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作者: モンブラン博士 (総ページ数: 198ページ)
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*195*
「じゃあ、遠慮なくいかせてもらうよ!」
彼は私にアッパーを炸裂させ、続いてやしの実割り、アトミックドロップを見舞う。
「これか始まるのは、きみにとって地獄そのものだろうね。『ウィンドミラー=苛烈爆裂隕石制覇拳』!」
彼は王李の新必殺技で私の腹を抉り、
「お次はこれだよ。『ウィンドミラー=ブランデンブルクの赤い噴水』!」
フロイの得意技で胸元を裂く。
「まさか…」
「僕はきみの味方の技だけが使えるわけじゃないよ。『ウィンドミラー=冥王星の拳』!」
私のラルスの技で凍らせると、不敵な笑みを浮かべる。
「反則的な能力だな」
「なんと言われようと、勝負の世界は勝てば良いのさ!勝者は正義で敗者は生きる価値は無い!」
エルボーを放ち、
「きみも満身創痍。そろそろフィナーレ、だね」
奴は私をネプチューンの怪力で放り投げると、両肩の肩当の龍の飾りの口が開き、噛みつく。
激痛が走るが、奴は次々に体の各部位を噛み続ける。
鮮血が流れ、体は奴に噛み千切られるが、私は勝負を捨てない。
渾身の力を込めて外すが、奴は浮遊しながら、笑う。
「甘いね。今までのはほんの序章。僕の大技はここからさ。必殺『ジュピター=ビーム』!」
両肩から凄まじい威力の緑の光線が放たれ、私の腹を貫いた。
☆
気が付くと、見知らぬ空間にいた。
あたり一面が真っ白な空間だ。
ここは、一体…?
すると、背後から聞き覚えのある声がした。
「フフフフ…カイザーよ。お前もとうとうここに来てしまったか」
振り向くと、わが友ジャドウがいた。
「ジャドウ、ここはどこなのか、地獄、それとも天国か?」
その問いかけに奴は不敵に笑い、
「そのどちらでもない。ここは天国と地獄の境目の空間、グレーゾーンだ。
お前は今、奴の技を食らい、生死の境目を彷徨っている。ひとつアドバイスをしようと思って、魂をここの世界に呼び寄せたというわけさ…」
「ジャドウ、私に足りないものはなんだ?」
「悪の心だよ。お前は昔は情け容赦のない戦士だった。だが、どうやら地球で暮らすうちに、その容赦のなさを失ってしまったようだな…今こそそれを取り戻し、圧倒的パワーで敵を倒せ」
「しかし…」
「問答無用。俺のアドバイスは以上だ。蘇るがいい、カイザーよ!」
その刹那、彼は私を突き飛ばした。
☆
「さようなら、永遠にね…」
私は蘇った。奴は決め台詞を口にして、悠々とリングを去ろうとする。
「戻ってきたぞ!」
奴は私が立ち上がってきたことに驚愕する。
「ぬうん!!」
私は右腕の氷を蒸発させ、拳の一撃で巨大な十字架を粉砕した。
「今こそ、覚醒した私の怒りを食らうがいい!」