完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

FAIRY TAIL 過去魔法 ―完結!―
作者: ハヤチ  (総ページ数: 82ページ)
関連タグ: FAIRYTAIL グレイ・フルバスター 二次創作 微グロ 流れ星 
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~

*21*

夜斗神s

ありがとうございます^^
雪国の氷を見てくれたりしましたか?
すごく恐縮です^^
これから頑張ります!!



九話「穏やかに」



―その頃のナツ達―


「エルザ、まだかよ!」
「焦るな、お前が以前の事件でピリピリするのは分かる。」
「クソ!」

ナツは近くにあった壁に拳をぶつける。
ぱらぱらと、欠片が落ちた。


「ナツ…。」
「ナツさん…。」
「何でっ…!アイツだけ狙いやがったんだ!!!」
「さぁな、多分…」

近くに居たルドが、ポツリと呟く。

「グレイの過去は創りやすい過去だからだろ?それ以外の理由があるのかよ。」
「ええ、それに…あいつ等が何かを創ろうとしているのも確か。」

ルドに引き続き、エーガも言った。
それに小さく舌打ちをし、ナツは冷静になる。

「…分かったよ…。」
「しっかし、あいつ等は何を企んでいるのかしら?」

顎に手を添え、ルーシィは考える。
さぁ…と全員は、少し考えていた。
その空気を、ナツがやぶる。

「それは関係ねぇ!今は、どうやって仲間を…グレイを連れ戻すのかが問題だろ?」

「そ…うね…、そうよね!ナツの言うとおりよね!」

ルーシィが納得し、エルザ、ウェンディ、ジュビア、ルド、エーガ、ギルも納得する。
そして、全員は拳をあわせた。

「グレイを助けるぞおおおおおお!」
「「「「「「「おおおお!!」」」」」」」

こうして、またナツ達の活気が戻っていった。



―グレイのいる牢獄―


「返せ…よ…っ!」

腕に幾分か力は入ったものの、完全では無い。
プルプルと震えていた。

「君は、一時期の間はギルドに返してあげようと思ったけど…。」
「!」
「君が今回は重要だ…、返せないね。」

希望が見えたと思ったのに、また墜ちた。
もう嫌だ、涙を滲ませているとふいに眠くなる。

「えあっ?な…眠、い…。」
「夢の中ぐらい、良い夢見なよ。」

ガクリ、とグレイが倒れこむ。
穏やかな寝息が聞こえた。

「グレイ!グレイー!」
「猫はもういらない、だけど…この場所の記憶だけ失くさなくちゃ。」
「え!?うわぁ……っ!」

ハッピーの首元に注射器が刺さる。
くぅくぅとハッピーは寝てしまい、そのまま遠くに投げ飛ばした。


「…アイリ、お前はこれでいいの?」

アリアの妙に寂しげな声はグレイにも、――アイリにも届かなかった。






絶望は穏やかに侵食する。

20 < 21 > 22