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SOUL COLOR(消えない罪)
作者: 璃蘭  (総ページ数: 53ページ)
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ⅩⅣ、消え入る生徒達

旧校舎付近にて

 ある6月の日の夜…。新月の為に、闇が学園を包み込んでいる。そんな中、旧校舎の前に2人の男子生徒がいた。
「此処に幽霊が出るって本当か?」
「ああ。たまに教室で物音がしたり、屋上に人影が見えたりするらしい。」
「確かめようぜ!」
「何度も言うけれど、やめた方が良い。神隠しの噂もあるし…。」
「君達、ちょっと聞きたい事があるんだけど…。」
 2人は驚いて後ろを振り返る。暗がりでよく分からないが、少年らしき人が立っている。
「出た〜!!!」
 2人は幽霊だと思ったらしく、慌てて逃げ出した。しかし暗闇の中では何も見えない。木々で切り傷をいくつも付けながら…。そのせいで、2人は新校舎の壁にぶつかり、気を失ってしまった。
「此処が何処か聞くだけなのに…僕の力の暴走に拍車をかけないでくれ…。」
 少年は、そんな2人を見て小さく呟いた。そして、暫くして少年は再び呟いた。
「この姿…まさか、此処は…。」

 それからというもの、虹ヶ丘学園では行方不明者が多くなり始めた。皆、旧校舎に入ろうとした者達だ。奇跡的に逃げ帰った人の話では、少年の姿を見たという。その少年の特徴を聞いても、はっきりとは覚えていないらしい。
 しかしこの事は誰も知るはずがなかっただろう。その少年が、本当は人間などではない事を…。

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