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マジカルスイーツショップ【完結!】
作者: モンブラン博士  (総ページ数: 198ページ)
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木星神が敗れ、続くアシュランくんと海王星神の試合は圧倒的実力差で海王星神の勝利に終わった。

これで残る銀河太陽系8神は2人

私は新しく味方加わったマールスとタッグを組み、残りの2人と対戦することになった(この結果に癇癪を起したコスモマンは宇宙へ帰って行った)。

試合当日、超満員の東京ドームで彼らふたりは待ち受けていた。

それにしても銀河太陽系8神の中でも最強の2人が相手とは…

私はリングに上がるなり、大声で彼らに宣言した。

「金星神と海王星神よ、お前たちとは闘いたくなかった…どうしても、闘わなければならないのか…」

「カイザー。僕たちは、地球を銀河に誇れる星にしたいだけなんだ。もっとも多少の犠牲はつくけれども、それで太陽系の評価が上がるなら、それに越したことはないし、その前に人間たちは傲慢になりすぎた。そろそろ、神として裁きを下さないといけなくなっちゃったからね」

金星神は少し高い声で淡々と語る。

「僕が興味深いのはね、きみがどうしてこんな短命で傲慢な地球人なんかを己の命を懸けて守りたのかということだよ」

「…簡単なことだ。不老の我々と違い、人間の命は短く、そしてはかない。だが、その中でも懸命に生き、次の世代へと希望をつなげていく、その生き方に感動したからだよ。人間をまだまだ見捨てるのは早い。これは、2000年以上もの間、地球人の成長をこの星で見守ってきた私だから言えることだ。お前たちは、自分たちの星で表面ばかりを眺めているだけだ。地上に降りて、人類の素晴らしさを肌で体感してみるんだ」

「何を言うかと思えば、そんなこと?僕たちはこれでも、地球人のことは知っているつもりだよ。確かにきみの言うとおり、素晴らしい生き方をしている人間もたくさんいるよね。けれど、愚かな人間もたくさんいるんだ。きみが見てきたのは、ごく1部の優れたエリートだけさ。結局、きみたちは地球を守るとか言っておきながら、本当は自分たちの力を地球人に見せびらかしたいだけなんだよ」

「そんなことはない!私たちはただ人類を守りたいだけだ!!」

「…きみたちが守りたいのは、ごく少数の限られたスーパーエリートの少年少女だけさ。きみたちの会長のスターは、過去現在未来を行き来できるその能力を駆使して、古今東西からスーパーエリートだけを調べ上げて、選出して、レスリングジムに招き入れている。違う?」

「…確かにそうかもしれん。だが、それにはわけがある。真に優秀な人材を育て鍛え上げれば、将来地球の未来を背負っていける立派な大人になれるからだ!」

「はたしてそうだろうか、無事に大人になれるかな?
あのショタコンでロリコンの会長がそんなことさせると思う?」

「ぐっ…!」

「あの会長が好きなのは、真に優れたスーパーエリートだけ。その他は無関心なのさ」

するとそのとき、今まで黙っていたマールスが口を開いた。

「言葉はそれ以上いりません。試合で決着をつけましょう」

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