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*81*
綾美が教室に戻ると、なぜか、女子の視線が突き刺さる。
(わたし、睨まれるようなことしたっけ?)
不思議に思いながらも自分の席に座る。
すると、紗綾が焦ったような顔で話しかけてくる。
「綾美、やばいよ〜。」
「なにが?」
綾美はきょとんとしてる。
なにがやばいのかまったくわからないのである。
「さっき、レイヤくんを保健室に連れてったでしょ?」
「それが?」
いまだにわからないようだ。
綾美は自分のことには関心がないのだ。
「レイヤくんの姉のわたしが行くのは普通だけど、綾美は…。」
「わたしも姉だけど?」
「だーかーらー、みんなはそのこと知らないでしょ!」
「あっ、そっか。」
あまりにいろいろなことがあったため、忘れてしまっていたのだ。
周りから見たら、綾美が黎夜のことが好きでついていったと思われているのだ。
「でも、そんだけじゃ、確証にはならなくない?」
「さっき、2人きりで話してたでしょ!」
「あ、そういえば。やばーい。」
焦る紗綾とは裏腹に、綾美はのほほんとしてる。
当の本人がこんなにリラックスしていていいのだろうか。
2人がいろいろ話していると、綾美の前に、数人の女子が現れた。
黎夜ラブの女子たちの中でも、ちょっと行き過ぎな女子たちだ。
「愛川さん、放課後、体育館裏に来てくれる?」
それだけ言うと、女子たちは去って行った。
「めんどくさ…、あ、紗綾、わたし部活遅れるって言っといてね。」
「う、うん…。」
そして、約束の放課後になった。
さて、ちょっとやばいことになりましたよぉ。
しかし、当の本人は涼しい顔。黎夜に少し似てるかも…?
女子たちの熱い視線を浴びながら表情を変えない黎夜…。
女子たちの怒りを浴びながら表情を変えない綾美…。
そして、紗綾はおろおろ。話変わっちゃったね。ごめーん。
とにかく、どうなっちゃうんでしょうね?お楽しみにーー!