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*6*
過去に培った経験は、妙に役にたって・・・
「いじめか・・・」
俺、さだおは危機的状況で有る。というのも、周りを蜂の魔物(さそりばち)に囲まれているからだ。
町を探し、歩いた結果がこれだ。武器の無いさだおに戦う術はない。
「せめて、棒・・・」
さだおはよわくない。過去にこんを習ったことが有るからだ。故にこんを持ったさだおなら、虫をたたき落とすなど造作もない。だが、それが今はない。諦めかけた時、木に立てかけてある物を見つけた。これは使える。逃げながら掴んだそれは、使いやすく。さそりばちを軽くけちらせた。
「終わったか・・・」
「詰めが甘いよ、君」
そういって、彼女が放った火炎はかくれていたさそりばちを焼き払った。
「助かった、すまない。にしても、誰?」
「・・・は?こっちのセリフなんだけど。まぁ、いいや。私はキサナ。名乗ったんだから君の名前、聞かせてくれるよね?」
「あぁ、無礼だったな。人とはあまり関わってなかったんでな。俺はさだお・・・」
唯一誇れるはずの名字が、口からでなかった。
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