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*20*
「じゃあ、グレイ。君のネックレスを、渡してもらうよ。」
「は?なっ、何で!?」
いきなりのことに、グレイは動揺する。
スッとアリアは、グレイの首に手を伸ばした。
「わ、わたさねぇ!わたすもんか!」
「それは大切な起動装置なんだ、君がどうして持っているのかは知らないけど。」
「起動装置………!?」
咄嗟にグレイはネックレスを握る。
自分の父はコレを託した。
どうしてそんな危ないものを、自分に託したのか。
「…っち、『操魔術』。」
「!!う、腕が…勝手に………!!」
アリアが魔水晶をキラリと見せた。
腕はグレイの意志関係なく動く。
ネックレスが外され、アリアにそのネックレスを差し出す様な格好になっていく。
「や、だ!うごけぇ…うごけぇぇぇ…!」
必死に腕に力をこめるが、ピクリとも動かない。
若干涙目になりながらも、必死に腕を下げようとする。
「はい、ありがと。」
「やだっ、それ返せよ!」
ついにネックレスを取られる。
自由になった腕は、がくりと体を支える形になった。
「えっ?何でっ力、入らねぇの!?」
「さっきの魔法は、君の魔力を腕に固めて操作してたからね。無自覚に体は疲れてるのさ。」
ピクリとも動かない腕、このまま魔法が使えなかったら。
グレイは頭によぎった思考を消す。
(今は、どうやって逃げるかだ…!)
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