二次創作小説(新・総合)

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スクールアイドルと神々との戦い!完結!
日時: 2022/07/31 16:21
名前: モンブラン博士 (ID: pRqGJiiJ)

スクールアイドルが神に準ずる超人や超神、神様たちと戦うシンプルなお話です!マイペースに更新していきます(*´▽`*)

Re: スクールアイドルと神々との戦い! ( No.8 )
日時: 2022/07/30 14:42
名前: モンブラン博士 (ID: pRqGJiiJ)

強力な投げ技を食らったせいか、凛は立ち上がれない。
その頭を踏みつけながら、ノトーリアスは言った。

「どうした? テメェの決意はこんなもんか? 猫を生き返らせたいんだろ?
このままじゃテメェも猫たちと同じところへ旅立つことになりそうだなぁ~ッ」

グリグリと頭を踏みつけられながら、凛はこの戦いに挑んだ理由を思い出した。
小学生の冬の晩。親友の小泉花陽の家の物置で生まれた5匹の子猫。
懸命に助け、看病したが助けられたのは3匹だけであり、2匹は生まれた間もなく息を引き取った。
あの時助けられなかった悔いが凛の心にはずっと残っていたのである。
だからこそ狂気の神の「お前が勝てばあの時の2匹を生き返らせてやる」という誘いに乗り、無茶な戦いに挑んだのだ。

「まだ、負けられないニャ。もう、凛は負けたくないニャ~!!」

気合を漲らせて立ち上がると出血は止まり、しっかりと2本の脚でリングを踏みしめ立ち上がった。先ほどまでの痛みは嘘のように消え、全身から活力が溢れるようだった。
見ると凛の身体が黄金色に光っているではないか。
猫ちゃん達を助けたい。自分以外の誰かを守りたいという強い気持ちが火事場のクソ力を発動させたのだ。
急な変化に戸惑いを隠せないノトーリアスだが、パワーで押し切れば楽勝と考え、大口を開けて凛の肩口に噛みつく。

「サーベルタイガーデンス!」

Re: スクールアイドルと神々との戦い! ( No.9 )
日時: 2022/07/30 15:35
名前: モンブラン博士 (ID: pRqGJiiJ)

深々と巨大な牙が肩に食い込み、旨そうに血を吸われるが凛は拳をノトーリアスの顔面に連続で当てていく。
密着していることで急所の顔面を狙いやすくなったのだ。
ノトーリアスの顔はたちまち朱に染まるが、凛の肩も流血で赤となる。
凛はノトーリアスの顔面に指を食い込ませてアイアンクローで攻め立て、どうにか顔を引き離すことに成功させると僅かな隙を突いて右腕をノトーリアスの首に巻きつけ、ヘッドロックを完成させる。
そのままありったけの力で締め上げる。

「ニャアアアアアアアアアッ!」
「テメェみてぇな雑魚に神の俺が負けてたまるかーッ」
「落ちるニャ~!」
「ガゴオオオオオッ」

ノトーリアスは凛の腰をクラッチして持ち上げて叩きつけようとするが、その間にも凛の締め付けは強さを増していく。ならばと自慢の左の手の甲の爪を展開させて背後から突き刺す。背中から腹を貫き大ダメージを与えたはずが、凛のヘッドロックは緩みもしない。

「テメェ、これだけの傷を受けてなぜまだ闘えるーッ」
「凛は絶対に猫ちゃん達を救いたいだけニャ~ッ」

虎と猫の意地の張り合い。最後の勝負だ。
先に意識が途切れた方が負ける。

「俺は狂気の神ザ・ノトーリアスだ! 
テメェらみたいなガキとは格が違うんだよーッ」

超人界の頂点に君臨する神の意地でノトーリアスは凛をリバーススープレックスで返す。
だが、後方に投げても尚、凛の両腕は絡みついたまま離れず、結果としてノトーリアスの身体も大きく反り返り、逆に首が締まっていく。
ノトーリアスは天界で最強のタッグとして名を馳せた神である。
しかしタッグ戦は得意でもシングルとなればその強さは半減する。
加えて悠久の時を生きてきたが故に鍛錬にあまり重きを置かず、神であるという傲慢さから凛を完全に見下し切っていたこともあって、本人の想像以上に遅れを取ってしまった。
技の引き出しが少なく鍛錬を怠っていた狂気の神と毎日のように仲間と激しい運動をこなし精進してきた少女との開きが現れたのだ。

「ガゴーッ!」

度重なる締め付けにより遂にノトーリアスは口から血泡を吐き出し完全失神。
星空凛の勝利が決まった。
しかし、ふたりとも疲労から立ち上がることができずに大の字でリングに倒れている。
雲ひとつない快晴を眺め、ノトーリアスが言った。

「テメェ、この俺に勝つとは人間にしては中々良い根性してるじゃねぇか・・・・・・約束通り、猫ちゃん達は生き返らせてやるよ」

ノトーリアスは掌からエネルギーを放出し、凛の前に小さな白猫の子供を出現させた。

「モモちゃん、ナナちゃん!」

小さな猫たちは凛の声に反応し、チロチロと凛の頬を舐めて感謝を示すのだった。

Re: スクールアイドルと神々との戦い! ( No.10 )
日時: 2022/07/30 15:44
名前: モンブラン博士 (ID: pRqGJiiJ)

かすみ「かすみんは絶対に諦めません!」
アビス「モガモガッ、いい度胸じゃねぇかお嬢ちゃん」

中須かすみは立ち上がった。
生まれたての全身は生まれたての小鹿のように震え、肩で息をしている。けれど、瞳の輝きは全く衰えてはいなかった。
四角いリングで相対した筋骨隆々の体躯に顔の下半分を覆う仮面をつけた完璧超人始祖アビスマンと灰色のアシメントリーの髪型が特徴の小柄な少女。
性別も生まれてきた環境も種族さえも異なる両者が互いの意地をかけ、真っ向から挑む。逃げるという選択はない。男は己の強さを主張する為に、少女は自分の「可愛い」を貫く為に。

かすみ「かすみんは絶対に諦めません!」
アビス「モガモガッ、いい度胸じゃねぇかお嬢ちゃん」

試合開始の鐘が鳴と同時に両者はパッと飛び出し、リングの中央で組み合った。
力の差は歴然。組み合った瞬間に強力に押され両膝を崩した少女の身体を片手で持ち上げ、軽々とリングの端へと吹き飛ばす。
マットを二転三転するかすみに、追撃の踏みつけを行うが、辛うじて回避する。
何とか立ち上がり、相手を見据えるかすみ。
かすみ「おのれ、完璧超人始祖」
アビス「口だけは達者なようだがお嬢ちゃんよ。俺に勝てるなど思わないこった」
かすみ「かすみんは負けませんよ。アビ子みたいなムッキーってした人より、かすみんの方が可愛いんですからね!」
アビス「やれやれ。強情な子だな」

突進してくるかすみをショルダースル―で放り投げ、落下してくるのに合わせ、肘鉄をお見舞いする。

かすみ「グフッ」
アビス「試合序盤ってのにもうおしまいか。可愛いを貫くんじゃなかったのか」
かすみ「へへーん。これぐらいでかすみんは参りませんよーだ」

あっかんべーをして強がる少女に超人は首を振った。
再び力比べに突入すると思われたが、かすみはアビスの指に触れる寸前にくるりと踵を返し、反対方向のロープへ走っていく。そしてロープの反動を利用してのヒップドロップを炸裂させた。だがアビスマンは躱すことはせず、彼女の尻を完璧に食らう。小さくも弾みのある尻の攻撃を受けても筋肉の鎧は微動せず。

かすみ「わ、私の攻撃が・・・・・・」
アビス「これからどうなるか、わかってるよな?」

Re: スクールアイドルと神々との戦い! ( No.11 )
日時: 2022/07/30 15:52
名前: モンブラン博士 (ID: pRqGJiiJ)

剛腕が振るわれ、ラリアット一閃。
巨木の如き腕を頚に食らい、かすみは舌を出してぐるりと一回転してダウン。

アビス「お嬢ちゃん、悪いことは言わねぇからもう諦めな。
アンタが何万回戦おうが、俺には傷ひとつ付けられん」
かすみ「お嬢ちゃんじゃなくて、かすみんです!」

口の端を切ったのか流血し涙目になりながらも、立ち上がるかすみ。
少女は超人の言葉を否定した。
彼女はあくまでも「かすみん」と呼んでもらうことを喜びとしているからだ。

アビス「わかったよ。かすかす」
かすみ「かすかすじゃなくてかすみんです!」

かすみは足を動かし再び突進を開始。

アビス「その心意気や良し。俺も真っ向勝負といこうかーッ」

少女の小柄な体躯と怪物の巨躯がリング中央で激突。
打ち勝ったのはアビスマンの方だ。
ロープへ吹き飛ばされるかすみだが、リングに放り出される直前に一本のロープを掴んで場外転落を拒否した。
限界まで伸びたロープが縮む力を利用してリングへ舞い戻ったかすみは、ロケットのようにアビスマンへ突っ込んでいく。

アビス「その程度の攻撃など受け止めてくれる」

大きく手を広げ受け止める構えを見せるアビス。

かすみ「かすみんびゅんびゅんロケット!」

アビス「モガァ!」

完全に止められると高を括っていた超人はかすみロケットの想像以上の威力に度肝を抜かされてしまい、まともに甲板に食らってしまった。ただの人間が放つ飛翔の頭突きではあるが、一転集中された威力は意外なほどに高かった。
それでも怯みこそすれ倒れない。
両手を固め、ハンマーのように振り下ろす。
脳天に食らったかすみは噴水のように血を流して倒れ伏すが、四肢に力を込め、起き上がってこようとする。

アビス「・・・・・・」

Re: スクールアイドルと神々との戦い! ( No.12 )
日時: 2022/07/30 15:59
名前: モンブラン博士 (ID: pRqGJiiJ)

超人は目を細めた。
これまで幾人もの超人が自分と対決してきただろう。
どれもこれも三下でしかなかった。
だがこの少女は違った。
人間の身でありながら、それも年端もいかぬ少女でありながら
試合を捨てず、何度倒されても起き上がっているではないか。
自分よりも圧倒的に強靭な肉体を誇る俺を相手に。

アビス「アンタはよく頑張ったよ」
かすみ「まだです。かすみんはまだ、戦えますよ」
アビス「お前は諦めるということを知らないのか」
かすみ「ここで諦めたら、スクールアイドルなんてできませんからね!」

かすみは目を輝かせ、血だらけの顔でニッと笑った。

かすみは無我夢中で拳を振るった。
当たるはずもないぐるぐるパンチだ。
策とさえ言えぬ攻撃。
威力よりも回数を重視した打撃は、頭を片手で掴まれあっさりと無効化されてしまう。

額に指によるピンを受け、弾き飛ばされるが、両足をマットにつけて立つ。
ダウンはしない。
これ以上倒れては身体が持たないことを彼女は知っているのだ。
息は切れ立っているのもやっとの状態であるが、かすみは勝負を投げてはいない。ここで心が折れては相手に負けてしまうのだ。
中須かすみの辞書に敗北という文字は無い。
いつ、いかなる時であっても可愛いだけは誰にも負けない。
誰にも譲りたくない。
たとえそれがどれほど強大な相手であったとしても
かすみんの可愛さは誰にも渡すことなどできないのだ。

かすみ「うおおおおおおッ」

かすみは吠えた。彼女は心の中で思う。
うおおおおってまるで彼方先輩みたいじゃないですか。
かすみんだったら、もっと可愛く叫びますよ。
息を大きく吸って再び腹から声を出す。

かすみ「やあああああああッ」
アビス「声だけはちっとは出るじゃねぇか」

戦いは動き出す。アビスマンのビックブーツを回避して懐に潜り込んだかすみは軽く跳躍をしてアッパーを打ち出す。常に相手の攻撃を受ける姿勢のアビスマンは素直に受け、仮面に命中。二手、三手と怒涛のアッパー連続攻撃を受ける。
小石のように小さいながらも的確な拳は、仮面に確実にダメージを与えていき、遂に亀裂が走り始めた。

アビス「モガッ」

アッパーの衝撃で破壊された仮面からはグチャグチャに崩れた醜い口元が姿を現す。それは嘗て新人時代に師の強烈な殴打によって受けたものだった。
アビスは特徴的な声で笑い。

アビス「ここまでされちゃあ、本気を出さないわけにはいかないわな」
かすみ「あわわわわわわ」


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