完結小説図書館
<< 小説一覧に戻る
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
*17*
「っぷはあーーー!!」
やっと着いたと大喜びするナツ。
だがまだまだ道のりは遠い。
「おいおい、ナツ。喜んでるけど次は馬車を借りるぞ。」
「…………へ?ちょ、聞いてねえし!!」
聞いてない、正確には聞ける容態ではない。
再度ナツは頭を抱え嫌だと叫びだした。
そしてグレイの指差す方向は。
「あ、馬車屋はアソコな。」
「地獄が近ぇよおおおお!!!」
コスモスの町の賑わいに、一人の男の叫び声があがった。
―がたんがたんと揺れる馬車。
今度はグレイが膝枕をしていた。
時おり頭を撫でてやるが、マトモにはならなそうだ。
「…はぁ…。」
本当にコイツはバカだ、と思う。
こんなに辛いのに、ついてきて。
エルザの一言が頭をよぎった。
それほど仲間についてゆきたかったのだろうな。
「―――――っ…。」
一瞬、涙腺がゆるんだ。
泣いてないが、目頭が熱くなる。
眠るフリをして、馬車の時を過ごした。
「ついた…かぁ…??」
ナツはもうぐったりしている。
その様子をグレイは哀れみの笑みを浮かべた。
「次は山登るから、乗り物はしばらくは乗らねぇよ。
エルザ、馬を連れて行くぞ。」
「ね、ねぇ?この格好でも大丈夫かしら?」
ルーシィの服装はいつものタンクトップのような服装だ。
少し悩むがグレイはまぁ大丈夫だという。
「虫が多いだけだよ。」
「駄目じゃないのよおおおおお!!」
ルーシィは泣きながら山の中に入った。
「さて…と、馬も疲れてるし、ここらで野宿だな。」
「虫除け買ってくるんだった〜」
PR