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魔天使マテリアル 「ペンダントの秘密」
作者: マヤ  (総ページ数: 208ページ)
関連タグ: 魔天使マテリアル 
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*21*

…ここはどこ?暗い…真っ暗な場所…。光が全く入ってこない…

紗綾は、よくまわりを見てみた。…すると。


     …だれ?…


誰かがいる。目を凝らして、じっ…とそこだけを見つめてみる。

…そこには、紗綾とそっくりの、紗綾が大人になったみたいな感じの女の人がいた。


     …もしかして…お母さん?
     そういえば、伊吹さんがわたしとお母さんは似ているって言ってた…!

うれしさがこみ上げてくる。
ここがどこかはわからないが、そんなことはどうでもいい。


「…お母さん…!お母さんなんでしょ?ねえ…」


綾香は何も言わない。綾香の瞳は暗く、光を失っている。
綾香は紗綾から離れていく。何も言わずに。


「お母さん…待って…お母さん…!」



       ガバッ!



「あれ…?お母さんは…?それに、わたしの部屋だ…。」

見ると、頬が涙でぬれていた。

「そっか…、あれ、夢だったんだ…。」

あの会議の後、紗綾は疲れてすぐに眠ってしまったのである。


 「…お母さん…。」


夢のことを思い出しているうちに、悲しさがこみ上げて来て。
紗綾は声をおさえて、泣いた。

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