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作者: モンブラン博士 (総ページ数: 198ページ)
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「それもそうだね。じゃあ、早速始めようか」
カーン!
試合開始のゴングが鳴る。
「カイザーさん、後輩として、ここはわたくしが先に行きます」
「うん。いい心がけだね。わざわざきみの方から殺されに来るなんて、驚いたよ」
セラロとマールスは、リング中央で対峙する。
彼女は、敵の実力を測るために彼の周囲をグルグル回り始めた。
「きみはバカだね。そんなことをそしても、体力を消耗するだけだよ」
「いえ、そんなことありませんよ!」
不意に彼女は飛び上がり、彼にドロップキックを浴びせた。
その衝撃に、彼の足が思わずよろめく。
「なるほど…そうきたか。面白い」
彼は顎に手を当てて、感心した表情を作る。
けれど、それが偽りであることは、私の目には明白だ。
「セラロ、そろそろオーバーボディを脱いだらどうだ?」
「そんなことをしたら、きみたちが勝てなくなって試合がつまらなくなるじゃないか。僕はきみたちがどこまで頑張るのかを見てみたいんだ」
「お前らしいな、セラロ」
「どうしたしまして。ところで、マールス。きみはどうして僕たちを裏切ったんだい?きみだって最初は僕たちの考えに賛成していたじゃないか」
「確かに最初はそうでした。ですが、地球人であるフロイさんと語り合ってわかったんです。この星に暮らしている人の中にも、優しい人はたくさんいるんだなって」
「ふうん、簡単に言えば、感化されたんだね。きみほどの神が感化されるだなんて、本当に悲しいよ」
「そんなものじゃありません!」
彼女は彼にパイルドライバーをかけるが、彼は両手で巧みに急所を外した後、彼女を蹴りで空中に飛ばし、自分もそれを追いかける。
「じゃあ、なんだっていうのかな?」
「地球人の優しさに感動したんです!」
「きみは神様としての誇りを失ったんだね。だけど、僕たちはそうならないよ。残念だったね!」
彼は彼女に回転蹴りをお見舞いし、マットへ叩き落とした。
「これがこれから待ち受ける、きみたちの運命だよ!」
「そうはいきませんわ。地球のために、わたくしたちは、あなた方に勝ちます!」