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魔天使マテリアル 「ペンダントの秘密」
作者: マヤ  (総ページ数: 208ページ)
関連タグ: 魔天使マテリアル 
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「ユリさんが…悪魔!?」

ゆらり、ゆらり、とユリが立ち上がる。

「わたしは、植物の…悪魔…!」

「―――っ!」

みんなが驚いた。
確かに、それはユリのはず。

でも、そのまがまがしいオーラ、恐ろしげな表情は、前のユリからは、想像がつかない。
ユリは、口の端を歪ませ、両手を植物に向かって伸ばす。


「植物よ、我に従え…!」

「くっ…」


相手は、あくまでもユリ。
手を出すことができないので、みんながおろおろする。

「あははっ、そうだ、ユリ。君は悪魔。悪魔なんだよ―――!」

「――――くそっ!」

翔が、舌打ちをする。
こんな状況では、人数がどうであれ、関係はない。


「ユリ!キミは、そんなことしたいって思ってないだろ!?」


鳴神が必死に呼びかける。



「―――っ」



一瞬、ユリの動きが止まり、悲しそうな顔をした。
それは、元のユリだった。
美しいが、どこか儚い…淡い表情。


「ユリ!早く攻撃をするんだ!君は悪魔だろ?」


「てめぇは黙ってろ!!」

「あ、綾美…っ」

綾美の毒舌発射。
しかし、こんなので諦める悪魔ではない。


「わ…わたしは…」

そう言い、しゃがみ込んでしまう。



   ―――ドクン



      何をしている?早く攻撃をしろ




どこからともなく、少年の声がユリの頭の中で響いた。


すると、ユリはまた、口の端を歪めて笑った。


「そうね…わたしは…悪魔!!!」


また、ユリの力で植物の蔓が伸びてくる。



「―――ユリ!」


「鳴神さん!?行っちゃダメ!」


綾美の言うことも聞かず、鳴神が飛び出していく。






     もう、俺は何も失いたくないんだ…!





   ―――ユリがいないと、俺は…!





もう、失いたくない。

友達も、仲間も、家族も、大切な人も…!



「―――ユリ―――!」



たとえ、かっこ悪くたって、構わない。

たとえ、キミが何者でも、構わない。



     ユリは、ユリ意外の何者でもないから―――

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