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作者: モンブラン博士 (総ページ数: 198ページ)
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吹き飛ばされた僕は、素早く空中回転して、マットへ着地します。
「アハハハハ!どうやら思った以上に手ごわそうだね。じゃあ、僕もウラヌスやサターンと同じように、オーバーボディを脱ぐことにするよ」
すると彼の体がはじけ飛び、どうやってその元の小さな体に収納されていたのかと思うほどの巨漢が姿を現しました。
身長は2メートル50センチ以上、体重300キロ越えの、桁外れの巨体に鋼のような筋肉を持つ彼は、僕を金色の瞳で見つめますと、笑い出しました。
「私は銀河太陽系8神のひとーり!音楽でも語られている木星神、ジュピター!!」
まるでライオンの吠え声のように巨大な声に僕は圧倒されてしまいました。
「貴様との対決はオーバーボディを脱いで、直々に相手をしてやろう。
光栄に思うがいい、ラグとやらよ!」
彼は僕にタックルを敢行し、ロープ際まで追い詰めると、その巨大な足でキングコングキックを炸裂させます。
その蹴りを右肩にくらってしまい、肩からバチバチと電気が放出されました。
おそらく、大ダメージを受けて、ショートしてしまったのでしょう。
「どうした、ラグ。スター会長の最高傑作とやらはこれほど弱いのか?
まるで塵のような弱さだ!!」
彼はふらつく僕にひじ打ちを浴びせ、左肩にダメージを負わせます。
「それどうした、もっとどんどんいかせてもらうぞ〜!」
まるでダンプカーのように重みのあるタックルとひじ打ち、蹴り、パンチの雨あられに、僕はガードすることしかできません。
敵の攻撃の威力が、僕の予想の遥か上をいっていたため、対処できないのです。
ですが、このまま、ずっとやられっぱなしでは、ご主人様が悲しむでしょう。なんとか彼を倒す作戦を考えないと…
「さっさと冥途へ行くがいい!」
彼が放ってきたパンチをスライディングで避けると同時に、敵の足を両手でつかみ、バランスを崩すことに成功。
それをチャンスとばかりに、僕は一気に攻めたてます。
背後からローキックを敵のレバーめがけて放ちますが、敵は笑い声をあげるばかりで、ちっともダメージを負っていません。
「お前の攻撃など、私の鋼の如き筋肉の前では無意味なのだ!!」
僕は彼の強烈なラリアートで吹き飛ばされたところをロープワークを使って、強襲のドロップキックを放ちますが、軽く筋肉の壁に弾き返されてしまいます。
まるで重戦車のようなあまりのド迫力パワーを持つ相手に、僕はわずかながら恐怖を感じてきました。
「ラーグ!お前はこの私に恐怖を感じているようだな。その青ざめた顔、潤んだ瞳を見れば、お前が私を恐れていることは明白だーッ!」
彼の膝蹴りを受け、僕はこの試合で初めてのダウンをしてしまいました。
この怪物的強さを誇る相手に、僕が勝利できる術は果たしてあるのでしょうか?
※ジュピターの声のイメージは『パイレーツオブカリビアン』のバルボッサの声で有名な壤晴彦さんです。