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*40*
「ウェンディ姉、シャルル、何処行く?」
「うーん…。」
「古代文明が詳しい人に聞いたほうがいいのかしら…!?」
ウェンディたちのチームが相談しているなか、シャルルは頭痛を感じる。
それは、未来予知の合図だ。
(未来…!?)
未来に映るのは。
ボロボロのナツ。
必死に何かを千切るルーシィ、エルザ、ウェンディ。
モンスターを倒すギルドの全員。
そして―――片目が水晶の、鎖に縛られて何かに取り込まれそうなグレイ。
落ちていた可愛らしい人形は、虚ろな目をしていた。
「!?な、」
「シャルル?」
フラリとしたが、ウェンディの言葉で目が覚める。
「大丈夫」と笑い、その場から少し離れた。
ウェンディが心配そうに手を伸ばすが、ロメオに呼ばれていなくなる。
(何よ、今の…ただの幻覚よ…。)
そう、幻覚だ。
あんなことが起きる訳ないと言い聞かせ、グレイを見た。
いつものように笑顔で笑うグレイ。
両手は、あの絵本をずっと握っている。
『…護ってくれ。』
「!?」
男の声が、頭に響く。
変に、聞き覚えのある声が。
それはギルドメンバー全員に起こったのか、全員が驚いた顔をしていた。
だが、グレイには届かなかったらしい。
「?どうした、みんな。」
「…グレイ、何も感じなかったか?」
エルザが頭をおさえながらグレイに問う。
何も聞こえなかったと、グレイは不思議そうに呟いた。
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