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ⅣⅥ、璃蘭の予言
花園にて―神前美波―
花園は、天界…いや、どの世界よりも一番美しい場所だと思う。色とりどりの花が咲き乱れる場所。そういえば、死の間際に遭った者はよくこの場所を見るって聞いた事がある。なんでだろう?
と思っていた時、捜していた璃蘭を見つけた。
「璃蘭〜!」
私は名前を呼びながら璃蘭の元へ向かった。
「あれ?グレイスじゃん。どうしたの?こんな所まで。」
「最後の『掛橋』が、地界と人間界なんだよ。そこで聞きたいんだけど、地界と人間界の間で何か起きていない?問題とか。」
「う〜ん…これといって何も…いやある!めちゃくちゃある!!」
「何?」
「人間界の煉獄の門が何故か多いんだよ。」
「煉獄の門?」
「うん。あ、煉獄は地獄の事ね。大罪を犯した者の懺悔室みたいな所かな。で、煉獄の門はその扉。」
「分かった。でも、なんでそれが増えるの?」
「わかんない。多分強力な魔族の仕業でしょ。だって煉獄の扉を増やせば管理が行き届かない場所も出てくる。魔族は悪を善だと考えるから…。」
「その扉をなくす方法はあるの?」
「あるよ。燃やすとか凍結するとか。」
「凍結なら私に任せて!」
「本当?ありがとう!」
数時間後…天界にて―神前美波―
「はぁ…疲れた…。」
「お疲れ様。お礼に、この後起こる事を教えるよ。」
「え?璃蘭って予言ができるの?」
「できるよ。ちょっと待ってね…。
今から数分後に『掛橋』が繋がる。そうしたら、貴方は霧隠に戻って『封印の詩』を唄ってもらうように頼む。そうしたら、精界の『詩の間』に行く。そして2つの詩を唄ったら、『SOUL COLOR』の制限が蘇る。そして、楓さん達と別れる事になる…。」
「それが、未来…?」
「でも貴方の行動次第で、多少変わるかもしれない。」
「分かった…。」
「多分、運命の分岐点は詩を唄ってもらう時。その時の貴方の行動で、楓さん達は貴方を忘れないかもしれない。」
「うん。何をすればいいかな…。」
「例えば、書き残すとか?」
「それだ!ありがとう璃蘭!」
「『掛橋』はもう繋がっている。貴方なら、未来を変えられる。」
「分かった。必ず変えてみせる!」
私はそう言うと、「掛橋」を渡って霧隠へ向かった。