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*201*
「徹平さん…!なんで…」
志穂が、目に涙をためながら叫ぶ。
「志穂、大丈夫。すぐに治療すれば…」
綾美は、そう言いつつも目を伏せている。
「すぐに治療すれば」ということは、すぐに治療しなかったら大変なことになるということなのだ。
「…力を、解放する…」
決心したように綾美が言い、綾美を中心とした風が辺りの木々を揺らす。
「――――――を――――。頼んだ…」
そして、ほかの人には聞こえないほどの小さな声で何かをつぶやく。
「覚悟しろ、悪魔」
「―――!?」
目に辛うじて捉えられるほどの速さで悪魔に攻撃を仕掛ける。
「くっ」
―――ズサァッ
しかし、悪魔も負けずにガードをし、綾美は弾き飛ばされる。
「―――綾美」
「―――遅い。何してたんだ」
すると、突如少女の声がした。
それとともに、眩い光が辺りを包み込み―――。
「圭吾先生、耕平先生、雪成さん!?」
「うわ、こりゃー手ごわそうだな」
「そうですね」
「リンナとか言う奴に連れてこられたんだけど…結構ヤバいことになってんな」
そう、綾美がつぶやいていたのはリンナに向かって。
「んじゃ、久しぶりに実戦か!地よ、悪を捕らえる腕となれ!」
耕平が地面に手をつき命じると、地面が手に変わり、悪魔を捕らえる。
「水よ、悪を貫く槍となれ!」
「氷よ、凍てつく礫となれ!」
さらに、そこに圭吾と雪成の攻撃。
綾美の薬を飲んだ3人は、現役時代の力を得た。
そして、この3人は紗綾たちよりも戦ってきた時間が長い。
「―――うわっ」
「―――!?うそっ…」
「つまんねーな。こんな奴らしかいないなんて」
…それでも、悪魔にはかすり傷しかつけられなかった。
「やっぱり、王女がいちばん強いのかな?」
もちろん、それは「力を解放した」綾美のこと。
「―――ところでリンナ、徹平さんの応急処置終わった?」
「ん、オッケー」
すると、いつの間にか徹平が傷を負ったところに布が巻かれている。
リンナがやったのだろう。
「…綺麗な夜空…」
遠い目をした綾美が、空を見上げる。
もう、いつの間にか夜空へと変化した空。
「リンナ、わたし1人じゃ無理だけど…」
「2人ならできる、って言いたいんでしょ」
「―――ええ」
2人で、謎の会話をしている。
その間にも、3人は戦っている。
傷つきながらも、戦う。
傷ついても、構わない。
「綾美…どういうこと…?」
「ごめん。話してなかったね。…リンナは、わたしの分身なの」
「綾美が力を解放している時、わたしは実体となる」
つまり、力を解放してないときに出てきたリンナは幽霊のようなもの。
力を解放している時に、本来の力が使える。
そして、綾美の分身ということは、綾美と同じ力を持つということ。
「…まだ使ったことは、というか使えたことないけど…」
「やるしかない、でしょ?」
2人は微笑み、手をつなぐ。
『星降る夜に、女神は舞う』
1人の為に戦う少年少女たちを応援するように、そのとき、流れ星が空を駆け抜けた。