完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

SOUL COLOR(消えない罪)
作者: 璃蘭  (総ページ数: 53ページ)
関連タグ: SOUL COLOR  
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~ 20~ 30~ 40~ 50~

*48*


ⅣⅦ、全ての繋がり

霧隠にて―神前美波―

 天界から戻って暫くしていると、楓ちゃん達が入ってきた。
「あ、楓ちゃん。ついに『掛橋』が繋がったよ!」
「本当!?」
 楓ちゃんは、驚いたような悲しげなような…複雑な表情をして言った。
「つまり、もう美波さんは天界に帰るんですね…。」
「それが…そうもいかないんだよ。」
 私は説明した。詩の事や璃蘭の予言の事を…。
「つまり、詩を唄ったら…終わりなの?」
「そう…なるね。」
「私…嫌よ…せっかく友達になれたのに…。別れるだなんて…。」
「…だから、文章にして残そうと思うんだよ。」
「それは良いですね!僕は毎日、日記をつけていますよ。」
「私もよ。」
 そう言って、2人は日記帳を出した。
「じゃあ私のも…。これ、楓ちゃんか直人君どっちが管理する?」
「私が管理するわ。直人、すぐ物をなくすから。」
「楓様!」
「了解!じゃあ、私のもよろしくね。」
 そう言って、私の日記帳も出して楓ちゃんに渡した。
「あ、写真はどう?携帯あるし。」
「いいね!」
 試しに楓ちゃんは私を撮ってくれた。でも画面を見ると、私は写っていなかった。
「私はもう人間じゃないから、写らないのかも…。」
「残念ね…。でも、この日記帳があれば忘れないはず!」
「じゃあ、詩を唄ってくれる?」
「もちろん!でも、歌詞が難しいんじゃない?」
「それは精霊が導いてくれるから大丈夫だよ。」
「それで、どこで唄えばいいんですか?」
「精界の、『精霊の里』っていう所。2人とも、私につかまって。」
 2人が私の手を掴んだのを確認して、私は呪文を唱えた。
「我が目指す地へ、目指す地は聖なる地、聖なる地は精なる者、精なる者の世界へ、我らを誘い給え。」
 すると、光が包み込んだ…。

精界の「精霊の里」にて―吉永楓―

 気が付くと、そこはとても幻想的な場所だった。空は桃色で、周りには色とりどりの音符が浮遊している。地面は巨大な切株みたいで、私達はその上に立っていた。
「詩を唄いに来た者だよね〜♪」
 薄いピンク色の翼で明るいピンク色の瞳。そして桃色の体毛の兎がどこからかいきなり現れた。尻尾が八分音符をしている。
「そうだけど…貴方は?」
「私は音の精霊、パーレルだよ〜♪」
「詩の力を借りたいんだけど、いいかな?」
「いいよ〜♪じゃあ、3人ともそこに立っていてね〜♪」
 私達は言われた通りに立っていた。
 その時…私の意識は瞬時に消えた。

47 < 48 > 49