完結小説図書館
<< 小説一覧に戻る
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
*25*
ⅡⅣ、生死を定める者
占い同好会部室にて―工藤直人―
僕は、目の前の光景に思わず立ち尽くしていた。
黒フードを被っているその少女は、魔的な何かを放っているように見える。楓様にはどう見えているのだろうか…。ふと、その少女が語り出した。不思議な事に、僕にも言葉を理解する事ができた。
「私の名前は璃蘭。こっちだと岡崎璃蘭って名乗っているけど…。まぁそれはどうでもいいや。スガルト!霊界にただでさえ人来なくて困ってるんだから、そろそろ予言やめていてよ。」
「そう言われても…どうせいつかは皆死んじゃうんだから、少しでも長寿にしたって良いじゃない。」
「はぁ…。まぁ強制的に霊界にやればいい話だからいいか…。」
「それより、これから起こるあれで楓さん達を守らないと!」
「あの映像こっそり見たけど、一緒にいたのってグレイスと赤鮮魔(セキセンマ)じゃなかった?水神の子と、吸血鬼。」
美波さんと祐樹さんの事だ。祐樹さんの本当の名前は赤鮮魔だったのか。でも…。
「何故それを…?」
「ある霊から聞いたんだよ。この辺りに禁法を犯して人間の姿にされた水神の子と、たまたま迷い込んだ吸血鬼がいるって。」
「なるほど…。」
「2人ともなんとか生に導いたけど、万全じゃないし…。璃蘭、貴方もちゃんと協力してよ。引き換えに予言を(極力)やめるから。」
「本当?ならいいけど…。で、どうやって対策するの?」
そう言われればそうだ。何か手は…あっ!そういえば!
「僕はこの前に黒犬の魔族から剣をもらっているんです。もしかしたら役に立つかもしれません。」
「それは助かる!じゃあ今から行こう!」
鈴さんの先導で、僕達は駆け出した。
でも今の僕達は知るはずもなかった。生死のカウントダウンが既に始まっているという事を…。
PR