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魔天使マテリアル 「ペンダントの秘密」
作者: マヤ  (総ページ数: 208ページ)
関連タグ: 魔天使マテリアル 
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「お母さん…助けてよ。お母さん…!」

泣きながらそう言う綾美に応えるかのように、ペンダントが眩く輝きだす。
その光は、この暗い場所だととても目立つ。
「え…なに…?」
その光は、ふわふわ動き回る。
そして、ある場所でぴたっ、と止まり、なにか言いたげにぐるぐる回る。
「え…?ここになにかあるの?」
1人でつぶやきながら、光があるところにそっと手を伸ばす。
すると、なにかが綾美の手に触れた。

「…っ!!」

その瞬間、その光は破裂するように消える。
それが眩しすぎて綾美は目をぎゅっ、とつぶる。
そして、そっと目を開けてみると…。

「れんっ!!」

そこにはれんがいた。
しかし、目を閉じていて、まったく開かない。
「え…なんで?」
ぼろぼろと涙がまた出てくる。
「れん…」
綾美はれんを抱きしめる。
自分でもなんでこんなことをしたのかわからない。
「お願いだから…目開けてよ…」
綾美の涙がれんに滴り落ちると。
「ん…?」
れんが、ゆっくりと目を開ける。
「れんっ!」
綾美は、思わず、またれんを抱きしめる。
それも、思いっきり。
「うわ!?」
れんは、当然顔が真っ赤。まさに、ゆでダコ。
「よかった…よかったよぉ…」
れんはなにがなんだかわからないようだ。
でも、なんとなくわかった。自分が綾美を不安にさせたことは。
「ごめん。心配させて…。それと、ありがとな」
そして、綾美の腰にそっ、と腕を添える。
「れんが…死んじゃったかと思った…」
その言葉に、れんは、くすっ、と笑い、こつん、と綾美を小突く。
「ばーか。好きな女残して死なねーよ」
いつもは、ここで真っ赤になるのだが…。
それよりも、綾美は、れんに言いたいことがあった。

「れん…好き」

今1番伝えたい言葉。
「え…?」
まっすぐな、素直な気持ちを伝えたい。
「わたしは、れんのことが好き。…大好きだよっー…」
それは、れんがいなくなって気づいたこと。
暗い夜空の下でも、姿が見えなくたって。
きっとあなたを見つける。
あなたのことが好きだからー…。

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