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*38*
「あ、そういえば昔きてくれた子がメロンソーダのんでたなー。 それでいい?」
相手がきいてくる。
俺はなんでも良かったし、柊さんもいいみたいだから、
「それでお願いします」
と頷いた。
「了解! じゃあ、待っててね。 いれてくるから」
相手は、俺に「適当に席に座ってて」と笑顔でいうと、奥の方に入っていった。
とりあえず、俺と柊さんで席に座る。
そして、しばらく柊さんと話していたが、俺は不思議に思うことが一つあった。
ここ、客がいない。 周りには、沢山のテーブルがあるのに、客は俺たちだけだ。
なんでこんなに客が少ないのだろう。
丸菜学園から歩いて五分ほど。そんな近い喫茶店に高校生が来ないわけないのに。
それに、年配の人もいない。
常連しか来ないような喫茶店なのだろうか。
こんな店よりも、マイドナルドのような有名店の方が良かったかもしれない。ていうか、なんで俺はこんな店を選んだのだろう。
……メロンソーダ、美味しければいいのにな。
「ほい、お待ちどうさまー」
そういうと、さっきの女の人がメロンソーダが入ったコップを木製のテーブルの上においてくれた。
「ありがとうございます」
二人でお礼をいう。その後で、飲んでみる。
パチパチする感じにメロンの味。完全なメロンソーダだ。
柊さんの顔が楽しそうに微笑んでいた。
それを見ていたら、なんかこういうのっていいなーって思った。
「美味しい?」
微笑んでいる柊さんに聞いてみると、彼女は頷いた。
「うん、美味しい」
いままでの彼女にはなかなか見れない楽しそうな笑みだった。
しばらくして、メロンソーダも飲み終わり、お金を払って店を出ることにした。
そして、そのまま二人は別れて家に向かい、少し楽しい放課後は終わった。
【第八話 END】
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