完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

マジカルスイーツショップ【完結!】
作者: モンブラン博士  (総ページ数: 198ページ)
関連タグ:
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~ 110~ 120~ 130~ 140~ 150~ 160~ 170~ 180~ 190~

*188*

「それもそうだね。じゃあ、早速始めようか」

カーン!

試合開始のゴングが鳴る。

「カイザーさん、後輩として、ここはわたくしが先に行きます」

「うん。いい心がけだね。わざわざきみの方から殺されに来るなんて、驚いたよ」

セラロとマールスは、リング中央で対峙する。

彼女は、敵の実力を測るために彼の周囲をグルグル回り始めた。

「きみはバカだね。そんなことをそしても、体力を消耗するだけだよ」

「いえ、そんなことありませんよ!」

不意に彼女は飛び上がり、彼にドロップキックを浴びせた。

その衝撃に、彼の足が思わずよろめく。

「なるほど…そうきたか。面白い」

彼は顎に手を当てて、感心した表情を作る。

けれど、それが偽りであることは、私の目には明白だ。

「セラロ、そろそろオーバーボディを脱いだらどうだ?」

「そんなことをしたら、きみたちが勝てなくなって試合がつまらなくなるじゃないか。僕はきみたちがどこまで頑張るのかを見てみたいんだ」

「お前らしいな、セラロ」

「どうしたしまして。ところで、マールス。きみはどうして僕たちを裏切ったんだい?きみだって最初は僕たちの考えに賛成していたじゃないか」

「確かに最初はそうでした。ですが、地球人であるフロイさんと語り合ってわかったんです。この星に暮らしている人の中にも、優しい人はたくさんいるんだなって」

「ふうん、簡単に言えば、感化されたんだね。きみほどの神が感化されるだなんて、本当に悲しいよ」

「そんなものじゃありません!」

彼女は彼にパイルドライバーをかけるが、彼は両手で巧みに急所を外した後、彼女を蹴りで空中に飛ばし、自分もそれを追いかける。

「じゃあ、なんだっていうのかな?」

「地球人の優しさに感動したんです!」

「きみは神様としての誇りを失ったんだね。だけど、僕たちはそうならないよ。残念だったね!」

彼は彼女に回転蹴りをお見舞いし、マットへ叩き落とした。

「これがこれから待ち受ける、きみたちの運命だよ!」

「そうはいきませんわ。地球のために、わたくしたちは、あなた方に勝ちます!」

187 < 188 > 189