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作者: モンブラン博士 (総ページ数: 198ページ)
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*186*
彼はゆっくりと立ち上がってきました。
「フフフ…言うではないか、フレンチ。お前はこの私を倒せるというのか?」
「はい。もちろんです」
「神に向かって生意気な口を聞くな、小僧!」
彼は僕にドロップキックを繰り出します。超重量級なため、その威力はけた桁違いで、僕は一気にコーナーポストまで吹き飛ばされてしまいます。
「もう一度言ってみるがいい。この私を倒すだと?冗談もほどほどにしたらどうだ、小僧。お前のような下等生物が、この私を倒すことなどできぬのだ!」
彼は倒れた僕に、何度もストンピングを浴びせます。彼の蹴りを食らううちに僕の口からは血が流れ、うめき声が口から出てきます。
「もっとその声を聞かせろ!私は音楽を愛する。だが、私が最も愛する音楽は…」
彼はそこで僕を掴み、上空へ放り投げ、自身も後を追うように飛び上がると、僕の両足の裏に自身の両足を乗せました。
「断末魔のソプラノ、うめき声のアルトだーッ!仲間の技を食らい、あの世へ行くがいい、フレンチ=トースト!『ジャドウ=ドライバー』!」
彼は僕にジャドウさんの得意技をかけ、一気に倒すつもりです。
ですが、僕はこの技の破り方だけでなく、相手へ逆にダメージを与える方法を知っているのです。
その方法とは…
「8×8=64!」
ジャドウ=ドライバーは上から見ても下から見ても同じ形をしています。
ですから体勢を逆転させれば、相手に逆に技をかけることができるのですが、僕はそのさらに高等の返し方。何度も何度も体勢をグルグルとめまぐるしく変えることによって威力を倍加し、最終的に通常の64倍のパワーで敵にジャドウドライバーを炸裂させました。
「グオオッ!」
彼はうめき声をあげ、一瞬倒れ伏しますが、64倍の威力を持つジャドウ=ドライバーを食らっても、まだ立ち上がって攻撃の構えをとります。
驚異的なスタミナです。ですが、僕もスタミナには相当の自信があります。
そこで、彼にこんな提案をしてみることにしました。
「どうでしょう?今からそれぞれ交互に一方的に攻撃し続けて、食らうほうは無防備でそれに応じ、スタミナの強さを競うというのは?」
「なるほど、それも一興だ。面白い、では、こちらから行かせてもらうぞ!」
彼は僕を殴りまくり、蹴りまくり、パワー技を次々にかけてきます。
僕がぼろ雑巾のようになり、倒れて動けなくなったのを見て、彼は大笑いを始めました。
「ハハハハハ!どうだ、これがこの私、ジュピターの力!これが神とお前たち下等生物の差だ!たとえどんなにがんばろうが、人間は神を越えられぬ!お前たち人間は他の生き物を粗末にしすぎた。お前たちにあるのは、絶滅の運命のみ!!」
「いえ…案外そうでもないですよ、ジュピターさん…」
僕は満身創痍になりながらも、なんとか立ち上がり、彼の手を握り、必殺技を発動させました。
「『リバース=キル』!」
僕は敵から受けたダメージを体内に蓄積し、それを掌で10倍にして返す能力を持っているのです。
僕の今まで受けたダメージが敵に返しはじめたとたん、全身から傷の痛みが引いてきました。ダメージを送り返すと、僕の受けたダメージは自然に回復するようになっているのです。
「ぐおああああああああああああ!な…なんだ、この全身が破裂しそうなほど激しい痛みはああああああああああ〜!!」
「これが、僕の至高の返し技です!」
「こ…この私が、貴様ごとき、下等生物に…敗れるとはああああああ〜!!」
敵は断末魔とともに完全失神し、僕の逆転勝利が決まりました。