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*40*
名と、意味と、記憶と、〜1〜
四月、桜の舞い散る道に俺はいた。まだ、言葉もいえないくらいらしい。捨て子ってとこか。覚えてはいないがな。そこで拾われたんだ。保育園の園長をしている男に。名を九政則といってな。そのまま、俺はその男に育てられることになった。もちろん保育園にはいれてもらえたぞ。“季節園”だったかな?まぁそこで暮らすことになってな。それから、当たり前のように卒園して。小学校に入り、三年になった頃か。事件はおこっちまった。
その日は、川に遊びに行っててな。それも一人で・・・毎日のように行ってたからか、入ってみたくてな。入っちまったんだ。そうして遊んでた時に、川の上流ではあり得ないことが起こってたんだ。
「冷たいなー、スッゴク気持ちいい!!でも、怒られちゃうかな?まぁバレなきゃいいや。」
はしゃぐ俺、気づきもしなかったな。周りで大人達が慌てて高台に上っていくことを・・・だが、大人のだれかが俺に気付いたんだろうな。そして、政則の耳にも入った。
「なにしてるんだ!!早く逃げろ!!」
と言っていたんだろうか、だが、怒られると思って逃げちまったんだ・・・
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