二次創作小説(新・総合)
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- 逃走中1〜始まりはシンプル?に!〜【完結】
- 日時: 2023/03/26 01:03
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: t7y4Iwob)
柊サイド、初の逃走中!
舞台はショッピングモール。広いショッピングモールの中、20名の逃走者たちが駆け回り、ミッションに挑んだり挑まなかったり!
90分間、ハンターから逃げ切るのは誰だ!!
柊「ぐだぐだだって!? 許してくれ初めてだ!!」
…ぐだぐだしても許してください!!
※注意事項※
・こちらの逃走中は柊の書く『綴られし日々〜作者とキャラの日常〜』の設定を多分に使用しております。
・そのため、クロスカプ、夢が含まれます。苦手な方はご注意ください。本当に。
・筆者は逃走中初書きです、何か不備やアドバイスございましたらご遠慮なくお願いします。
・計画性なんて皆無。
・投稿時間はまちまちです。
・突然更新が途絶える可能性が大です。
それでも大丈夫な方は、どうぞお楽しみください!
逃走者一覧(五十音順、ジャンル名順不同)
足柄(艦隊これくしょん-艦これ-)
イオノプシジウム(フラワーナイトガール)
イソップ・カール(Identity_V)
カトラリー(千銃士Rhodo knight)
クー・フーリン(Fateシリーズ)
ジョージ(千銃士Rhodo knight)
赤兎馬(Fate/Grand Order)
園田 海未(ラブライブ!)
鳴上 悠(Persona4)
ネリネ(フラワーナイトガール)
博多藤四郎(刀剣乱舞)
羽黒(艦隊これくしょん-艦これ-)
初音 ミク(VOCALOID)
花村 陽介(Persona4)
日野森 雫(プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク)
豊前江(刀剣乱舞)
へし切長谷部(刀剣乱舞)
星乃 一歌(プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク)
ミカエル(千銃士Rhodo knight)
ラック(幸運児)(Identity_V)
- Re: 逃走中1〜始まりはシンプル?に!〜 ( No.84 )
- 日時: 2023/03/21 22:50
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: Jr1Q7MLw)
豊前「あと10分だな……。今の長谷部の確保で完全な安全圏じゃねえと分かってはいたが、改めて気を引き締めねえと捕まっちまいそうだ」
豊前はそう呟きながら2階を探していた。が、すぐにテナントの影に隠れる。
ハンターC「……」
豊前「範囲も狭くなってきてるせいで、ハンターもよく見かけるようになってきたな……。1階だけになったら、これ以上に見かけるようになるんだろ?
それは避けたいよな」
ハンターが過ぎ去るのを見届けた豊前は立ち上がり、再び小箱を探す。何度か見かけて開けたはいいが、全てハズレだったのだ。
豊前「どこにあるんだかなぁ……」
陽介「何気に俺と相棒残ってんのってすごくね? このまま2人で逃走成功もまあまああり得そうだよな〜」
少しだけ楽しそうに笑う陽介。だが、通行証は残り1枚。仮にどちらかが手に入れられても、片方はハンター3体を相手に、1階のみで逃走し続けなければならない。
それでも、ハッと気付いてしまったことに良い想像ばかりが膨らんでいく。
ハンターB「……」
そんな陽介の近くに、1体のハンター……!
陽介「っと、やべ、ハンター……!」
陽介はすぐに気が付き、さっと踵を返す。だが、向かった先にも……。
ハンターA「……」
もう1体、ハンター……!
陽介「ッ!? いやいやいやマジかよ……! どっか、どっか隠れる場所……!」
陽介が視界に入れたのは、移動できる商品棚だ。慌ててそれに身を隠す……!
ハンターA「……」
陽介「(頼む、頼むから気付くなよ〜!!)」
祈るように手を合わせ、キツく目を瞑る。
ハンターA「……」
ハンターは、そこから離れていく。見つからなかったようだ……。
陽介「っ良かったぁ〜……! さすがにダメかと思ったぜ……。ん? あっ!? こ、小箱!?」
たまたま商品棚に紛れ込んでいた小箱を見つける。幸運だ……!
描かれていたのはホウセンカ。陽介はそのフタを開け、中身を確認する。
が、入っていたのは紙1枚。それを取って見れば『ごめんね、ハズレだよ。でも君に通行証を見つける手掛かりをあげるね。小箱に描かれている花に注目してみて!
ホウセンカの花言葉:私に触れないで、短気。他にもあるけれど。 日向正宗』と書かれていた。
陽介「おおお!? これでかくね!? 花言葉が書かれてるってことは……ああー! そういうことか!
悪い花言葉とかの小箱はハズレってことだな!?」
と、ここまではテンションが上がった陽介だが……。
陽介「……でも俺、花言葉とか知らねえんですけど……ちくしょー、結局総当たりかよぉ……」
一気に上がったテンションがまるでジェットコースターのように下がっていく。
小箱を置き、とぼとぼとその場を去っていった。……その近くから、ぴょこり、とカトラリーが顔を覗かせる。
カトラリー「き、聞いちゃった……。花言葉なら、多少は有利かも……! さっきの白いチューリップは良い意味もあるけど、悪い意味もある花だったからハズレだったんだ。
よぉし、がんばるぞっ」
陽介とは逆に、るんるんとその場を後にするカトラリー。ちなみに言っておくと、陽介の大声に釣られたハンターが2人が去った後に来ていたのだが、2人は知る由もない。
[12:31]
悠「さて……羽黒さんは多少見つけづらいところから見つけていた。なら残りの1枚も見つけづらいところにあるのかもしれないな」
悠はくまなく周りを探している。しかし、そんな簡単に小箱は見つからない。見つかってもネガティブな花言葉を持つ花の小箱ばかりだ。
ふぅ、とため息を吐いて上を見る。……よく見ると、天井から何か糸が垂れ下がっているような。いや、ような、ではない。垂れ下がっている。
まさか、と思いながらその糸を引いてみる。するといきなり天井が一部だけ開き、そこから小箱が悠目掛けて降ってきた。慌ててそれを取る。描かれている花は、金蓮花だ。
悠「! 金蓮花……もしかして!」
悠がフタを開ける。そこにあったのは……1枚の紙と、通行証だ!
紙には『おめでとうさん、当たりだぜ。 薬研藤四郎』と書かれていた。
悠「よしっ……!」
ピリリリ! ピリリリ!
陽介「メール!?」
カトラリー「い、嫌な予感しかしないんだけど……!!」
豊前「『鳴上悠 通行証入手
残り0枚
よって、残り5分経過後に2階以上にいる通行証を持たない逃走者は強制失格となる』
くっそー、先越されたかぁ……!」
陽介「せ、せっかくヒントもらったってのに!!」
カトラリー「う、うわぁあ! 最悪ー!!」
羽黒「つ、通行証が手に入れられなかった人たち、すごく大変ですね……」
残り5分までは2階は開放されているが、それ以降は立ち入ることができない陽介、カトラリーは嘆き、豊前は仕方ねえ、と切り替える。
悠「今から3階以上に立ち入れるんですか?」
スタッフ「はい!」
悠「よし、ならすぐに行きましょう。なるべく有利なところに居たいですから」
そう言って近くにある階段へ走る悠。しかしそんな悠を……。
ハンターB「……!」
ハンターが、見ていた……!
悠「!? しまった……!!」
悠はそれでも階段へ走る。ハンターとの距離が、縮まっていく……!!
ハンターB「……」ピタッ
悠「はぁっ、はあっ……予想通り、追ってこないか……」
なんと、ギリギリで階段に間に合った! 閉鎖された場所へ通行証なしに入れないのは、既存のハンターも同じ。そのままハンターはくるりと振り返って離れていった。
悠はゆっくりと階段を登り、周りにハンターがいないことを確認するとやっと大きく息を吐いた。
悠「このまま、逃げ切りたいところだな……」
[12:02]
残り5人
- Re: 逃走中1〜始まりはシンプル?に!〜 ( No.85 )
- 日時: 2023/03/22 22:33
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: Jr1Q7MLw)
●牢獄DEトーク●
長谷部「なんだこの状況は」
牢獄に到着して、開口一番がこれだった。無理もない。大人しく牢獄に入っているのがまさかのイソップとミクだけ。それ以外の面々は牢獄周辺にはいるものの、ミカエルのピアノを聞いていたり、いつの間にか持ち込まれたトランプをしていたり。スタッフはスタッフでほとんどがミカエルの周りで跪き、歓喜の涙を流しながらピアノに聴き入っている。
長谷部「……主。あなたはGMですよね? だというのに何ですかこの状況は!」
柊「聞いてくれねえんだよぉ〜〜〜!!」
長谷部「そこを聞かせるのもあなたの務めでしょうが! 全く……!」
長谷部が数回手を叩く。注目が彼に集まった。
長谷部「ピアノを弾くのをやめろ! スタッフは仕事をしろ!! 確保者は牢獄へ入れ!
スタッフは! 仕事をしろ!!」
博多「2回言うた」
柊「重要なことなんですね分かります」
長谷部「主も他人事のような空気を出さない!」
柊「ウィッスサーセン!!!!!」
ミカエル「どうせあと十数分だろう? このまま弾き続けたいよ」
長谷部「後で弾く時間は設けてやる!」
ミカエル「……本当に?」
長谷部「ああ本当だ、そこで思う存分に弾け!」
ミカエル「……分かったよ」
スタッフA「ああ、ミカエル様……!」
スタッフB「ほんのちょっぴり残念そうになさる姿はお美しくなんと愛らしい……!」
長谷部「博多、後で牢獄カメラを確認してそれぞれの給料を算出しておけ、松井と長義にも声をかけておく。
仕事をしていなかった者の給料は休憩扱いとして差っ引いておけ!」
博多「了解!!」
スタッフたち「「「そんな!?」」」
スタッフC「いや、その分ミカエル様の演奏を聞けてるなら実質満額では!?」
スタッフD「た、確かに!」
スタッフE「むしろボーナスをもらったまである!」
長谷部「現実見ろ、給料はどう見ても減ってるだろうが!」
柊「やっぱり長谷部は頼れるな、ツッコミ的な意味でも」
うんうん、と頷く柊。ある程度指示を出し終わり、全員が牢獄へ入っていく。(赤兎馬でも入れるサイズにしていたが思ったより狭くなっていたため赤兎馬だけそのまま牢獄の側で待機)長谷部が入る前、ああそうそう、と言って止まる。
長谷部「アンクレット、もう何度も言われていると思いますが違和感がすごいですね」
柊「うん、何度も言われてる。だからクーニキからもマスターハンド様やクレイジーハンド様から協力してもらえって言われた」
長谷部「確かにこの違和感を消すのは並大抵ではできませんね。多分50年くらいはかかります」
柊「ぜってえもう私やってねえよそれ」
長谷部「でしょうね。御手を煩わせたくないという気持ちは分かりますが、彼らも少し頼った方が喜ぶと思いますよ」
柊「うぃーす」
そう言って長谷部は牢獄へ入って行った。
ラック「さて、あと5人。みなさん、誰が逃走成功すると思います?」
海未「羽黒さんは手堅いと思います。通行証を持っていますし……」
一歌「鳴上さんも通行証を持ってますから、逃走成功しそうですよね」
イオノプシジウム「どうでしょう……。ハンターは速いですから……」
赤兎馬「ゆっくりなイオノプシジウム殿を久しぶりに見た気がしますね」
ジョージ「豊前も足速いし、カトラリーもきっと逃げ切れると思うぜ! あー、こうなったらみんな逃げ切ってほしいな〜!」
雫「そうですね、みんな逃げ切ってほしいです……」
ネリネ「陽介さんも結構足が速い方でしたから、逃げ切れちゃいそうです!」
ラック「あはは、これもう予想じゃないですね」
足柄「だってここまで残ってるんだもの、みんなに逃げ切ってほしいって思うのも無理ないわ!
でも私としては羽黒には逃げ切って欲しいかしら? もちろん、逃げきれなくってもこんなに長い時間頑張ったんだから労うつもりだけどね!」
ミカエル「僕はカトラリーかな。もしも逃げ切れるなら、お祝いに3曲くらい好きな曲を弾いてあげたいね」
イオノプシジウム「(以下省略)」
博多「まーた根本から略されとる」
柊「スマヌ……スマヌ……」
[10:13]
2階閉鎖まで、残り5分……。
陽介「ちくしょー、ギリギリまで2階に残ってやる……。早い者勝ちだったのは分かってるし、相棒が最後の1枚取れたのは嬉しいけどそれとこれとはやっぱ話が別って言うか……!」
悔しさが滲み出ている、陽介……。
陽介「あのヒントもらった以上、有利だったのはやっぱ俺なわけだろ? なんかこう……申し訳なさもあるっていうか!
いや結局ヒントを有効活用なんかできなかったけどさぁ、うぐぐ……」
どうにも割り切れないようだ……。
カトラリー「……そこまで考える必要はないんじゃないの」
陽介「うぉおっ!? あ、カトラリーくん」
カトラリー「驚きすぎ。
……あんなの、運でしかないでしょ。それに、キミ、声大きすぎ。さっきのヒント僕にも聞こえてたからね」
陽介「マジか……」
カトラリー「でも、そんなに気にしなくていいんじゃないの。日向正宗もそんなに気にしないでしょ。それでも気にするなら後で謝れば?」
陽介「カトラリーくん……へへ、ありがとうな!」
カトラリー「別に、うじうじしてて鬱陶しかったから……!」
陽介「へー?」ニヤニヤ
カトラリー「〜っ!! 声かけなきゃ良かったっ!!」
プンスカ怒るカトラリーと、それにごめんごめんと少し困ったように笑って謝る陽介……。
豊前「こうなりゃ、どっちにいても同じか……。あとは自分の脚を信じるしかねえよ」
そう言いながら警戒を怠らずに1階へ降りていく豊前……。
悠「……ハンターとも、逃走者ともすれ違わない。後者は仕方ないと分かっているんだが、何だか変な気分だな」
3階を歩く、悠……。
羽黒「もう一度、ゲームセンターに行きましょうか……。あ、あのゾンビのゲームは勘弁ですが! 他にも隠れられるようなゲームがありましたからそれに隠れようかと思います……」
怯えながらも、ゲームセンターを目指す羽黒……。
この5人のうち、誰かが……。
ハンター「……!」
ハンターに、見つかった……!
TARGET
【???】
[09:01]
残り5人
- Re: 逃走中1〜始まりはシンプル?に!〜 ( No.86 )
- 日時: 2023/03/23 20:26
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: 6AakIVRD)
ハンター「……!」
ハンターが見つけたのは……!?
TARGET
【Buzengou】
豊前「!! はんたぁ!!」
豊前だ……!
すぐさまハンターとは反対方向へ走り出す。少しずつ開く距離。一度階段を使って振り切ろうとし……何かにハッとして、別の角を曲がった。
それだけならばまだ振り切れたかもしれない。
ハンターA「……!」
豊前「しまっ……!」
ポンっ
[08:39]
豊前江 確保
残り 4人
豊前「っかー、逃げ切れんかった……! でも、寝覚めが悪くなるよりはマシだよな」
豊前が階段へ向かわなかった理由……それは……。
カトラリー「な、何か今音しなかった……!?」
陽介と分かれたカトラリーが、いた……。彼は豊前にもハンターにも気付かず、階段を使って下へ降りて行った……。
ピリリリ! ピリリリ!
悠「【確保情報 豊前江 確保
残り4人】
豊前さんが……」
羽黒「脚が速い人たちみんないなくなってしまいました……!」
●牢獄●
ラック「豊前江確保ー!」
「「「ああー……!」」」
ネリネ「とうとう豊前さんまで……!」
長谷部「俺たちの中では最も長く逃げたな……」
博多「すごかねー!」
海未「ええ、すごいと思います……!」
カトラリー「まさかさっきの音って……僕、危なかったんじゃ……!?
……後でお礼言った方がいいよね、多分、僕がいたから……」
ぽそりと呟くカトラリー。しかしすぐに首を横に振った。
カトラリー「くよくよしてたって仕方ないし今は考えてたら捕まっちゃう! その方がダメだし!」
そう言って彼は顔を上げる。
カトラリー「もう10分切ったんだから、逃げ切りも夢じゃないんだ……。ここで捕まりたくない!」
[07:57]
陽介「気が付きゃ、あと7分なのか……で、2階閉鎖も残り2分、と。
そろそろ降りとかないとな……もうこうなりゃ何としてでも逃げ切ってやる!」
頬を叩き、陽介は階段へ向かう。非常に幸いなことに、ハンターと会うこともなく彼は1階へ降りていく……。
2階には、ハンター以外の影はなくなった……!
[06:52]
羽黒「よ、ようやく着きました……!」
羽黒は4階のゲームセンターへ到着。周りを警戒しつつ、ある場所へ向かう。それはどこかきらめいた女性たちの顔写真が使われている、プリクラ機であった。その内の一台に入り、なるべく見つからないように隅の方へしゃがみ込んだ。
そこでようやく彼女はホッと息を吐く。反対側からは丸見えだとしても、見つけづらい場所だろう。
羽黒「残り6分はここに隠れます……。ハンターさんが来ませんように……」
羽黒は祈るように手を組んだ。
[05:46]
悠「時間が経つのが早かったような、遅かったような……。あと5分で、この逃走中も終わるんだな」
しみじみと口にする悠。彼は時折隠れたりはしているものの、移動は続けている。
悠「それと、2階も閉鎖されるのか。……陽介、逃げ切れるといいんだが……」
相棒をのことを考えながらも、まずは自分の逃走成功だ、と切り替える。
[05:05]
カトラリー「……あと5秒で、1階だけになる」
陽介「俺とカトラリーくんは圧倒的に不利だけどさ。やっぱ目指すのは、逃げ切ることだよな!」
[05:03]
[05:02]
[05:01]
[05:00]
2階 閉鎖
階段にすでに閉鎖された階と同じレーザーが出て、既存のハンターは1階へ、2階には新たなハンターが転送される……!
ピリリリ! ピリリリ!
悠「! 来たか!」
陽介「【2階を閉鎖した。2階に残っている逃走者はなし。
全逃走者が使えるエリアは1階のみとなった。通行証を持つ逃走者以外は、赤いレーザーに触れると強制失格となる。気を付けたまえ】
あと5分……! 3体はきっちぃけど、やってやる!」
カトラリー「もう、隠れてても見つかっちゃいそうだよね……かと言って、5分きっちり動き回るのも得策じゃないと思う。
だから、残り2分までは隠れて、あとは……」
羽黒「はわぁああ……あ、あと5分……! き、緊張がぁ……!」
それぞれが逃走成功を目指し、それぞれの行動を取る……。
カトラリー「隠れられそうな場所、隠れられそうな場所……!」
陽介「隠れる場所があれば、少しはやりやすくなるだろ」
通行証を持たないカトラリーと陽介、隠れる場所を探す……。だが!
カトラリー「ひゃっ……は、ハンターいるっ……」
陽介「うわぁあ……あの辺2体固まってる……! 挟み撃ちされたらやべえよな」
狭くなったエリアに、3体のハンターが闊歩する。2人は、思うように動けない!
悠「2階にも降りてみようか。こうして動き回ることで、少しでも離れられるかもしれない。まあ、その逆も充分あるんだが……。
……正直に話すと、動き回っていないとなんか落ち着かないんだ。緊張しているせい、なんだろうな」
悠が動き回っていたのは、緊張から落ち着かないせいだったようだ。
通行証を持っている2人も、決して安全圏にいるわけではない……!
[04:25]
陽介「うわぁ、動けねえ……!」
カトラリー「……かなり不安だけど、このマネキンが飾ってある台の近くにしゃがんでようかな。回り込めれば上手く回避できるかも……!」
ハンターC「……!」
ハンターが逃走者を発見! 見つかったのは……!
TARGET
【Youshuke Hanamura】
陽介「っげえ!? 待ってタンマタンマ!! 無理無理無理!!」
陽介が慌てながらすぐさまその場から逃げ出す。しかし……ついさっき陽介が言っていた言葉を、思い出そう……。
─────────────
陽介「うわぁあ……あの辺2体固まってる……! 挟み撃ちされたらやべえよな」
─────────────
つまり……そういうことだ……!
ハンターA「……!」
ハンターB「……!」
陽介「っぎゃー!! 2体どころじゃねえー!!!!!!」
ポンっ
[04:08]
花村陽介 確保
残り 3人
ピリリリ! ピリリリ!
カトラリー「ひゃっ……こ、この音、今は消したい……!」
消せない……。
悠「!! 陽介が……」
●牢獄●
ラック「花村陽介さん確保!」
ミク「ざ、残念……!」
イソップ「ですが、彼は1階のみでハンター3体と言う悪条件でしょう。無理もありませんよ」
ネリネ「むしろ、ここまで頑張ったんですから陽介さんすごいです!」
一歌「そうですね、私も、花村先輩がすごいと思います」
長谷部「残り3人か……ここで一気に全滅もまだあり得るから怖いところだ」
足柄「大丈夫よ! きっと3人とも逃げ切れるわ!」
クー・フーリン「そうだといいがねぇ」
博多「逃げ切れると良かね!」
次回、逃走中がついに終了!
結果は果たして……!?
[03:49]
残り3人
- Re: 逃走中1〜始まりはシンプル?に!〜 ( No.87 )
- 日時: 2023/03/25 00:25
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: t7y4Iwob)
●牢獄●
陽介「結局良いとこなしかぁ……」
ラック「何言ってるのさ、ここまで逃げたこと自体が『良いとこ』だよ!
……僕なんて本当の本当に良いところなかったんだからね?」
陽介「なんか……すんません」
足柄「なんか巻き込んじゃったのよね、ごめんなさい」
ラック「そこまで怒ってないですよ、気には……少し気にする程度でお願いします。
あと4分切りましたね……!」
ネリネ「皆さん頑張ってくださーい!」
ジョージ「fightー!」
1階のカトラリー、時折反対側の様子を見つつ、隠れ続ける……。
カトラリー「あっ、もしかすると……隅のほうがいいのかも」
そう言って体が台から見えないように移動するカトラリー。そこでもう一度膝を抱える。
カトラリー「こうした方が、あっちから来られた時すぐ回り込め……っ! 来た……!」
カトラリーがちょうど移動した反対方向から……。
ハンターA「……」
ハンターC「……」
2体のハンターが迫る……!
カトラリー「こっちに移動して……あとはもう、どっちもこっち側に来ないことを祈るしかないよ……。さすがに残り時間、3体相手に走り続けられないと思うから……」
カトラリーはそう言いながらも、いつでも逃げられる体勢を取っている。その表情は、逃走中開始時からは打って変わって真剣そのものだ。
ハンターA「……」
ハンターC「……」
カトラリー「……」
それぞれが別の方向へ歩いていく。上手く乗り切った……。
ふぅ、と一つ息を吐く。時計を見れば、残り3分を切るところだった。
カトラリー「あともう少し……!」
[02:59]
悠「今までも緊張はしていたが……ここまで来ると体が強張ってくるくらいだな」
1つ冷や汗を垂らす、悠。
悠「菜々子と叔父さん、待っていてくれ……必ず、賞金をゲットしてみせる」
やはり、そこは変わらない……。
●牢獄●
ジョージ「そうだ! 10秒になったらカウントダウンしようぜ!」
ネリネ「あっ! 私やりたいです!」
豊前「いいぜ、やろう」
イソップ「……僕は遠慮し」
ミク「イソップくんもやろっ♪」
イソップ「……テンションは上げられませんからね」
イオノプシジウム「本来ならば苦手とすることをステキかつ悪意の全くない笑顔でお願いされたら断れないのっていいですよねそれが愛し合っている2人だとお願いされた人は満更でもないんですよそれが良いそれが愛」
海未「イオノプシジウムさん……」
赤兎馬「彼女は最初から最後までぶれませんでしたね」
雫「でも、それってすごいことですよね……!」
海未「すごい……のでしょうか?」
長谷部「ブレないことがすごい時とすごくない時はある」
一歌「な、なるほど……」
[02:23]
羽黒「もう2分半も切りました……お願い、ハンターさん来ないでくださいっ……!」
プリクラ機の中で祈る、羽黒……。彼女の願いは、通じるのか……!?
羽黒のいるゲームセンターの近く。
ハンターD「……」
ハンターが、ゲームセンターへと入っていく……! 少しずつ羽黒のいるプリクラコーナーへと、ハンターが近づいている。
羽黒「お願いっ……!」
ハンターD「……」
ハンターD「……」
ハンターは、素通りしていった……。羽黒の願いは届いたようだ。
[02:06]
悠「あともう少し……」
カトラリー「もう少しで……終わる……! よしっ」
カトラリーが立ち上がり、ある場所へ向かい始める。
だが……黒い影は、容赦なく迫り来る!
ハンター「……!」
ハンターが、逃走者を発見! 見つかったのは……。
TARGET
【Yu Narukami】
悠「っ!? 来た……!」
悠が走り出す。1人である以上、周りはある程度気にせずに走ることができる。
時にはまっすぐ、時には曲がり角を利用してハンターを撒こうとするものの……。
ハンターF「……!」
悠「くっ……なかなか、しつこいな……!」
振り切れない……!
悠「はぁ、はぁ、はぁ……っ! か、階段、に……!」
階段を目にしてそちらへ走る。だが、息を切らせた悠の逃走劇は、
ポンっ
ここまでだ……!
[01:23]
鳴上悠 確保
残り 2人
悠「はぁっ、はぁっ、はぁっ……あと、もう少しだったのに……。悔しい、な……」
自称特別捜査隊リーダー、惜しくも散る……!
●牢獄●
陽介「あああああ! な、鳴上悠、確保ー!」
「「「ああ〜っ!!」」」
陽介「惜しかったぜ相棒ー!!」
ラック「残ってるのは……」
ジョージ「カトラリーと」
足柄「羽黒ね! 頑張ってー! 羽黒ー!!」
博多「カトラリーしゃんも気張りー!!」
羽黒「あ、と、1分……! 1分なら、見つかってしまっても逃げ切って見せます!」
カトラリー「よし、残り1分はここで……!」
ラック「あれっ、カトラリーさん!?」
ネリネ「ど、どうして入り口広場に!?」
ミカエル「カトラリー……」
カトラリー「ここなら見通しがいいでしょ。その分こっちも見つかりやすいけど、ここなら3体相手でも逃げやすいはずだよ」
[01:00]
ゲーム終了まで、残り1分
ラック「あっ、あと1分です!」
ジョージ「カトラリー、fightー!!」
クー・フーリン「頑張れよ子猫ー!」
カトラリー「子猫じゃないっ!!」
ミカエル「……確かにカトラリーは子猫みたいかもしれないね」
カトラリー「ミカエルが言うならそうかも……」
クー・フーリン「こんにゃろ」
足柄「羽黒はここにいないけど、私は羽黒を応援するからね! 羽黒ー!! もう少しよー!!」
ネリネ「頑張ってください羽黒さーん!」
羽黒「なんだか、足柄姉さんたちの応援が聞こえる気がします……。あともう少し、頑張りますっ」
イオノプシジウム「離れていても通じている姉妹愛っ!!!!!!!!!!」
ラック「仮にそうだとしてなんで受信できてるんですか???」
長谷部「イオノプシジウムだからだ」
ラック「そっかぁ(諦観)」
[00:24]
カトラリー「もう少し、もう少し……!」
羽黒「あと少し、少しです……!」
ハンターB「……!」
TARGET
【Cutlery】
ジョージ「!! No、ハンター来てる!!」
カトラリー「1体なら……逃げてみせる!」
走り出すカトラリー。上手いこと距離を取り続ける!
[00:10]
ラック「10秒です!」
ジョージ「カウントダウン、start!」
「「「10! 9! 8!」」」
ハンターA「……!」
カトラリー「もう1体……でも、やれる!」
「「「7! 6! 5!」」」
カトラリーは距離を詰められても、できる限り距離を取り続ける。2体相手でも、決して慌てない。
ミカエル「……カトラリー」
「「「4! 3! 2! 1!」」」
[00:00]
ゲーム終了
カトラリー、羽黒 逃走成功
賞金108万円 獲得
カトラリー「止ま、った……? もしか、して……!」
羽黒「! タイマー、ゼロになりました……やった……やったぁ〜っ!!」
ラック「メールですね。【カトラリー、羽黒 逃走成功
カトラリー、羽黒は賞金108万円獲得となった】!!」
「「「いえーい!!」」」
ジョージ「すごいぜカトラリー!」
陽介「最後の最後に2体相手に逃げ切るのはもうスゴすぎるって!」
カトラリー「ふ、ふふっ、あ、当たり前、でしょっ!」
そう言うカトラリーだが、その顔は非常に愛らしい満面の笑顔を見せている。
ミカエル「カトラリー、すごかったね。……後で、お祝いしてあげよう。ピアノ、好きな曲を5曲くらい選んでおいてくれるかい?」
カトラリー「! ほ、ほんと!? 5曲もいいの!? 嬉しい!」
イオノプシジウム「()」
ラック「興奮しすぎて声も心の声も消失してる!?」
海未「いいえ違いますラックさん! 興奮で今までにない早口でむしろ聞こえていないんです!」
ラック「あっほんとだ口だけめちゃくちゃ早く動いてる!? 怖いっ!!」
雫「す、すごいわ……!」
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
羽黒「も、戻りましたぁ!」
足柄「羽黒ーっ!!」
羽黒「きゃっ!?」
柊に懇願して一度だけ牢獄から出してもらっていた足柄が羽黒に抱きつく。頑張ったわね、頑張ったわね、と言いながら頭を撫でている。
羽黒「ね、姉さん」
足柄「羽黒すごいわ! 元々自慢の妹だけど、もっと自慢の妹になっちゃった!」
羽黒「! え、えへへ……」
足柄「これ帰ったら妙高姉さんと那智姉さんにも教えましょ! きっと2人も褒めてくれるわ!」
羽黒「そう、ですね……。ふふっ」
イオノプシジウム「眩いほどの姉妹愛素晴らしい素晴らしすぎますもう尊すぎます拝み倒していいですか拝み倒しますねこの世に足柄さんと羽黒さんという姉妹を産み落としてくださった全てに感謝あっところでもしかしてなんですけどこれ帰ったらさらに姉妹愛展開されますか見に行きたいですが妄想だけで自重しておきますねありがとうございます逃走成功おめでとうございます羽黒さん」
羽黒「は、はい……(汗)」
ラック「2人とも、賞金は何に使いますか?」
カトラリー「僕はそうだなぁ……まずは美味しいもの食べに行くよ! あとは……あ。少し撤回! 先に……みんなに、ここのタイヤキ買って行かなきゃね!
それから、ミカエルにピアノ買ってあげるよ!」
ミカエル「おや、それは嬉しいね」
羽黒「私は、姉妹で食事したり、旅行したりしたいです! あの、司令官さん、少しお暇をいただくことになっちゃいますけど、大丈夫でしょうか……?」
柊「全然オッケー!!」
羽黒「あ、ありがとうございます!」
足柄「たまには姉妹でのんびりするのもありよね!」
柊「ふふ、どっちも嬉しそうでなにより。さあ、締めてくれる?」
カトラリー「もちろん」
カトラリー「108万円、獲ったよ!」
羽黒「ひゃ、108万円、獲りました!」
パチパチパチパチ……!
柊「さてと、一旦本部戻るかぁ。
あっ、3時間後にこの場所で打ち上げするから来てね! 誰か呼んでもいいよー」
海未「で、では、穂乃果たちを呼んでもいいんでしょうか?」
柊「もちろん! じゃ、あとでねー!」
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
この後、少し分けます。
- Re: 逃走中1〜始まりはシンプル?に!〜 ( No.88 )
- 日時: 2023/03/25 00:55
- 名前: 柊 ◆K1DQe5BZx. (ID: t7y4Iwob)
※匂わせる程度の『毒親成分』注意
運営本部。そこでは今回のゲームを保存している途中のモニターの他にもう1つモニターがあり、全員が少し神妙な顔でそれを見ていた。
柊「ただいまー、今回のゲーム、無事保存できた?」
陸奥守「おお、主。保存途中やき」
柊「ありがとう、最後まで任せてごめんね。……ところでそのモニター、次回招待のリストだよね? 招待状、直接渡しに行くメンバー以外にはもう届いたの?」
織田「んー、届いたし、何やったらもう何人かはすでに参加承諾って来てるで。せやけど……」
ブラウン「……『マスターの本命』が、参加拒否だ」
柊「……今?」
ミルク「1分ほど前に、参加拒否と出ました。ですが、おそらく自身の意思では『ありません』」
柊「……チッ、やっぱか」
柊の声が少しだけ低くなる。本命とされる『彼女』。彼女は今回参加した雫と同い年で、同じ弓道部の少女だ。参加拒否、だけならここまで苛立たない。
が、本来ならば今日は弓道部は練習がある。雫は休んでいるが、その彼女は「じゃあその日は会えないんだね」と言っていたと言う。この言い方から、彼女はほぼ参加するのだろう。そして……今はその練習中。『自宅』に届く招待状を目にすることすらできないはずだ。できて、なおかつ参加拒否ができるのは……。
だからこそ、柊は苛立った。参加拒否を出したであろう人物の、『非常識さ』に。
何せ、招待状は封筒に入れ、名前も書いてあり、きちんと蝋封もしてある。もしも本人でないならば……子どもでも分かりそうな簡単な答えにため息を吐く。
柊「ただ、参加拒否されたなら仕方ない。……2つ目の手段、取るか」
陸奥守「2つ目?」
柊「うん。正直こっちの方が成功率は高いね。『娘想いな母親』から見ても悪くないどころか『娘のためになる』話だから。
本人が拒否したなら、こっちも拒否するはずだ」
ブラウン「……なるほどな」
ミルク「ですが、今回の招待状で警戒されてしまったのでは? いくらメリットがあっても食いついてくるでしょうか?」
柊「まあその可能性もなくはないけど、今回参加してくれた雫ちゃんに託すから問題はないよ。
……次回、逃走者じゃないとは言え、『彼』が参加承諾してくれて良かった」
柊が見た名前の彼は、わりと彼女との共通点が多い。少し申し訳ないが彼のこともさりげなく伝えておけば、さらに成功率は上がるはずだ。
彼女のことが推しとは言え、1人にここまで贔屓のようなことをするのはゲームマスターとしては失格だと、自覚はしている。それでも。
ほんの少しでも、心落ち着ける場所を提供してあげたい。
柊「……キミを救うのは、私じゃない。私じゃ、できないからね」
唯一赤くなっている名前……『朝比奈まふゆ』の名前を少しだけなぞって、目を瞑った。
次回、打ち上げ。
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