉槍を放つが、果南は軌道を読み、回避に成功。
一瞬、果南の表情に光が戻ったせつな。

「え・・・・・・」

果南は己が槍に貫かれたことを認識し、我が身を疑った。
ポセイドンは果南が躱した一撃の後、目にも止まらぬ速度で二発目を打ち込み、彼女に大ダメージを与えていたのだ。
非凡な体力を持つ果南だが、槍の攻撃に両膝を突く。
それでも、最後の力を振り絞り、ポセイドンに言う。

「どうして、海の神様なのに、こんな酷いことをするの?」
「思い上がった雑魚共に裁きを与えるのが、神である余の役目」
果南が動かなくなると同時に、ポセイドンはその場を去り、後には倒れた9人の少女達だけが残された。


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