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フェアリーテイル ―雪国の氷―  完結
作者: ハヤチ  (総ページ数: 65ページ)
関連タグ: FAIRYTAIL グレイ・フルバスター 二次創作 微グロ 
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三話「病と恐怖」


「おお、もうお帰りに…。気をつけてくだされ、この山は最近治らない病が流行っている…。」

長老と思しき者が忌々しく忠告した。
そして、ナツ達は村を出て行った。




エルザはグレイの頬を軽く叩く。
それと同時にグレイは自力で立った。

「…悪い、何かここに来てから俺、倒れてばっかだなぁ。」
「貧弱だからじゃね?」

何処までも喧嘩を売るナツにグレイはキれる。

「一部はお前のせいだからな!!」
「まだ魔力不足のこと怒ってんのかよ!!」

二人の言い争いはエルザの機嫌を悪くさせた。
そんな繰り返しをしていると、ルーシィがよろける。

「あっ……!!」
「!大丈夫か、ルーシィ。」

エルザがルーシィの背中を押さえ、倒れるのを防ぐ。
ルーシィは意識が飛んでいるのか、目の焦点が定まっていない。

「…しょうがない、私がルーシィを運ぼう。」
「ああ、頼む。もうすぐで山の近くの町につく。そこで泊まろう。」




「…………っ…!!」
「エルザ?」

しばらく歩けばエルザにも異常が見られてきた。
汗の量が半端じゃない。

「…俺の肩に腕まわせ。」
「すまないっ…。」

グレイはエルザの腕を自分の肩にまわし、腕を掴む。
ルーシィはナツが代わりに運ぶことになった。

しばらくし、ハッピーも倒れこむ。
ナツの肩の上で「もう駄目」と気絶した。

「やべぇな…。グレイ、急ぐぞ。」
「ああ。」




―山の近くの町、『ローゼリア』―


とある宿に入り、ルーシィ、ハッピー、エルザを横たわらせた。
ナツはイスに座る。

グレイはベッドに横たわっている3人の顔色を見た。
息が荒く、顔色がとても悪い。

「…ナツ、俺は医者呼んでくる。3人を見ていてくれ。」

「………おぅ。」

グレイは走る、ナツの状態に気づかずに。



「はぁ、はぁ…。」

タッタッタと走る。
だが、薄々グレイは気づく。

(誰か、つけてやがる…。)

また違う闇ギルドか、と脳内で策をはりめぐらせた。

(人前で魔法使えば運悪く誰かに当たるかもしれねぇ…。なら、路地裏に入れば!)

グレイは曲がり、路地裏の奥深くまで行った。




「…いい加減にやめろよ。」

グレイは後ろを振り向く。
そこにいたのは。


「!!!!!」
「久しぶりだね、雪山以来だ。」

金髪の青年。
元が黒髪だったのか、毛先は黒い。

「あ…ぅぁ…。」

恐怖が思い出させる。
抵抗できない恐怖が。
屈辱が。
グレイの体を恐怖へと陥れた。



「―――――――!!!」
「おっと…。」

グレイはがむしゃらに氷の造型魔法をルドに向ける。
だが魔力不足の為、足の力が抜ける。

「さて…」
「!!」

倒れているグレイにまたがるルド。
ルドは黒い笑みを浮かべた。

「君はこの姿が本当に似合ってるな。」
「……!」
「そういえばさぁ、君のお母さん。」

ピタリとグレイは動きを止める。
ルドの言葉を待つ、その時間は短いのか、長いのか。

「僕の、姉なんだよね。」
「………へぁ…?」
「で、君は僕と僕の姉…癒の         子供なの。」


何なんだ、何を言っているんだこの男は。
母とコイツの子供?父じゃなくて。
だって身内同士…


知  ら  な  い  方  が  良  か  っ  た
   







「……あ?」

何時の間にか周りには誰も居ない。
グレイは必死に足を立たせる。

「………行かねぇと、」

仲間が待っている。
その言葉を糧に、グレイは恐怖を押さえつけながら走り出した。

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