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*46*
ⅣⅤ、大天使ラエル
天界の神殿にて―神前美波―
私は神殿に入って、真っすぐ聖堂に向かった。神殿の中の聖堂は最も聖なる場所で、大天使と神以外は入れない。神殿は天使でも入れるけどね。
「…グレイスなのですか?」
子猫みたいな可愛らしさのある声が聞こえてきた。聖台に、銀の翼に金の輪をしていて、金髪で緑色の瞳をしている天使がいた。背が低いから、台にある朗読板が高く感じる。彼女が大天使ラエル。性格も良いから、天使達には好かれている。
「うん。ラスティから聞いたんだよ。ラエルが私に会いたがっているって。何か用事があるの?」
「はいなのです。『掛橋』が繋がった後…何が起きるかを知っているかを聞きたいのです。」
「楓ちゃん達と別れなきゃならない…。」
「それもあるのです。でも、『SOUL COLOR』もまた制限を取り戻すのです。」
「…!?まさか、もう私の姿が見えなくなる…?」
「その可能性があるのです。だから、『掛橋』を取り戻したら早めに告げた方がいいのです。」
「分かった。忠告はちゃんと受け取ったよ。
あ、そうだ。璃蘭を知らない?死神の。」
「璃蘭なら、天界を散歩しているのですよ?多分花園にいると思うのです。」
「ありがとう。じゃあまたね。」
「ばいばい、なのです。」
ラエルは無邪気な笑顔で手を振った。本当に可愛いな…天使達に好かれるのも頷ける。
私は、花園を目指して歩き出した。
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