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ⅢⅨ、満月の儀式
「ボクが本来伝えるべき儀式。それは、精霊の加護の祈願。西暦1900年に起きた死病から、村人を守る儀式。でもボクは間違えた、儀式そのもの。
ボクが教えた儀式は、禁式。精霊の潜在能力の強化。人間が使えば当然別の効果…。だから、村は崩壊。」
「どうして死病が起きたの?感染症か何かなの?」
「るぅ…。聞いた話だと、グレイスが儀式を行う前兆。真実は不明。」
「つまり、私が儀式をする95年前から既に決まっていた事だったんだ…。」
「神の計画は、1つ。だからグレイスは、導かれただけ。何故かは不明…。僕は神じゃない、だから不明。」
「そうですか…。じゃあ、崩壊した村はどうなったんですか?」
「さっきも言った通り、地界に陥落。だから、無人。ただ残るは、魂と建物。」
「正に、空虚…。でもどうして地界に?」
「美波、そもそも地界って何なの?」
「煉獄とか霊界とかがある、璃蘭みたいな死神や悪霊の住む世界だよ。天族とあまり仲は良くないみたいだけど…。」
「…なんとなく分かったわ。」
「地界に堕ちた理由…それは、地界の扉を開けたが故。」
「そうか!人間だと効果が変わる…つまり地界の扉を開く効果になったんですね?」
「正解。地界の空気は死。だから、時空間も死。神はそれを防ぐ為に、地界に陥落。そうする事で、人間界に地気…地界の空気が入るのを防御。」
「その後に起きたのが…私の儀式失敗…。」
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