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*45*
ⅣⅣ、最後の「掛橋」
天界にて―神前美波―
残る「掛橋」は地界と人間界…。そういえば、地界には璃蘭っていう死神がいたはず。もしかしたら、「掛橋」繋げの鍵になる…な訳はないか。私は自分の思いつきについ苦笑を浮かべた。
「あれ〜?もしかしてグレイスかな?なんでここにいるの〜?」
ふわふわの綿菓子みたいに、とても可愛らしい声が聞こえた。声の方を見ると、銀髪のロングヘアで桃色の瞳をしていて、白い服で頭に光輪、背中には銀色で10枚の翼がある天使がいた。もしかして…。
「大天使ラスティ…?」
「覚えてた!ありがとう〜♪」
ラスティは笑いながら言った。
私達神にとって、17人いる大天使は必要不可欠な存在。だから当然名前と姿も覚えている。
「そりゃ覚えてるよ。忘れてたら水神の子の名が廃る。」
「だよね〜。ところで、なんでそんな水神の子がこんな所にいるの?」
「あ、そうそう。璃蘭って知らない?」
「璃蘭〜?それって人間?死神?」
「え?璃蘭って2人いるの?」
「人間の方は岡崎璃蘭で、死神の方はただの璃蘭だよ〜?」
「へぇ…。私が捜しているのは璃蘭、人間じゃない方だよ。」
「璃蘭…多分今は人間界のどこかにいるかも。煉獄の門の警備じゃないかな〜。」
「分かった。ありがとう。」
「どういたしまして!あ、後ね…。大天使ラエルがグレイスに会いたがっていたよ〜?神殿に行った方がいいと思う〜♪それじゃまたね〜。」
そう言うと、ラスティは翼を羽ばたかせて飛んで行った。
ラエル…スガルトがいないから、今は1番目の大天使。スガルトがいない今、ラエルは神殿から出られない。出ると、神殿に神の加護が行き届かないんだとか…。そんなラエルが、私に何を伝えようとしているんだろう?
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