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必要のなかった少年と世間に忘れられた少女の話
作者: 琴 ◆ExGQrDul2E (総ページ数: 66ページ)
関連タグ: 殺人 SF 複雑 罪と輪廻
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*紹介文/目次*
こんにちは。 または、初めまして。琴と申します。
(※琴は、名前を凰に変えました)
今回は、「些細な嘘から始まった」に続きましてこの小説を書くことになりました。友達が構想を練り、私が執筆するという形式は些細な嘘から始まったと同じです。どうぞ、よろしくお願いします。
私は、更新は遅いです。亀さんです((
それから、少し流血表現(?)も入ります。
それに、稚拙すぎるレベルの文章です。
それでも良いという方は、ご閲覧ください。
アドバイスや感想をくださると、はげみになります!
かなり長編になるので、暇潰しに読んでくださるのでも構いません。
<目次>
罪と輪廻シリーズ第二弾!
「必要のなかった少年と世間に忘れられた少女の話」
>>1 ご挨拶
>>2 登場人物紹介
>>3 プロローグ
【本編】
第一章<真>
第一話 >>4-6
第二話 >>7-9
第三話 >>10-13
第四話 >>14-17
第五話 >>18 >>22-23
第六話 >>24-27 >>30-33
第七話 >>36-38
第八話 >>39-41 >>46-48
第九話 >>49-52 >>57
第二章<犠牲>
第十話 >>58-61 >>63
第十一話 >>65-66 >>69
第十二話 >>73-74
第十三話 >>75-77
第十四話 >>78-79 >>82
第十五話 >>83-86
第十六話 >>87-89
第十七話 >>90-92
第十八話 >>93-94
>>95 エピローグ
>> あとがき
●記念日●
9/22
参照100越え
9/22
参照200越え
10/5
参照300越え
10/13
参照400越え
10/25
参照500越え
11/4
参照600越え
11/17
参照700越え
11/23
参照800越え
11/24
完結!!
●お客様●
武士倉 様
エンヴィ様
杏 様
友桃 様
美玉 様
【罪と輪廻シリーズの解説 (友人の説より)】
「些細な嘘から始まった」から始まる四つの小説のこと。
一弾は「些細な嘘から始まった」 (シリアスダーク)。
二弾は「必要のなかった少年と世間に忘れられた少女」。
三弾、四弾はいまのところ推敲中。
特徴の一つは、色を関係付けていること。キャラクターの名前や物の名前のモチーフなどは色が関係している。 一弾では「青」、二弾では「赤」がモチーフとされている。ほかにも、色を関係付けてあるところがたくさんある。
もう一つの特徴は、物語となる中心の道具。 今は、「ボタン」と「スマートフォン」がでてきている。
どれもあまりに突飛な想像で作られた上、未来的な物語であるために、元となる時代は2050年とという想像し難い年代となっている。
※罪と輪廻シリーズ、またはそれに含まれる全ての物語はフィクションです。 現実の人物、施設とは全く関係ありません。
10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~
*52*
【第十二話】<考えたくないな>
「てことは……」
とても嫌な、考えたくないものが脳裏に浮かぶ。
あたまを振って、その考えを消そうとしているのに、それは消えてくれない。あたりまえのように俺のあたまに居座っていた。すぐさま消えて欲しかった。
そしてーー
「うん。 わたしが殺したわけ。 夜人とか、梢とか」
この目の前にいる女にも消えて欲しくなった。
梅子さんはそんな人じゃなかった。
いつも優しくて気さくで、俺の愚痴も聞いてくれて、ルックスも良くて。なのに、なんでこんな女になったのだろう。
《台本》のことは、本当に信じたくない。 だけど、それは俺の目の前に立っている。実際、梅子さん……いや、梅子はそれに汚染された。それに、穢されたのだ。
そんなこと、あり得ないのに。俺の平凡は壊されてしまった。そして、あたりまえのように非現実が目の前に現れた。 きっと、俺もその台本に汚染されている。二度と抜け出せないのだ。
俺は、絶望した。 からだから力が抜けて、そのままへたり込んでしまった。
「ふふ。 善い世界ばっかりみてるから、そうなるのよ」
梅子がこちらに歩いてきて、俺を見下ろした。
なぜか楽しそうに、微笑んでいた。その顔は、あまりにも怖かった。
この世のものとは思えなかった。
「あ……う」
俺は怯えているのだろうか。 上手く声が出なかった。声を搾り出そうとしても喋られない。
「せっかくだから、 最期に教えてあげる。 あなたの父さんと母さんが喧嘩した理由」
そういって、梅子は微笑んだ。 はるか昔の、柔らかな優しいあの笑顔。 もう、みることは出来ない『梅子さんの』笑顔。
そして、俺の首に彼女は手をかけた。
「それはね、 君だよ」
ぐっと、力を入れられた。
「うっぐ……あ」
息ができない。 喋りたいのに、反論したいのに。
意識が遠のいていく。
(俺って、こんなに脆かったっけ?)
ぼうっとした頭でそんなことを考える。
「君がね、学校にもいかないから。 親に反抗ばっかりするから。 本当は咲子さん、君のこと大っ嫌いだったんだよ? 朔さんの方はね、まだ優しかった。 君のこと、よく気にかけてたから。 でも、君は勘違いしたよね? どうせ、『俺のことを気にかけてくれる人はいないんだ』みたいなこと考えてたんでしょ?」
梅子が淡々と話す。確かに、その通りだった。彼女のいうことは、俺のすべてだった。
「それともう一つ」
梅子は、さっきよりも手に力をいれた。
「あのスマホ、私が贈ったんだよ。 君にね」
そんなことを言われた気がする。
その時、既に俺は意識を手放していた。