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*21*
…ここはどこ?暗い…真っ暗な場所…。光が全く入ってこない…
紗綾は、よくまわりを見てみた。…すると。
…だれ?…
誰かがいる。目を凝らして、じっ…とそこだけを見つめてみる。
…そこには、紗綾とそっくりの、紗綾が大人になったみたいな感じの女の人がいた。
…もしかして…お母さん?
そういえば、伊吹さんがわたしとお母さんは似ているって言ってた…!
うれしさがこみ上げてくる。
ここがどこかはわからないが、そんなことはどうでもいい。
「…お母さん…!お母さんなんでしょ?ねえ…」
綾香は何も言わない。綾香の瞳は暗く、光を失っている。
綾香は紗綾から離れていく。何も言わずに。
「お母さん…待って…お母さん…!」
ガバッ!
「あれ…?お母さんは…?それに、わたしの部屋だ…。」
見ると、頬が涙でぬれていた。
「そっか…、あれ、夢だったんだ…。」
あの会議の後、紗綾は疲れてすぐに眠ってしまったのである。
「…お母さん…。」
夢のことを思い出しているうちに、悲しさがこみ上げて来て。
紗綾は声をおさえて、泣いた。
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