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フェアリーテイル ―雪国の氷―  完結
作者: ハヤチ  (総ページ数: 65ページ)
関連タグ: FAIRYTAIL グレイ・フルバスター 二次創作 微グロ 
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*18*

ルーシィの泣き言に苦笑し、造型魔法でテントを造る。
エルザは持ってきたシートや布団を用意し、食材をだした。

「火はナツがいるから良いわね〜。」
「ああ、それにグレイもいるしな。造型魔導士がいると融通がきく。」

そうか?とナツとグレイは顔を見合わす。
そうして、少し楽しげな食事の時間は過ぎていった。




「はぁっ…。はぁっ…!!!」

ああ、またこの夢だ。

「やだ、やだよぉ…!!」

連続再生されている夢だ。

「誰か、誰か…!!」

もう、昔なのに。
誰も、俺の手なんて掴んでくれないのに。

「――安心しろ…。」

え?
いつもならここで終わる、のに。

「俺らがついてる!!!」

…ナツの声…?
安心できる、ナツの声…。



グレイは目を覚ます。
いつもなら痛みがあったが、今回は全く無かった。
隣を見ると、グレイの手を握って寝ているナツ。
寝ているナツの顔は、いつもより幼く見えた。

「…心配してくれたのかな…?」

ああ、我ながら自分らしくない、と自嘲気味に笑う。
外を氷越しに見る。
まだまだ朝は明けそうにもない。

(いつも、なら。)

夜を見れば、グレイはどうしようもない恐怖に駆られていた。
だが、隣に仲間という温もりがあるだけで。

(こんなにも、怖くないのか。)

グレイはもう片手で、ナツの手を握る。
そして一言呟いて、眠りに落ちた。


「たとえば、永遠に目が覚めなくても、お前は助けてくれるだろ?」

ああ、らしくない。



一話・終

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