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必要のなかった少年と世間に忘れられた少女の話
作者: 琴 ◆ExGQrDul2E  (総ページ数: 66ページ)
関連タグ: 殺人 SF 複雑 罪と輪廻 
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*7*

【第二話】<親友の存在>

 俺は、手にもったスマートフォンを眺める。そして、電源をいれてみた。
 パッと画面が明るくなって、ロック画面がでてきた。初期設定は母がしているのだろうか。
そういえば、箱を開けた時に梱包材は入っていなかった。なら、母が一度開けたのだろう。まぁ、そういうのはきにしない。
 でも、困った。パスワードを聞いていなかった。とりあえず、思い当たるパスワードをいれてみる。
 「makoto」と入力。
すると、画面に「パスワードが違います」と黒い文字が表情された。
 次は、「MAKOTO」と大文字で入力。
そしたら、見事クリア。ロック画面がホーム画面へと変わった。大文字か……すごく簡単じゃないか。まぁ、いいや。
 俺は、スマートフォンの画面をいじりながら、街を歩く。
「よぉ、真人! お前、いいもん持ってんじゃん!」
 後ろから突然声がした。本当、突然だった。
この声は、確か白野 夜人だ。俺の数少ない友人で、幼馴染。
 黒い髪に、黒い目。の筈なのだが、本人が「かっこいいだろ!」といって茶色いカラコンをいれている。服装は、もちろん制服。今から学校に行くのだろう。
制服姿のこいつに会って……いや、遭ってしまったらもう学校へ行くしかない。
「はぁぁ……」
と、俺はため息を吐く。
 夜人は、
「なんだよー、俺みてため息つくとか傷つくぞー」
とかなんとかいっている。
(傷ついて、できれば、寝込んでくれ。そして、俺を不良にさせてくれ。)
 なんて、つまらないことを思いながら、今まさに学校へいこうとしていたんだ、という表情で夜人の横につく。
「まー、いーよ。 一緒に学校いこーぜ!  ついでに、そのスマフォ見せろ」
「一緒に行くのはいいが、スマフォを見せるのは嫌だ」
「お前に否定する権利はない!」
そういうと、夜人は俺の手からスマートフォンを取り上げた。俺は、もう一度「はあぁ……」とため息をついた。

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