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*62*
れんは、料理をもって紗綾の部屋…、今綾美がいるところにいった。
そして、ドアをノックする。
「…だれ…?」
なかから綾美の声がする。
「入るぞ。」
そう言ってドアをガチャリと開ける。
そこには、頬を涙で濡らしている綾美がいた。
すると、綾美は後ろを向き、こういった。
「勝手に入ってこないで…、1人にしてよ…!」
その声は震えていて、絞り出すような声だった。
「ここはサーヤの部屋だろ。ほら、食え。」
れんが料理を綾美の前にそっと置く。
だが、綾美が食べようとする感じはない。
れんはふー…とため息をつき、綾美に話しかける。
「おまえ、自分のこと責めてるんじゃないだろうな?」
しばし沈黙。すると、綾美がやっと口を開いた。
「当り前よ。今日、悪魔がたくさん出たのはわたしのせいでしょうー…?」
「綾美、大丈夫かな。」
紗綾がつぶやく。そして、少しため息をついているとかえでが空になった皿をもってきた。
「あの2人のこと心配しているの?」
「うん…。あ、そういえば、綾美はなんでおびえていたの?」
そうきくと、かえではちょっと困った顔をした。
「ごめん。綾美ちゃんのこと勝手に話すのは…。」
「そ、そっか…。ところで、れんくんに料理をとどけにいってもらったんだけど、
かえでちゃんのほうがよかったかな?女の子同士だし…。」
そう紗綾が言うと、かえではふっと微笑んだ。
そして、ちょっと驚きの発言をした。
「いいえ。れんであっていると思うわ。だって、綾美ちゃんを立ち直らせてくれたのは、れんだからー…。」
その微笑みは少し悔しみが混じっているように見えた。
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