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*21*
夜斗神s
ありがとうございます^^
雪国の氷を見てくれたりしましたか?
すごく恐縮です^^
これから頑張ります!!
九話「穏やかに」
―その頃のナツ達―
「エルザ、まだかよ!」
「焦るな、お前が以前の事件でピリピリするのは分かる。」
「クソ!」
ナツは近くにあった壁に拳をぶつける。
ぱらぱらと、欠片が落ちた。
「ナツ…。」
「ナツさん…。」
「何でっ…!アイツだけ狙いやがったんだ!!!」
「さぁな、多分…」
近くに居たルドが、ポツリと呟く。
「グレイの過去は創りやすい過去だからだろ?それ以外の理由があるのかよ。」
「ええ、それに…あいつ等が何かを創ろうとしているのも確か。」
ルドに引き続き、エーガも言った。
それに小さく舌打ちをし、ナツは冷静になる。
「…分かったよ…。」
「しっかし、あいつ等は何を企んでいるのかしら?」
顎に手を添え、ルーシィは考える。
さぁ…と全員は、少し考えていた。
その空気を、ナツがやぶる。
「それは関係ねぇ!今は、どうやって仲間を…グレイを連れ戻すのかが問題だろ?」
「そ…うね…、そうよね!ナツの言うとおりよね!」
ルーシィが納得し、エルザ、ウェンディ、ジュビア、ルド、エーガ、ギルも納得する。
そして、全員は拳をあわせた。
「グレイを助けるぞおおおおおお!」
「「「「「「「おおおお!!」」」」」」」
こうして、またナツ達の活気が戻っていった。
―グレイのいる牢獄―
「返せ…よ…っ!」
腕に幾分か力は入ったものの、完全では無い。
プルプルと震えていた。
「君は、一時期の間はギルドに返してあげようと思ったけど…。」
「!」
「君が今回は重要だ…、返せないね。」
希望が見えたと思ったのに、また墜ちた。
もう嫌だ、涙を滲ませているとふいに眠くなる。
「えあっ?な…眠、い…。」
「夢の中ぐらい、良い夢見なよ。」
ガクリ、とグレイが倒れこむ。
穏やかな寝息が聞こえた。
「グレイ!グレイー!」
「猫はもういらない、だけど…この場所の記憶だけ失くさなくちゃ。」
「え!?うわぁ……っ!」
ハッピーの首元に注射器が刺さる。
くぅくぅとハッピーは寝てしまい、そのまま遠くに投げ飛ばした。
「…アイリ、お前はこれでいいの?」
アリアの妙に寂しげな声はグレイにも、――アイリにも届かなかった。
絶望は穏やかに侵食する。