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*66*
「さっき言ってた・・・。‘‘人間‘‘のままに生きたいっていうのは・・・?」
「・・・・。」
ミヨシは、黙ってしまった。
しばらくの沈黙が続く。
それを破ったのは、メリーだった。
「ミヨシさん。」
メリーはミヨシのそばに行くと、優しい眼で訴えるように言った。
「この人たちなら、信頼しても良いんですよ。この人たちは、あなたを責めた人たちじゃないから・・・。優しい人たちだから・・・!!」
「・・・ああ。」
ミヨシは改まり、話を続けた。
「俺の父親は、俺が小さいときに死んでる。だから、俺は人間として生きてきたんだ。」
ミヨシは、ますます顔が曇り、涙を見せないようにしているようだ。
「だけど・・・。俺の住んでる村に、いつからかボロイ船とか、使えなくなった船が流れ着くようになったんだ。」
「それって・・・、船を知らずのうちに、呼び込んでたってことか!!」
「そのときから、俺は化身を創れたってことでもある。」
「そして、俺が能力を使っているところを、村民に見られたんだ。母親にも見捨てられて・・・。自分が創った化身も味方をしてくれなかった。で、俺は海で漂流して・・・。流れ着いたのが、無人島・『グリヴィオ・シップ島』だった。」
「・・・・。」
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