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最終話「破滅の冬の流れ星」
「…ッ…きて…ツ…ナツ…起きて…ナツ!!」
「おきんかああああああああああああああああ!!」
「ぐぼぉっ」
もう少しで目を覚ましそうだったのに。
ルーシィが、呆れ顔でため息をついた。
今、ナツは頭を高速回転している。
空は、様々な流星群が流れていた。
時の流れ、のようにも見える。
「え…、ここどこ…。」
「リオンがつくった生き物の上。生き物よ?白竜だった、かしら?」
「ああ。」
どうやらリオンが、全員を乗せられるほどの造型を造ったらしい。
何故かルーシィは生き物を強調していたが造型魔法は便利だな、とナツは思う。
だが、ナツは造型魔法から何かを思いついた。
氷の上、魔法、氷の魔法、氷の造型魔法、氷の造型魔導士、…グレイ。
「!そうだ、グレイはどこだよ!!」
「落ち着きなさいよ、ナツ。」
「今、必死に全員で探している。」
エルザになだめられるが、それでも落ち着かないナツ。
どうしようかと悩んでいると、ウェンディがふと顔を上げた。
そして、目を見開きナツさんっ、と叫ぶ。
「どうした?」
「あそこ!空!グレイさんが!」
「なにぃ!!?」
上を見上げると、確かにグレイはルーシィのように流れ星みたいに落ちてきている。
すると、破滅の冬の流れ星の一文が頭に流れた。
―男の子はそのまま、海にへと『落ちていきました』。
「!!リオンっ、これ飛べるか!?」
「無理だ!近くまで行こう!!」
リオンはすぐに白竜を走らせ、ナツを下ろす。
ナツはすぐに走り出し、海のほうへと向かっていった。
くるくるくるくる、くるくるくるくるり。
その姿はまさに、ノアのよう。
まさに、流れ星のようで。
「グレイ!っおわ、」
サンダルが、脱げる。
そこは石や岩ばかりで、ナツの行き先を食い止めようとしているように見えた。
だが、そんなの気にしていられない。
仲間を、助けるために。
「グレイ!!」
届くはずのない手を伸ばす。
(ナツ……、)
その姿が、レイガに重なって。
ふいに、目を見開いた。
そこは、まだ走っているナツ。
もう足はボロボロで、辛いはずなのに。
(ナツ………!!)
涙がボロボロとこぼれる。
それでもまだ、流れ星は止まらない。
くるくるくるり、くるくるくるくるくるくるくるり。
未だに止まない流星群に一層と輝いて見える流れ星。
それをただ、ナツは追いかけた。
そして、遂に海に着いた。
グレイが、落ちる。
ソレと同時に、ナツも海にへと落ちた。