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フェアリーテイル ―雪国の氷―  完結
作者: ハヤチ  (総ページ数: 65ページ)
関連タグ: FAIRYTAIL グレイ・フルバスター 二次創作 微グロ 
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*28*

医者を呼んで、ナツ達がいる部屋に入る。

「おい、ナ―」

そこから、言葉を失った。

いつもの笑顔のナツはそこにはいない。
苦しさに耐え続けるような辛い表情。

「ナ、ナツ…。」
「ぁ…、グレイ、医者きたんだな。」

辛そうな顔でも笑顔にするナツを見て、グレイは苦しくなった。
医者がナツも危ないと考え、4人の容態を調べる。
そして、グレイを部屋から出て行くよう伝えた。




「………。」

グレイは片足の膝を抱え込む。
体が震えているのは、何故だろう。


ガチャリ、とドアが開く。
顔を上げるとそこには暗い顔の医者が立っていた。

「失礼、服をあげてもらえませんか?」

グレイは言われたとおり、服を上に持ち上げる。
医者は肌、爪、首を触り、「もう結構です」と安堵のため息をついた。


「…お気の毒ですが…」

ドクン、ドクンと心臓の音が五月蠅い。



「貴方の仲間は     腐病という病にかかりました。
 このまま貴方の仲間は腐ってしまいます。」


世界が死んだように見えた。

医者がグレイを気遣い、出て行く。
するといきなりグレイの隣に、ルドが現れた。

「あーあ、仲間、そろそろ死んじゃうかもね。」
「うるさい。」
「君のせいだね、古龍の魔法なんて持ってたから。」
「ウルサイウルサイウルサイうるさいうるさいうるさいうるさい!!」

気が狂いそうなほど叫ぶ。
ルドはにこりと微笑を浮かべた。

「しょうがないよ、東洋の一族の血を続けるためにも。」
「あ、…………ははは…。」

グレイは涙を流す、笑いながら。

「馬鹿じゃねぇの!?お前等!!近親相姦、近親相姦、笑えてくる!そんなに一族を断ちたくねぇのかよ!!!」

グレイの叫びにも笑いながら聞く。
それの繰り返しでついにグレイは泣き崩れた。
ルドは、手をさしのべる。


「治せるよ?」
「えっ…。」

希望の言葉に聞こえた。
本当は、真っ黒な言葉なのに。

「君の古龍の血を使えば、ね。」

辛いなら、助けてあげる。
その言葉を信じたくて。信じなくてはいけなくて。

「俺を連れてくなり、好きにしろ…。」

ルドは優しく笑う。
それとは対照的にグレイは涙で濡れた目で冷たく呟いた。


「じゃあ、よろしく♪」


グレイは、俯いて、ボソリと喋った。

「大好きだ、皆。」

こんなくだらない旅に付き合ってくれて、ありがとな。

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