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*12*
「…ルーちゃん…」
ルーシィの目は今までにないくらい、荒れている。
強く優しい彼女からは、考えられないくらいだ。
「…あんた達で、行って来なさいよ。どうせ苦しむんだから」
こんなルーシィ、見てられない。
顔を背け、レビィは涙をこらえた。
泣いちゃいけない、泣いたら昔の自分に戻ってしまう。
「…ルーちゃん、星霊はどう思ってるの」
ポツンと、本当に考えも無しに呟いていた。
星霊。
その言葉にルーシィは反応し、ガタンッと椅子から勢いよく立つ。
「…なんでそんな事聞くのよ」
「まさか、ルーちゃん」
―星霊の心だけ、変わっていない?
最後の言葉は飲み込んだ、飲み込まなくてはいけなかった。
ルーシィの瞳からは、大粒の涙が零れ落ちている。
「…知らないわよ、もう…もうほっといてよ!!」
精神の幼くなったグレイは椅子に座り、足をブラブラさせながらつまらなそうな顔をしている。
早く、早くと言いたげな黒曜石の瞳はエルザを映していた。
「…グレイ、後でちょっとした部屋に行ってもらえないだろうか」
「そこに行ったら、家に帰してくれる?」
誘拐犯さん、なんてからかい半分で言うグレイは楽しげだ。
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