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SOUL COLOR(消えない罪)
作者: 璃蘭  (総ページ数: 53ページ)
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ⅩⅡ、タイムリミット

霧隠にて―工藤直人―

「時間がないって、どういう事よ?」
「俺の『夢喰』は、悪夢の力が強ければ強いほど時間がかかるんだ。彼女の悪夢は、今までに見た事がないほどの強さを持っている。神の子だからなのかもしれないが…。時間を短縮させないと、何年もの時を費やしてしまう。」
「そんな…。」
「何とかならないんですか?」
「1つだけならある。しかし、君達人間の力でも難しい…。」
「何?一応でもいいから、教えて。」
「俺に、良い夢色(ユメイロ)を見せてほしい。」
「良い…夢色?」
「そう。それは俺の『SOUL COLOR』なんだ。『掛橋』のない今、それを見せれば俺の力が暴走して夢喰の力が倍増するはずだ。ただし…その後に君達がどうなるか分からない。」
「でもやるしかないでしょう。美波さんを救う方法がそれしかないのならば。
 …それにしても難しい色ですね…良い夢色…。」
「そもそも、夢色って何なの?」
「夢色は、俺やドリーズが悪夢と良い夢を見分ける時に見えるんだ。」
「という事は、とても良い、幸せな夢を見れば良いんですね!」
「そうね!私達が幸せだと感じる事…それは…。」
 僕と楓様、2人同時に言った。
「大切な仲間と過ごす時間!!」
「なるほど…人間はやはり仲間意識が強い生き物なんだな…。
 今から睡眠の暗示をかける。だからさっき言った事を思い浮かべながら、そこらへんに座ってくれないか?」
 空いている椅子は1つしかなかった為、楓様は椅子に座って、僕はロッカーに寄り掛かった。
 ドリーブは、まず楓様に寄ると何かを言っているようだった。やがて、楓様は眠りについた。
 次に僕の元に来るとドリーブは、僕の目を見つめてきた。僕も思わずドリーブの目を見る。青紫色の瞳が、段々青く変わっていくような錯覚がする…。
 そのまま、僕の意識は途切れた。

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