僕は悠久の向こうに 作者/琉世 ◆GbvohmL8bU

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僕こと林田優介(はやしだ ゆうすけ)の妖怪好きは学校でも有名で、怪しい奴だと思われてか、誰も僕には近付かなかった。だが、幼馴染の中井智愛(なかい ちえ)だけは僕に話しかけてきた。
智愛は妖怪には興味が無いようだけど、僕の話を楽しそうに聞く。
智愛は「妖怪のことは、あたしには全然わかんないけど、優介は幽霊の話をしてるときが一番楽しそうだよ」と笑って言うのだ。
智愛は、こんな僕にくっついてるのが可笑しな位可愛いし、頭も良いし、なにより優しくて明るい子だ。
前に、「何で僕なんかと一緒にいんの?」と聞いたことがある
「分からないんだね? 優介は少し変わってるけど、本当は良い人なんだよ」
とにやにや笑って答えた。
とにかく、智愛はいつも僕に引っ付いているのだ。
小さいときからずっとこんなで、僕は『幽霊好きの怪しい奴』智愛は『可愛いのに変な男にくっついてるおかしな奴』と回りに認識されているのだ。
結局、高校生になっても僕等は何も変わらずに、平穏な日常を過ごしていると思う。よく分かんないけど。

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