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*190*
鳴神は、ユリを抱きしめる。
「―――っ!?」
ユリの頬がほんのり赤くなり、動きが止まった。
ユリの瞳には、光が少し戻っている。
「きょ、京一郎くん…?」
「ユリ。一緒に帰ろう」
「…でも、わたしは悪魔で…」
ユリは、悲しそうだった。
さっきまでのまがまがしいオーラは、どこにもない。
「そんなの、関係ないよ。ユリは、ユリだから―――」
「―――!……京一郎…くん、あり…がと…」
ユリは、淡い笑顔を見せ、涙をポロポロと流す。
そして、ユリの体を、眩しい光がまとって―――。
「チッ!戻っちまったか。ま、しょーがねぇか。ユリは、元々人間だし…」
吐き捨てるように言った言葉に、みんなが反応する。
「え!ユリさん、人間なの?」
「―――ああ、ユリの祖先は、本当は悪魔側だったんだが、だんだんと力が薄れていった。魔界で暮らしていたユリは、本当は悪魔ではなく、マテリアルだったんだ。それで逃げ出したユリを、俺が追いかけてきた―――、ってわけだ」
―――そうやって、説明が終わったとたん―――
「…ペラペラしゃべってんじゃねえよ。クズが」
「―――!?」
そして、一瞬でアルウィスは消えてしまった。
※半濁点の付け方知ってる人、教えてください(汗)
「こんにちは。わたしは、魔界の侯爵1番♪おっと、周りの奴らと一緒にしないでね?」
綾美と紗綾の首筋には、強烈な痛みがついさっきから襲ってきている。
「みんな、気をつけて!」
綾美が声を発する。
この声が合図となったように、戦闘が始まった。
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