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FAIRY TAIL 過去魔法 ―完結!―
作者: ハヤチ  (総ページ数: 82ページ)
関連タグ: FAIRYTAIL グレイ・フルバスター 二次創作 微グロ 流れ星 
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*81*



ぶくぶくと、人魚のようにグレイは落ちていった。
逆さまに、綺麗に。
未だにそれは、流れ星だ。

「…………。」

音も泣く落ちていく。
だが、誰かがグレイに抱きついていた。

「………!!」

それは、ナツだった。
ナツは、必死にグレイを掴むが非情にも力が抜ける。
もう、駄目だ。



《グレイ―》

ウルの声じゃない、違う声。


《グレイ―》


(…?)

誰かが、またグレイの腕を掴んだ。
顔を上げる。


(レイガ……!)

また目を見開く。
だが、そこにいるのはナツ。
ナツの若草色の目と、レイガの翡翠の目が変にかぶった。

(な、つ。)

「…行かせねぇよ、」

ナツが小さく笑った。

「―お前は、妖精の尻尾の魔導士だ。」





グレイとナツを、水圧が押し上げた。

おそらくそれは。

(ウル…?)

死ぬんじゃない。

そんな、綺麗な声が耳に響いた。







気づいたときには、流星群が大量に流れていた。
祝福するかのように。
あまりの水圧に押され、ナツとグレイは空に浮いた。
またグレイが、流れ星のように落ちそうだからナツが支える。
だが、落ちていった先は。

硬い硬い、地面だ。


「んが!!!」
「わっ、」

ナツがクッションになってしまい、グレイがその上に乗る。
ぐえっ、と苦しげな声がナツから出た。
うつぶせのナツの背中に、グレイが乗る状態だ。
少し戸惑いながら、グレイはナツを見る。
その視線に気づき、ナツはへへ、と笑った。


「…無事だったな!どうだ?」
「…っ!ばか、馬鹿!馬鹿ナツ!お前まで落ちてたらどうするつもり…」
「させねぇよ。」

真剣なナツの声。

「お前が死ぬのは、駄目だ。だから、落ちねぇ。」
「え…、」
「お前はいなくなっちゃ、駄目だっつーことだ。流れ星にさせねぇ。」

真剣な顔は、すぐに笑顔になる。


「破滅の冬の流れ星、だな。」
「…今、ちょうど冬だしな…。」

グレイが、涙ぐみながらナツに微笑む。
それにナツが、大きい笑顔を返した。

冷たい冬に、流れ星が沢山空に、雨のように流れている。
それを、ただただ二人で見ていた。









アイリの持っていた鍵は、ルーシィに渡された。
ルーシィは申し訳なさそうに、もらって喜んでいた。

グレイは、一つの写真を指でなぞる。
外から、仲間の声がした。


(もう、何も犠牲にしない。)


グレイが出て行ったドア。
横の棚に、絵本と一つの人形が笑顔で置かれていた。








END




完結です、ありがとうございました!
グレイばかりなので、次のは違うのにしよう♪

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