完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

魔天使マテリアル 「ペンダントの秘密」
作者: マヤ  (総ページ数: 208ページ)
関連タグ: 魔天使マテリアル 
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~ 110~ 120~ 130~ 140~ 150~ 160~ 170~ 180~ 190~ 200~

*83*

体育館裏に行くと、そこには黎夜ラブの女子数人がいた。
綾美が表情も変えずにそこに行くと、その女子たちは睨みながら話しかけてくる。
「愛川さん、あなた、レイヤくんと付き合ってるの?」
「付き合ってないけど。」
きっぱり言い放つ。
すると、その女子たちはさらに睨みながら話しかけてくる。
いや、話しかけるというより襲いかかるような感じだ。
「うそよ!」
「うそって決めつけるなら、最初から聞かないでよ。」
「…っ。」
確かにそうだ。否定したのにうそといわれたら、だったら最初から聞くな、という話である。
綾美にばっさり言われ、ちょっとだまったが、すぐに反論をする。
「で、でも!保健室で2人きりになってたじゃない!!」
「話がしたかっただけだけど?」
「そこで告白したんじゃないの?」
「してない。」
綾美はぜんぜん表情を変えない。
普通なら、少しくらいおろおろしてもいいだろう。
「だいたいさぁ、なんで確証もないのに呼び出されなきゃいけないわけ?時間の無駄。早く部活に行きたいんだけど。」
「なによ、逃げるつもり?」
女子たちはまだまだ強気。だが、綾美の毒舌にかなうわけがない。
「それより質問に答えなさいよ。わたしは答えたんだから。なんで証拠もないのに呼び出したわけ?」
「ふんっ。」
女子たちは答える気がないようだ。
みんなしてそっぽを向く。
ぜんぜん答えない女子たちに綾美は堪忍袋の緒が切れる。

びゅっ!!

綾美の拳がその女子のリーダーらしき人物の頬を掠める。
「こ・た・え・な・さ・い!!!」
「はぃぃぃっ!」
その女子は急いで返事をする。
その他の女子はびびりすぎて声が出せないようだ。
「だ…だって…、よ、よく、一緒にいるし…仲よさそうだから…です…。」
びびりすぎて口調が変わっている。
「あのねぇ、黎夜はうるさいとことか嫌いなの。もっと普通に話しかけなさいよ。友達みたいに…。」
『はいっ!わかりました!師匠!!』
(…師匠…?)
あんなことをしたのにアドバイスをくれる綾美に女子たちは信頼を覚えたようだ。
「んじゃ、わたし部活行くから。」
『はいっ!行ってらっしゃいませ!』
「…?」
やっぱり、自分のことには疎い綾美だったのだった。

82 < 83 > 84