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*115*
ピーンポーン
「ん?」
インターホンが鳴る。綾美がドアを開けると…。
「すみません、光野れんくんいますか?」
帽子を深くかぶった男の人がそういう。
れんと関係があるようには思えないが…。
「綾美、だれだった?」
れんがひょこっと顔を出す。
「え?なんかれんに用事があるって…」
その男の人を見ると、にやり、と笑っている。
「…ばーか」
静かにそうつぶやくと。
「うわぁっ!?」
れんを連れ去っていく。
「え?え?と、とりあえず、待てーっ!」
よく状況がわからないが、急いで追いかける。
そして、追いかけながらケータイを取り出し、紗綾に電話をする。
「もしもし、紗綾!?」
「もしもし、どうしたの?」
「実は、れんがおっさんに連れ去られて…悪魔だと思う」
「おっさんて…。それより、その人どこに向かってる?」
「たぶん、中央公園。急いで来て!」
そう言うと、電話をぶちっと切る。
(まったく、なんで中央公園ばっかなわけ…?)
「おいこら待てぇっ」
その人は大人。つまり、その人のほうが速いはずだが、綾美は全速力で走っているので、見失いはしない。
「…っ!?」
急に首筋に電流のような痛みが駆け抜ける。
その瞬間、その人とれんは消えた。
綾美の首筋に痛みが駆け抜けた、ということは、悪魔が力を使った証拠だ。
悪魔は、中央公園に綾美たちを連れて行こうとしている。
…それはなぜなのか。
綾美たちは、それを考える暇もなかった。
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