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作者: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (総ページ数: 80ページ)
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「× × × さん!デーリッチはあの人達と話がしたいでち!時間稼ぎお願いしていい?」
「話が通じるような奴等かよ!」
「………信じたいんでち!たくっちスノーの大事な仲間を!」
「ちっ、勝手にしろ!」
デーリッチはパンドラを掲げ、監理局の方を見る
「ねぇ、そこの!」
【ハグレ王国……!?バカな、あのゲームの名簿にはなかったはず!】
「こっそり参加させてもらったんでち、先に言っておくと最後の最後で正式な段階を踏んで参加してるでち」
【………何をしに来た!邪魔をしに来たのか!】
「監理局の邪魔をしたいなんて考えたこともないでち、嫌がらせする理由もない」
「ただ………監理局に用件はあった」
デーリッチはキーオブパンドラを雪に突き刺し魔法陣を描きながら詠唱のように語る
「王の話をしよう」
「その王は幼く、名もなく、形も無く、生まれてきたことに意味もなく」
「ただ何かを求めて足を運んだ」
「王は何かを求めるため、世界を求め、時空を求め、定義上の悪になった」
「その身が砕けようとその魂は尽きず………いつしか、新たな王と手を重ねて」
「名無しの王は、本物の王になった」
【…………】
「たくっちスノーは確かにどうしようもないヤツだったかもしれない、実際………昔の彼はデーリッチから見てとても擁護出来るような人物には見えなかったでち」
「でも彼は変わったでち、王国を作り監理局を束ね………変わってくれたでち」
「まぁそこはデーリッチに影響受けてるから当然だけどね?」
「………と、冗談は別として」
「たくっちスノーは善人でもあったし悪人でもあった、だからこそ誰よりも他人を敬っていたし、己のようにならぬようにと誰よりも気遣って、尊敬して、愛していた」
「代理局長という肩書きを捨てられても、デーリッチ達ハグレ王国が名無しの怪物諸共監理局を滅ぼしても」
「たくっちスノーはもう一度時空監理局を作り直した」
「それは………人知れず事件を止め、陰ながら誰かを守れる【表向きの時空監理局】が必要で、大好きだったからでち」
「再びかつての自分や父親のような時空犯罪者が現れないために………」
「そんなことは、君にとってはどうでもいいことだろう、だが私にとってはそうもいかない」
「教えてくれないでち?どうして………たくっちスノーを裏切った?」