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SOUL COLOR(消えない罪)
作者: 璃蘭  (総ページ数: 53ページ)
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ⅡⅡ、生死の予言者

新校舎にて―吉永楓―

 私は、直人を連れて廊下を走っていた。それは占い同好会に、未来を予言できる人がいるっていう噂を聞いたから!でも直人はどこか疑い深い様子。予言が信じられないのかな…。
「確か此処のはず…。」
 私は教室名が書かれたプレートを見る。そこには大きな字でこう書いてあった。
『来たれ占い同好会!未来の予言者が今此処に!信じる信じないは貴方次第!!』
「合ってる。よし!行こう!!」
 私は直人の手を引いて教室に入った。
 中は窓に暗幕がかかり、電気が少ししか点いていないせいでかなり暗かった。
「475人目…。」
 呟き声が聞こえた。見ると、そこには何故か天使(?) がいた。背は私より少し低い。頭には光輪、背中には銀の翼(28枚くらいある)…。よく絵で見る天使とよく似ている。もしかして凝ったコスプレかな?
「あの…此処の同好会に未来を予言できる人がいるって聞いたんですけど…。」
「あぁ、あれね。でも私が予言できるは未来じゃないの。部員は私の話に、尾びれを付けてるみたいだけど…。」
「だとしたら…どんな占いですか?」
「生き物の、生死にまつわる予言。」
「え!?」
「ある事が起きた時の貴方の生死を予言するの。」
「なるほど…。ところで、そのコスプレ(?)…は何ですか?」
「コスプレ?」
「ええと…その翼と光輪です。」
「ああ、貴方は『真視』の能力者なのね?
 これはコスプレなんかじゃなくて本物よ。私は本当は天使なの。名前はスガルト。こっちでは鈴って名乗っているけど…。貴方達は?」
「私は吉永楓で、こっちが工藤直人です。」
「よろしくね。それで…どうする?予言、聞いてみる?」
 ちょっと怖いけど…。
「聞いてみます。」
 私と直人の声が重なった。あれ?直人もやるんだ。生死って聞いたからかな?
「分かった。じゃあ2人とも、そこの椅子に座っていて。」
 私達は言われるままに椅子に座った。鈴さんは、教室の電気を消した。たちまち教室内が闇に包まれる。
「驚かないで。大丈夫。」
 鈴さんの声が聞こえる。目が暗さに慣れると、目の前に鈴さんがいるのが分かった。鈴さんは、黒板の方を見ていきなり唄い出した。歌詞は英語だけど不思議な旋律のせいかよく分からない…。やがて、段々と黒板に映像が現れた。それには、私達の学園の映像が流れ始めた…。

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